【EVRACING.JP】技術コラム モータの回転イメージについて

【EVRACING.JP】技術コラム モータの回転イメージについて

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前回の終わりに次は回生ブレーキについてお話するとお伝えしましたが、先に電気自動車の動力部であるモータについてお話したい思います。

ここでは日産のリーフに搭載されている永久磁石三相同期モータを例にお話します。永久磁石三相同期モータとは、ローターが永久磁石となっており、固定子に流す電流の向きを変えて磁界を変化させ、ローターを回転させます。図1に永久磁石三相同期モータの簡単なイメージ図を示します。外側の固定子は実際はコイルとなっておりますが、ここではコイルに流した電流によって作られた磁界を示すことによって簡単にイメージ出来るようにしてお話します。

図1. 4極構造の三相同期モータのイメージ図

 

三相同期モータは固定子の磁界を変化させることにより、中のローターを回転させて、動力を得ます。図2にある時間の位相0deg時の三相の電圧(点の位置が現在の電圧)と固定子の磁界とローターの位置・ローターに加わる力のイメージを示しています。この時、V相の固定子はS極の大きな磁力は発生し、ローターのN極を引き寄せて、それによりローターは回転します。(U相、W相も磁界を発生し、ローターを引き付け回転させています。)

※ここでは進角は進み気味で説明しています。また厳密に何degの進み進角とも定義していません。

図2. 0deg時の三相同期モータのイメージ図

 

V相の固定子にローターのN極が近づくとV相の固定子を一旦無電圧の状態にします。次にS極のローターを引き付けるため、電流の向きを切り替えN極に磁界を切り替えるための準備をします。V相は磁界を発生していないため、ローターを引き付けませんが、U相とW相は磁界を発生しているため、U相とWがローターを引き付け回転させます。

 

図3. 90deg時の三相同期モータのイメージ図

 

このように固定子の磁界を変えて、N極とS極で構成されたローターを引き付け回転させ、また固定子の磁界を切り替えていくことで永久磁石三相同期モータは下図のように回転して動力を得ます。

 

同期モータ_回転

今回は永久磁石三相モータの回転イメージについてお話ししました。次はこのモータを回転させるためのインバータ回路と制御についてお話ししたいと思います。

 

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