フォーミュラE 2023 ROUND1 メキシコシティ E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2023 ROUND1 メキシコシティ E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラEの2023シーズン開幕戦が、メキシコのメキシコシティで行われた。
メキシコシティは、1年間を通して気温の変化が少なく過ごしやすい地域である。
一方で観客の熱狂度合いは最高レベルであり、多くの観客動員を記録しているイベントだ。
今年でメキシコシティE-Prixは7回目の開催となり、コースの全体的な形は変わらないものの、裏ストレートに新たにシケインが増設された。

2023シーズンはGen3マシンへと移行し、大幅にマシンパフォーマンスが向上した。
最大パワーの350kwを使用する予選はもちろん、決勝で使用されるパワーも大幅に上がり、Gen2の予選時よりも50kw多い300kwで争われる。
そのため、今までよりもトラクション性能が重要となり、無駄なくパワーを路面に伝える必要がある。
同時にブレーキの回生量も向上したが、Gen2時代と同様のバッテリー容量であるため、より効果的なエネルギーマネジメントが求められる。

予選では、最初に行われるグループステージで好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、350kWの出力での直接対決勝負が行われる。
今回の予選では、トーナメント一回戦目が大接戦となり、4組中3組が0.1秒以内のバトルを繰り広げた。
ポールポジションを獲得したのは、マヒンドラのルーカス・ディ・グラッシだった。相手のミスにも助けられたトーナメント予選だったが、記念すべきGen3時代最初のポールポジションを移籍初戦で獲得した。
2番手にはミスがあったアンドレッティのジェイク・デニスが着けた。準決勝では全体最速タイムを記録していただけに悔しい結果となった。
3番手はマクラーレンのジェイク・ヒューズが入り、マクラーレンチームと自身初のE-Prixを素晴らしい形でスタートさせ、一気に注目ルーキーとなった。
4番手はアンドレッティのアンドレ・ロッテラーとなった。アンドレッティは2台共が非常に速さを持っていることを見せた。
日産はサッシャ・フェネストラズがトーナメント進出を果たすが、8番手と中団からのスタートになった。

レーススタート

Gen3マシンの最初のレースがスタートした。
ターン1は全車が通過していきクリーンなスタートになったが、その後にアクシデントが発生する。
ABTのフラインスが新設された裏ストレートのシケインで、前を走るナトのマシンの減速に対応できず接触し、フロントサスペンションを破損してリタイヤとなる。
追突されたナトもダメージを負ってピットへ戻りリタイヤとなった。
このアクシデントで早速セーフティカーが出動し、波乱を予感させた。
再開されると、今度はジャガーのバードが1コーナー先でマシンを止めてしまう。
再度レースが再開されると、デニスがディ・グラッシを抜いてトップに躍り出る。
ルーキーのヒューズもこの争いに加わり、熾烈なトップ争いが展開される。
一方で、ターン1では更にアクシデントが発生する。
昨年、チャンピオン争いを繰り広げたモルタラがマシンコントロールを失ってリアからウォールにヒットしてしまい、そのままリタイヤとなる。

中盤のアクション

今シーズンからアタックモードは350kwとなったが、通常時の300kwと比べてあまりタイムが変わらず、コース上でのオーバーテイクが難しいことが予測されていた。
そのため、アタックモードのアクティベートゾーンを通過する際のタイムロスの方が重要な要素となり、各チームはタイムロスを念頭に置いた戦略を立てた。
上位勢でアタックモードの明暗を分けたのはヒューズとウェーレインだった。
3番手を走行中だったヒューズは、前を走るディ・グラッシと同時にアタックモードを起動するが、そのタイミングでウェーレインはヒューズを抜かして3番手に浮上する。
ヒューズよりも先にアタックモードを使用していたウェーレインだったが、アタックモードが終わった後も順位を維持した。

終盤のバトル

29周目、ウェーレインは2位を走るディ・グラッシを裏ストレートのシケインでパスしてポジションアップを果たす。
トップのデニスは既に後続を引き離しているため、ウェーレインは2位を確実となる。
35周目には3位争いが激化する。
ディ・グラッシを先頭に、ヒューズとロッテラーが三つ巴となる。
そしてセーフティカーによる中断によって減少したレースラップを補填するための追加ラップは5周となり、ラスト5周の争いが始まる。
中団でポイント圏内を走行していた日産のフェネストラズは、この5周の追加周回に対応するため、かなりにエネルギーマネジメントが必要となり、大幅なタイムロスが必要となった。
これによってフェネストラズは順位を大きく落とし、デビューレースでのポイント獲得は絶望的となった。
3位争いは5台に拡大しファイナルラップを迎える。
ここでロッテラーが裏ストレートのシケインでヒューズをインサイドから抜かして4位へ浮上する。
次にヒューズは、ブエミからのプレッシャーに耐えることになるが、順位とバッテリーをなんとか持たせてチェッカーを受けた。
優勝は、後続を引き離して余裕のチェッカーを受けたアンドレッティのジェイク・デニス。
2位は、昨年もメキシコシティで速さを見せたポルシェのパスカル・ウェーレイン。
3位は、マヒンドラのルーカス・ディ・グラッシとなった。

 

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