フォーミュラE シミュレーターテストドライバーの役割

フォーミュラE シミュレーターテストドライバーの役割

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FIAフォーミュラEチャンピオンシップは、2019/2020シーズンに新チームを加え、総勢24人のドライバーで構成されている。
24人のレギュラードライバー以外にも各チームに2人づつのテストおよび開発ドライバーがいる。
フォーミュラEのテスト/開発ドライバーは現実のレーストラックでテスト走行を実行することが主な仕事ではなく、シミュレーターを利用して多くの周回を走り、マシンの開発を行うために数え切れないほどの時間を費やしている。

シミュレーターテストの重要性

アウディスポーツABTシェフラーのチームプリンシパルであるアラン・マクニッシュは、シミュレーターの果たしている役割について以下の様に語った。

「私はフォーミュラEにおいてシミュレーターの役割が非常に重要であることを十分に理解しています。他のどのモータースポーツよりも、シミュレーターを有効に活用しなければならず、そうしなければ現実のレースで勝つことはできません。」

ポルシェチームに所属するニール・ジャニもフォーミュラEにおけるシミュレーターの重要性を理解している。

「今の時代はシミュレーターを使うレースシリーズも増えてきており、他のレースシリーズでも特定のトラックに向けて準備をするために使用されますが、フォーミュラEでのシミュレーターテストは更に大きな意味があります。重要な要素の一つはバッテリー消耗の管理です。シミュレーターでは、ペースを抑えてゆっくり運転したり、アクセルをリリースしてバッテリーをチャージすることで、どれくらいのエネルギーを節約できるか等を、各コーナー毎に細かくチェックすることができます。また、レース中にペースを上げないといけなくなった場合に、どのエリアでスピードを上げてエネルギーを効率よく使うべきかを把握することができます。」

効率的な準備

シミュレーターで得られた情報は、レース前にドライバーに伝えなければなりませんが、アラン・マクニッシュはその重要性を強調している。

「結局のところ、我々のチームのドライバーはフリープラクティスセッションをコースに慣れるために利用しているため、最適なエネルギー管理のためのテストに時間を割くことが困難です。フォーミュラEのプラクティスは短いですから、そういった理由もあってシミュレーターは非常に重要です。我々のチームは平均してレース前に3日間のシミュレーターテストを行います。最初のテスト走行は通常、リザーブドライバーとテストドライバーによって行われ、彼らのラップはそれぞれのコースのエネルギー消費に関するデータを提供するために不可欠です。チームは様々なソフトウェアプログラムを作成し、ドライバーはレース中の状況や戦術に応じて、省エネモードであったり全面的なアタック用のモードまで、様々なプログラムを起動させることができるようになっている。また、テストドライバーから提供されたデータは、レースエンジニアがタイヤや車両のセットアップを管理するのを手助けします。テストドライバーがこれらの重要な情報を収集して提供した後、実際にレースで戦うレギュラードライバーがシミュレーターに乗り込み、予選とレースのフルシミュレーションを行います。」

F1においても重要な役割を担っているシミュレーターでの開発及びテストは、実際でのプラクティス時間が短いフォーミュラEでは更に大きな要素になっている。
最適なレースプランを構築するためにはレギュラードライバーと同等のテストドライバーが求められるため、フォーミュラEの各チームにいるテストドライバーには有力選手も多い。
今後も進化を続けると思われるシミュレーター部門は、裏方ながら熱い競争が行われている。

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