フォーミュラE 2021 ROUND13 ロンドン E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2021 ROUND13 ロンドン E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラE 2021シーズン第13戦がイギリスの首都であるロンドンで行われた。
ロンドンのストリートレースは久々のフォーミュラE開催となる。
フォーミュラEは2016年にイギリスを訪れて以来、長らく開催から遠ざかっていたものの、今シーズンはロンドンのストリートに戻ってくることになり、世界選手権の名誉をかけたレースはこれまで以上に熾烈なものとなる。
また、今回もダブルヘッダーとなり、土曜日と日曜日にそれぞれレースが行われる。

スタジアムセクション

過去に開催された際とは異なるコースでの開催となる。
ロンドンE-Prixは、歴史あるドックランズとエクセルエキシビションセンターを舞台に、FIAとモータースポーツUKの協力のもと、英国の建築家サイモン・ギボンズが設計したレイアウトでE-Prixを開催する。
屋内外を利用した個性的なサーキットで行われる今年のロンドンE-Prixは、フォーミュラEの歴史的に新たな1ページを追加するダブルヘッダーとなる。
レースディレクターのオリ・マクラドンは、ロンドンが今シーズンのカレンダーに戻ってきたことを喜び、内燃機関や排気音がない電動レーシングシリーズだからこそ、屋内を通るレースが可能となったと語った。

予選

土曜日とは違い、日曜日の予選セッションはドライコンディションで行われた。
前日の予選よりは出走順による有利不利が出にくくなった影響もあり、ランキング上位のマシンも予選で好タイムを出し始める。
通常予選は大接戦となり、23位までがトップから1秒以内と言う状況となった。
そんな通常予選でトップタイムを記録したのは前戦でポールを獲得したアレックス・リンだった。
そしてスーパーポールに進出できる最後の一人である6位にはニック・デ・ブリーズが入ったが、トップとのタイム差は僅か0.192秒差だった。
予選上位6台で行われるスーパーポールでも接戦となった。
ポールポジションを獲得したのはメルセデスのストフェル・バンドーンだった。
最近は上位入賞が少なかったバンドーンだが、ようやく優勝戦線に戻ってくることができた。
2位には日産のオリバー・ローランドが入り、予選での速さを再び見せてくれた。
3位は前戦でポールを獲得したマヒンドラのアレックス・リン。
4位は復調してきたメルセデスのニック・デ・ブリーズ。
5位はジャガーのミッチ・エバンス。
6位は前戦のクラッシュからリベンジを狙うBMWのマキシミリアン・ギュンターとなった。

レーススタート

各車大きなトラブルなくオープニングラップをクリアしていき、上位勢では順位の変動はあまり見られなかった。
上位勢で最初にアクションを起こしたのはメルセデスのデ・ブリーズだ。
土曜日のレースでもオーバーテイクを複数成功させていた得意のダブルヘアピンで、前を走っていたリンのインサイドに飛び込みオーバーテイクする。
これで3位へ浮上してチャンピオンシップ争いでも有利な展開になる。
序盤こそ落ち着いたレース展開になるかと思われた第13戦だったが、アタックモードを起動し始めたタイミングで様々なアクションが発生していく。

アタックモード起動

上位勢で最初にアタックモードを起動したのはローランドだった。
2位から3位へポジションを落として、デ・ブリーズの後ろに復帰する。
すぐにアタックモードを利用してオーバーテイクを試みるが、ホームストレートでは抜かすことができず少しタイムロスをしてしまう。
デ・ブリーズもアタックモードの起動を行い、その間にローランドが再度2位へ戻った。
メルセデスはバンドーンもアタックモードを起動して1位で復帰しており、1-3体制で一回目のアタックモードを使用する。
残り37分頃、中団でアクシデントが発生する。
ブエミとラストがダブルヘアピンでバトルをした末、両者は複数回の接触をしてしまう。
ラストはこの接触でサスペンションが壊れてレースを続行することができなくなってしまいリタイヤした。
コース上にマシンが止まってしまったためセーフティカーが入った。
残り33分頃、レースが再開される。
アタックモードを起動していた上位3台にとっては悪いタイミングでのセーフティカーであり、アタックモードの恩恵を受ける時間が半分程度になってしまった。
中団ではレース再開後の1コーナーで激しいバトルが展開される。
特にキャシディとデニスによる争いはあわやクラッシュという展開だった。
上位勢でも動きがあった。
2位争いをしていたローランドとデ・ブリーズは、先にアタックモードが消えたローランドをデ・ブリーズが裏ストレートで抜き去り逆転する。
これでメルセデスが1-2となり、開幕時の圧倒的なチームパフォーマンスを見せる。
残り29分でトップのバンドーンが早くも二回目のアタックモードを起動する。
その間にデ・ブリーズが前に行くが、ホームストレートですぐにバンドーンがポジションを取り戻し、チームでの争いを最小限にした。
そんな中、中団ではアクシデントが発生する。
ホームストレートでロッテラーのインサイドに並んだダ・コスタだったが、ロッテラーとウォールに挟まれてしまい行き場を失う。
そしてウォールの切れ目の先にある角度の付いたウォールにタイヤをヒットさせ、左サスペンションを壊してリタイヤとなる。
ディフェンディングチャンピオンで今シーズンもランキングを争うダ・コスタだが、ここでノーポイントが確定してしまう。
これにより再度セーフティカーが出動してレースは一時休戦状態へ。

アウディの奇策

セーフティカー中、とんでもないことが起こる。
なんと9位を走行中だったディ・グラッシが、セーフティカーが入っている中でトップにポジションを上げた。
これはチームからの指示だったようで、セーフティカーが低速走行している間にピットロードを走ってポジションを上げたのだ。
もちろんこのアクションに対して審議が行われたが、レースは残り22分頃に再開される。
再開されてすぐにアクシデントが発生する。
3位を走行していたローランドがダブルヘアピンのブレーキングで止まり切れず、前を行くバンドーンに追突してしまう。
これでローランドとバンドーンはポイント圏外へ脱落し、多くのマシンが2つポジションを上げた。
上位勢では2回目のアタックモードでポジションで入れ替わり、終盤はディ・グラッシ、リン、デ・ブリーズの順でレースが進む。
しかし残り8分のタイミングでディ・グラッシにドライブスルーペナルティが課せられる。
ペナルティが出ることを想定していたデ・ブリーズやリンは無理せず、順調に周回数を重ねていった。
残り2分を切ったところでまたも中団でアクシデントが発生。
ダブルヘアピンの侵入でインサイドに入ろうとしたバードとナトが接触し、両者はリタイヤとなった。
ファイナルラップに入り、ドライブスルーペナルティを無視したディ・グラッシに黒旗が提示され失格処分となった。
優勝は、落ち着いたレース運びで母国レースとなったマヒンドラのアレックス・リン。
最後の数分はデ・ブリーズに接近されたが逃げ切ることができた。
2位はメルセデスのニック・デ・ブリーズが獲得し、チャンピオンシップをリードすることになった。
3位は激戦を勝ち抜いたジャガーのミッチ・エバンス。
4位はランキング2位へ浮上となったバージンレーシングのロビン・フラインス。
5位はポルシェのパスカル・ウェーレイン
6位はBMWのマキシミリアン・ギュンターとなった。
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