第10戦ニューヨークシティE-Prix ギュンターの勝利
マキシミリアン ギュンターは、第10戦ニューヨーク・シティE-Prixにおいて素晴らしいオーバーテイクと卓越したエネルギー管理能力により、4番グリッドからトップに浮上し、勝利を手に入れた。
BMWのマキシミリアン・ギュンターは、ニューヨーク・シティE-Prixで行われたダブルヘッダーの第1レースで完璧な走りを見せ、ブルックリンでベルニュやディ・グラッシを制してみせた。
レース残り5分、オーバーテイクポイントとなるヘアピンで、ポールシッターでレースをリードしてきたニック・キャシディにベルニュが襲い掛かり両者はアウトサイドに膨らむ。
この強引なオーバーテイクでロスをした二人をインサイドから華麗に抜かしていったのがギュンターだった。
ギュンターは4番グリッドからスタートして常にペースを測り、使えるエネルギーを上手に管理しており、最高の好機を逃さずにトップに立った。
トップに立った後はエネルギー残量を多さを活かし、ベルニュを少しずつ引き離していった。
ニューヨークシティでのレースは、BMW iアンドレッティ・モータースポーツのホームレースであり、チームのボスであるマイケル・アンドレッティがガレージから見守っていた。
ギュンターはレース後にインタビューに答えた。
「いろいろな意味で素晴らしい勝利だったし、国歌を聴いたときにはとてもいい気分でした。チームのホームレースであるニューヨークでのレースは特別なものです。特に、今シーズンは思い通りにいかないことが多かったので、ポイントを思うように稼げませんでした。ですが、このような日を迎えることができてとてもうれしいです。マイケル(アンドレッティ)も表彰台に上がり、みんなにとって大きな意味があります」
「フォーミュラEのレースは常に自分のペースとマネジメントにかかっています。土曜日にはその両方をうまくこなせました。優勝争いをしていたトップ4の中では、私たちが一番エネルギー残量を保持しており、この状況はかなり有利でした。その一方で、オーバーテイクは簡単ではありませんでした。ベルニュがヘアピンで勝負に出た時、レコードラインに留まることが難しい状態になることが分かりました。その瞬間が私にとって、レースリーダーを争う2人を同時にオーバーテイクする絶好の機会でした。トップに立って、他より多くのエネルギーを持っていれば最高の状況です」
ギュンターは今シーズン、バレンシアとモナコでの5位が最高順位であり、表彰台に登っていなかった。
スペインではチームメイトのジェイク・デニスが優勝していたため、ギュンターにはプレッシャーがあった。
ニューヨークシティでのレース1では、勝利に必要なすべてのピースを集めて1位でゴールしたが、ギュンターはそれがいかに難しいことかを再度実感したとコメントした。
「今年は、良いレースをしてポイントを獲得しても、細部がうまくいかず、大きなポイントを獲得する勢いがなかったことが何度もありました。でも、何度も言っていることですが、とにかく前進すること、自分自身に集中することが重要です」
「すべてのレースで勝ちたい気持ちはあるものの、勝ったからといって哲学が変わるわけではありません。私たちのマシンは上手く機能していますし、競争も激しいので、前回のレースが良かった悪かったにかかわらず、ただひたすら自分のことをやり続ける必要があります」
「自分たちの能力はわかっているし、チームもそれを知っている。浮き沈みの激しいこの選手権では、常に前進し続けることが重要です。なぜなら、自分ではどうすることもできないことがたくさんあるからです。だからこそ、私たちは今回の勝利を得ることができたのだと思います」
ギュンターは、自分とチームの努力が報われたことに満足しており、7月24日、25日に開催されるロンドン大会に向けて全力を尽くす。