フォーミュラE 2022 ROUND14 ロンドンE-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2022 ROUND14 ロンドンE-PRIX 決勝ハイライト

LINEで送る
Pocket

2022シーズン第14戦が、イギリスのロンドンで行われた。

フォーミュラE世界選手権は、ロンドンE-Prixを第13戦・第14戦として開催した。
ロンドンはイギリスの首都であり、ヨーロッパでも最大級の都市である。
市域の人口は800万人を超え、歴史ある建造物と最先端の技術が混在する特徴的な街並みが見られる。
フォーミュラEが開催される時期の最高平均気温は25度に届かない程度であり、ここ数戦のイベントに比べてマシンやドライバーへのコンディションは比較的優しい。
フォーミュラEは2016年にイギリスを訪れて以来、長らく開催から遠ざかっていたが、昨シーズンはロンドンに戻ってきてE-Prixの開催が行われた。
今年も引き続きロンドンE-Prixが開催されることになり、土曜日と日曜日にレースを行うダブルヘッダーイベントとなる。
土曜日のレースではイギリス人ドライバーのジェイク・デニスが優勝をして地元ファンを盛り上げた。
昨年も優勝経験があるデニスはロンドンE-Prixで素晴らしいパフォーマンスを発揮している。
日曜日のレースでもその速さに注目が集まった。

予選セッションはグループAとグループBに分かれて11台づつ走行を行い、それぞれのセッションの上位4台がトーナメントに進出する。
グループAにはチャンピオンシップをリードするバンドーンと、それを追いかけるライバルであるモルタラが走行を行った。
土曜日はグループ予選でトップタイムを記録したバンドーンだったが、今回は最終アタックで思うようにタイムを更新できず、珍しくトーナメント予選進出を逃すこととなった。
トップで通過したのは土曜日にポールトゥウィンを達成したデニスで、好調を維持してる。
以下、テチータのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、メルセデスのニック・デ・フリース、アンドレッティのオリバー・アスキューがトーナメントに進出した。
グループBはベルニュとエバンスのチャンピオン候補が走行を行った。
ファイナルアタックまで、トーナメント進出ラインの4位付近は非常に混戦であったが、トップタイムを記録したベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシは圧倒的なタイムを記録して他を寄せ付けなかった。
2番手には、最終アタックでポジションを大きく上げたドラゴンペンスキーのアントニオ・ジョビナッツィが入った。
元F1ドライバーのジョビナッツィがようやくフォーミュラEで上位進出が狙えるポジションに来た。
3番手はエンビジョンレーシングのニック・キャシディ、4番手は日産のセバスチャン・ブエミとなった。
デュエル予選では、デ・フリースが初戦で敗退する意外な展開もあったが、最終的にデュエル予選を勝ち抜いたファイナルにはアンドレッティのジェイク・デニスとベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシが並んだ。
ファイナルはコース後半までほぼ互角で進んでいたが、終盤にディ・グラッシがミスを喫して一気にタイム差が付き、ポールポジションはアンドレッティのジェイク・デニスとなった。
これでデニスは2連続ポールとなり、母国のファンは2連勝を期待する展開となる。
2位にはベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシ。
3位はドラゴンペンスキーのアントニオ・ジョビナッツィ。
4位はテチータのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとなった。

レーススタート

レースがスタートし、前半の下りセクションでアクシデントが発生する。
中団でバトルをしていたローランドがアスキューのリアタイヤに乗り上げて一瞬ウイリー状態となる。
ローランドはこれで足回りにダメージを負い、戦線離脱となった。
ローランドはイギリス人であるため、母国イベントで苦い結果となってしまった。
その後、中団で動きを見せたのは12位のエバンスだった。
ヘアピンでウェーレインのインサイドに勢いよく飛び込みオーバーテイクを成功させる。
ウェーレインはエバンスの飛び込みによってヘアピンのラインを変えるが、後続のマシンが少し接触する場面も見られた。
幸い大きなトラブルにならなかった。
残り41分頃、ベルニュがマシンを止めてしまう。
チャンピオンシップを争っているベルニュにとっては非常に痛いノーポイントとなった。
同じタイミングでティクタムもフロントにダメージを負ってレースを終える。
これでセーフティカーが入り、残り37分から再スタートとなった。

アタックモード

残り34分頃、アタックモードをいち早く起動していたデ・フリースが上位勢へ迫る。
まずはダ・コスタとジュビナッツィのバトルで隙が生じたダ・コスタを抜かし、その後ジュビナッツィもストレートで抜かして3位へ浮上する。
その後、ディ・グラッシもアタックモード起動時に抜かして一時2位まで浮上した。
ディ・グラッシがアタックモードを起動した次の周にデニスもアタックモードを起動して対応する。
残り21分、トップのデニスと、追うディ・グラッシの構図は変わらずに続き、今度はデニスがアタックモードを起動したことでディ・グラッシが前に行く。
ディ・グラッシはここから力走を見せて、残り17分までデニスを抑え続け、自身の最後のアタックモードを起動する。
残り12分頃、中団でバトルを展開していたモルタラがターン1で止まりきれずにスピンを喫し、2つポジションを落として12番手へ後退する。
一方、チャンピオンシップリーダーのバンドーンは着実にポジションを上げており、残り11分でダ・コスタを抜かして5位にまで浮上する。

終盤のバトル

残り8分頃、トップのデニスが最後のアタックモードを起動し、そのタイミングでディ・グラッシがトップへ浮上する。
その後、ディ・グラッシはデニスのアタックモードを抑え続けてポジションを維持することに成功する。
残り3分頃、なんと4位を走っていたエバンスがマシンを止めてしまう。
メカニカルトラブルによるリタイヤとなり、チャンピオンシップを争う中ではっきりと明暗が分かれた。
優勝は、巧みなエネルギーマネジメントでライバルを抑えきったベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシ。
フォーミュラEのベテランが見事に表彰台の頂点へ戻ってきた。
2位には、2連勝を目指したアンドレッティのジェイク・デニス。
敗れはしたものの、2戦続けての高パフォーマンスで現地のファンを盛り上げた。
3位はメルセデスのニック・デ・フリース。
土曜日のペナルティによる表彰台取り消しからしっかりと復活してみせた。
チャンピオンシップリーダーのバンドーンは4位に入ったが、ライバルは全員ノーポイントとなったことでポイントのリードは36点となりチャンピオンに向けてかなり有利な状況となった。

screencapture-fiaformulae-en-results-race-results-2022-08-04-15_43_14

LINEで送る
Pocket