フォーミュラE 2021 ROUND12 ロンドン E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2021 ROUND12 ロンドン E-PRIX 決勝ハイライト

LINEで送る
Pocket

フォーミュラE 2021シーズン第12戦がイギリスの首都であるロンドンで行われた。
ロンドンのストリートレースは久々のフォーミュラE開催となる。
フォーミュラEは2016年にイギリスを訪れて以来、長らく開催から遠ざかっていたものの、今シーズンはロンドンのストリートに戻ってくることになり、世界選手権の名誉をかけたレースはこれまで以上に熾烈なものとなる。
また、今回もダブルヘッダーとなり、土曜日と日曜日にそれぞれレースが行われる。

スタジアムセクション

過去に開催された際とは異なるコースでの開催となる。
ロンドンE-Prixは、歴史あるドックランズとエクセルエキシビションセンターを舞台に、FIAとモータースポーツUKの協力のもと、英国の建築家サイモン・ギボンズが設計したレイアウトでE-Prixを開催する。
屋内外を利用した個性的なサーキットで行われる今年のロンドンE-Prixは、フォーミュラEの歴史的に新たな1ページを追加するダブルヘッダーとなる。
レースディレクターのオリ・マクラドンは、ロンドンが今シーズンのカレンダーに戻ってきたことを喜び、内燃機関や排気音がない電動レーシングシリーズだからこそ、屋内を通るレースが可能となったと語った。

予選

予選前に雨が降り、プラクティスセッションはフルウェットコンディションで行われ、予選セッションになってもコース上には水が残る状況だった。
今回はコースの一部が屋内を通る特殊なコースレイアウトであり、1周する間にドライからウェット、そしてもう一度ドライへと路面コンディションが変わる。
路面状況に合わせて最適な走り方が求められる難しい状況の中での予選は波乱が起きやすい。
予選セッションはポイントランキング上位のマシンから6台づつ走行を行う。
このルールによって、ウェットコンディションスタートから乾いていく路面状況では先に走るマシンがかなり不利になる。
予選ではBMWのギュンターがウォールにヒットするクラッシュで赤旗が出て一時予選は中断となる波乱もあった。
この影響もあり、予選グループ3以降のマシンの多くが好タイムを出した。
通常予選でトップタイムを記録したのはポルシェのロッテラーだった。
予選上位6台で行われるスーパーポールでは、マヒンドラのアレックス・リンが後続を引き離すトップタイムを記録してポールポジションを獲得した。
2位にはBMWのジェイク・デニスが入り、チームメイトでクラッシュを喫したギュンターの穴を埋めた。
3位は不調が続いている日産のブエミが入り、久々に優勝争いに加わる。
4位はドラゴンレーシングのセルジオ・セッテ・カマラが獲得。
5位は通常予選でトップタイムを出したポルシェのアンドレ・ロッテラー。
6位はベンチュリーのノーマン・ナトとなった。

早々にリタイヤ

グリッド紹介では1台づつが照明でライトアップされる独特な演出が行われ、室内だからこそできるユニークなグリッド紹介となった。
オープニングラップでは上位勢が無事にスタジアムセクションを通過する中、中団にいたマヒンドラのシムズが他者との接触でウォールにヒットしてしまう。
これでシムズはリタイヤとなってしまい、ポイント獲得圏内にいながら無念のノーポイントに終わった。
シムズがウォールに接触した際に接触したバードはマシンを破損してピットガレージでの修理を余儀なくされ、そのままリタイヤとなる。
これでチャンピオンシップリーダーが早々にノーポイント確定となり、シリーズランキングが更に分からなくなってきた。
早々にリタイヤした2台はどちらもイギリス人ドライバーだったため、母国レースで残念な結果となった。

アタックモード起動

隊列が整い、各車アタックモードを起動し始める。
今回はオーバーテイクが難しいレイアウトであることを考慮して、アタックモードの有効時間が8分へ延長された。
これにより、レース中のアタックモード使用時間が合計で16分になり、普段のレースよりもアタックモードでの走行時間が非常に長くなった。
残り30分頃、ほぼ全員が1回目のアタックモードを起動し、コース上の多くのマシンが225kwで走行する。
中団では激しいポジション争いが起こり、1コーナーとダブルヘアピンでオーバーテイクが見られた。
残り27分頃、トップのリンがアタックモードを起動したタイミングでデニスが先行する。
これで追う形となったリンはアタックモードを利用してデニスを追うが、中々オーバーテイクを仕掛けられない。
そのトップ争いの後ろでは激しい3位争いが展開される。
残り23分頃、3位のブエミと4位のロッテラーが同時にアタックモードを起動しに行く。
ブエミはデ・ブリーズの前で復帰し、ロッテラーもなんとかポジションを守ったが、なんとロッテラーのマシンはアタックモードの起動に失敗してしまう。
これによりホームストレートでデ・ブリーズに抜かされ5位へ後退する。
残り18分でトップのデニスが2回目のアタックモードを起動する。
2位のリンへ十分な差を付けていたため、起動時にポジションを奪われることなくトップで復帰した。

表彰台争い

残り13分を過ぎた頃、3台による2位争いに動きがあった。
4位を走っていたデ・ブリーズがダブルヘアピンでブエミのインサイドへ入りそのままオーバーテイクを成功させた。
非常にタイトなコーナーなため、曲がり切れるか微妙なラインであったが見事に前に出た。
勢いをそのままに、2位のリンへ襲い掛かる。
ブエミと同じダブルヘアピン1つ目を前に、デ・ブリーズはファンブーストを使用して勝負を仕掛けた。
そしてブエミの時と同様にリンをインサイドからオーバーテイクし2位へ浮上した。
オーバーテイクが非常に困難なレイアウトでのレースながら、自力でポジションを上げることに成功した。
優勝は、途中でトップに立ってから素晴らしいペースで逃げ切ったBMWのジェイク・デニス。
後続を引き離しての勝利はフォーミュラEでは珍しい展開だった。
2位はメルセデスのニック・デ・ブリーズが獲得した。
コース上でオーバーテイクを成功させレースを盛り上げた。
3位はポールスタートだったマヒンドラのアレックス・リン。
4位チェッカーを受けたのは日産のセバスチャン・ブエミだったが、レース後の車検で規定量を超えるパワートレイン出力があったとして失格処分が下された。
オーバーしたパワーは僅か0.01kwだったようだが、残念な結果となった。
変わって4位へ繰り上げになったのはポルシェのアンドレ・ロッテラーだった。
5位、6位はアウディの2台が入り、5位にレネ・ラスト、6位にルーカス・ディ・グラッシとなった。
screencapture-fiaformulae-en-results-race-results-2021-07-26-13_42_35

LINEで送る
Pocket