フォーミュラE Gen3のスペックが発表

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フォーミュラEとFIAは、FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン9に導入する予定の第3世代電動レーシングカー「Gen3」のデザインを初公開した。

Gen3は、1月に開幕するFIAフォーミュラE世界選手権のシーズン8に向けたプレシーズンテストが行われているスペインのバレンシアで、フォーミュラEの関係者グループに披露された。
FIA会長のジャン・トッドはGen3について”高性能、効率性、持続可能性の全てを持って生まれたマシン”と表現している。
フォーミュラEに参加している各メーカーは、サーキット内外での集中的な開発テストを経て、2022年春にGen3マシンの納入を予定している。

バレンシアでのブリーフィングでは、Gen3マシンのデザイン、性能、サステナビリティに関する革新的な技術が公開された。

1.世界で最も効率的なレーシングカー
”レース中に使用されるエネルギーの40%はレース中の回生ブレーキによって生成される”

2.前後両方にパワートレインを備えた初のフォーミュラカー
”新しいフロントパワートレインは、250kWの回生エネルギーを発生させる。リアの350kWの回生エネルギーと追加されるため、Gen2の回生能力の2倍以上となる600kWに向上”

3.リアの油圧ブレーキを採用しない
”フロントパワートレインの追加と回生能力の高さにより、フォーミュラカーとしては初めて、リアに油圧ブレーキを採用しない”

4.軽量小型化・パワーアップ
”最高出力350kw(470馬力)のモーターを搭載し、最高速度320km/hを実現し、Gen2よりも軽量・小型化によるホイール・トゥ・ホイールの白熱したレースを可能にする”

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FIAフォーミュラE世界選手権は、開発プロセスを通じてエンジニアと密接に協力し、”Gen3”が高性能レーシングカーでありながら環境に配慮したマシンになるようにした。
Gen3はライフサイクル思考に沿った最初のフォーミュラカーであり、すべてのタイヤ、壊れた部品、バッテリーセルに、セカンドライフとエンドオブライフの明確な道筋を示している。

・カーボンファイバー製の破損部品は、航空・宇宙産業の革新的なプロセスに再利用され、新しい繊維にリサイクルされる。
・新たな技術により、持続可能な材料を26%使用してタイヤを製造する。
・搭載モーターは、電気エネルギーの90%以上を運動エネルギーに変換することができ、大幅に効率が向上する。
・すべてのサプライヤーに厳しいサステナビリティKPIが課せられる。

FIA会長のジャン・トッドは次のように述べた。

「新世代の『Gen3』は、高性能、効率性、持続可能性の全てを持ったマシンです。フォーミュラEが始まって以来、FIAがフォーミュラEとともに成し遂げてきた仕事は驚くべきものです。今後もイノベーションを推進し、持続可能なモビリティーの開発を促進するために努力を続けていきます。Gen3がフォーミュラEを次のレベルに引き上げてくれることを確信しています」

フォーミュラEのCEOであるジェイミー・ライグルもコメントした。

「Gen3の設計にあたっては、高性能、効率性、持続可能性が妥協することなく共存できることを実証することを目指しました。FIAと協力して、世界で最も効率的で持続可能な高性能レーシングカーを開発しました。Gen3は、これまでで最も速く、軽く、パワフルで効率的なレーシングカーです。ストリートレースでのホイール・トゥ・ホイールの戦いが可能になるように設計されています。フォーミュラEのシーズン9から導入され、世界中のファンを興奮させるのを楽しみにしています」

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