Race at Home Challenge チャンピオンシップ第1戦 リアルドライバーレース
フォーミュラEは世界的な健康危機の中でシーズンの中断を余儀なくされているが、そんな状況でもユニセフを支援するために新たに開催されているバーチャルレースである「ABB Formula E Race at Home Challenge」のチャンピオンシップ第一戦が行われた。
リアルドライバーレース
「ABB Formula E Race at Home Challenge」は毎戦2つのレースを行う。
ひとつはリアルでフォーミュラEのドライバーを務めるプロレーサー達のリアルレーサーレースセッション。
もうひとつはオンライン予選を勝ち抜いたシミュレーターレーサー及びゲスト達のチャレンジャーレースセッションだ。
今回のレースは、前回の初開催テストレースとは違い、シリーズのポイントランキングが適応される。
真の意味での第一戦と言うことになる。
決勝
チャンピオンシップシリーズの第一戦はフォーミュラE用市街地サーキットである1.8kmの香港ハーバーフロント・サーキットで行われた。
予選では59.8秒の予選ラップを記録したメルセデスのストフェル・バンドーンがポールポジションを獲得し、幸先の良いスタートを切った。
レーススタート後のターン1を通過したバンドーンは無事に首位をキープした。
ターン1では2番手付近で激しいポジション争いが繰り広げられた。
マヒンドラレーシングのパスカル・ウェーレインは2位からスタートしたものの、ヴァージンレーシングのキャシディがインサイドに入ってきた影響で、アウトサイドのBMWに乗るギュンターと挟まれ、更にその次のコーナーでも3台によるバトルの影響でウォールにヒットしてしまう。
この接触でウェーレインは順位を落とし、変わって4番手にはテチーターのベルニュが上がってきた。
後方では、ベルニュのチームメイトであるアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが最後尾からの追撃で1周目を終えた時点で19位まで順位を上げていた。
トップの後退
その時、トップのバンドーンがドライビングミスによって順位を大幅に下げてしまう。
これにより上位勢はそれぞれ1つポジションを上げ、BMWのギュンターがトップに立ち、そこにキャシディが1秒差で続く。
6番手までポジションを落としたバンドーンはポールポジションのアドバンテージを失ってしまった。
今回の第1戦ではマシンダメージがテストレースよりも増加したため、フォーミュラEのシティストリートレースでは細心の注意が必要になった。
この変更の餌食になってしまったのは、パナソニック・ジャガー・レーシングのジェームズ・カラド。
7周目に接触クラッシュを起こしてリタイアとなった。
ギュンターは2位のキャシディに対して常に1秒程度のアドバンテージを確保しながら走行を続け、3位のウェーレインは上位2台から少し遅れた。
一方、ベンチュリーのモルタラは現実のフォーミュラEで、昨シーズンここで優勝しているにもかかわらず、14周目の終わりにノックアウトされてしまい、フィニッシュすることはできなかった。
安定感を見せたギュンター
終盤に入っても上位に動きはなく、最終的に1位にギュンター、2位にキャシディ、3位にウェーレインとなった。
ギュンターのチームメイトであるシムスは10位でゴールし、BMW iアンドレッティ・モータースポーツチームはダブルポイントフィニッシュとなった。
チャンピオンシップシリーズの初戦でトップに立ったギュンターは、フィニッシュラインを通過しコメントした。
「簡単なレースではなかったよ。現実の世界ではないけれど、僕らはみんな競争しているし、トップに立ちたいと思っているんだ」