フォーミュラE 2023 ROUND5 ケープタウン E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2023 ROUND5 ケープタウン E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラE 2023シーズンの第5戦である南アフリカ/ケープタウンでのレースが開催された。
フォーミュラE初開催となる南アフリカのケープタウンは、ハイデラバードに続き初開催のイベントとなる。
ケープタウンは南アフリカの南西に位置する都市であり、アフリカ大陸の中では珍しいグローバル都市である。
これまでもアフリカ大陸でのフォーミュラE開催はモロッコ等で行われていたが、ヨーロッパから遠く離れたアフリカ最南端でのイベント開催は興味深いものとなる。
南半球に位置しているため、イベントが開催される2月は夏季となる。
2月の平均最高気温は26℃となり、ハイデラバードと比較すると過ごしやすい気候になる。
ただし、海に面したエリアであるため湿度は高く、70%程度だ。

2023シーズンはGen3マシンへと移行し、大幅にマシンパフォーマンスが向上した。
最大パワーの350kwを使用する予選はもちろん、決勝で使用されるパワーも大幅に上がり、Gen2の予選時よりも50kw多い300kwで争われる。
同時にブレーキの回生量も向上したが、Gen2時代と同様のバッテリー容量であるため、より効果的なエネルギーマネジメントが求められる。

予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、ルーキーシーズンを戦う日産のフェネストラズがトップタイムを記録して見せた。
フェネストラズは前戦もトーナメントに進出しており、予選での速さが印象的になった。
チャンピオンシップリーダーのウェーレインも3番手でトーナメント進出を果たす。
グループBでは、マクラーレンのラストがトップタイムを記録して日産パワートレインが両グループでトップを獲得した。

トーナメント予選では、僅差のバトルが行われた。
トーナメントファイナルはフェネストラズ対ギュンターとなり、セミファイナルまでの自己ベスト比較ではギュンターがリードしていた。
しかし、ファイナルではフェネストラズが驚異的なラップタイムを叩き出し、ギュンターを0.4秒以上も引き離してポールポジションを獲得した。
日産は久々のポールとなり、フェネストラズは初のポール獲得となった。
2番手にはマセラティのマキシミリアン・ギュンター。
3番手はエンビジョンレーシングのニック・キャシディ。
4番手はジャガーのミッチ・エバンスとなった。

レーススタート

今回のコースはターン1までの距離は短いものの、各所でポジション争いが起こった。
ターン1ではキャシディがギュンターを抜いて2番手に浮上したかに思われたが、アウトサイドで粘ったギュンターがポジションを守りきった。
裏ストレート後の直角コーナーでは早速アクシデントが起こった。
6番手のブエミにウェーレインが追突してしまい、ウェーレインはサスペンションを破損してリタイヤ、ブエミは最後尾まで落ちてしまう。
チャンピオンシップリーダーが早々にリタイヤしたことで、ランキング2位のデニスにとっては逆転のチャンスとなるが、ドライブスルーペナルティによって後方へ沈んでしまう。

中盤のアクション

21周目、キャシディとフェネストラズと共にトップ争いをしていたギュンターがターン1のアウトサイドのウォールにヒットしサスペンションを破損してしまう。
これでギュンターはリタイヤとなり、フルコースイエローが提示される。
そして丁度FCYの速度制限が行われるタイミングで、トップのキャシディと2位のフェネストラズがアタックモードを使用する。
キャシディは際どいタイミングでポジションを守ったが、フェネストラズは後続のダ・コスタとベルニュに抜かれて4番手となる。
24周目、FCY解除後にダ・コスタがキャシディをオーバーテイクしてトップに躍り出る。
裏ストレートの高速エリアで豪快にオーバーテイクしていくドライビングは、バッテリー残量に余裕を感じさせるものだった。
ダ・コスタはここでペースを上げて、アタックモードのアクティベート時に抜かれないリードを築こうとする。
後続のキャシディはベルニュにも抜かれ、3番手となる。

終盤のバトル

25周目、最終コーナーに設定されたアタックモードのアクティベーションゾーンをダ・コスタが通過していくが、定められたエリアを通過しきれず、アタックモードが起動しないミスを犯してしまう。
これにより、1秒以上あったベルニュとのタイム差が一気に詰まり、窮地に立たされることになる。
27周目、ダ・コスタが再度アクティベーションゾーンを通過し、アタックモードの起動に成功するが、ベルニュがこの間にトップへ浮上する。
30周目、3番手を走っていたキャシディをフェネストラズがオーバーテイクし、表彰台圏内に入る。
31周目、ベルニュに迫るダ・コスタは、裏ストレート後の高速エリアでまたしても豪快なオーバーテイクを見せる。
ほとんどマシンが走っていない左サイドの壁際までコースを広く使い、ベルニュの前に出た。
32周目、ファイナルラップで3番手を走っていたフェネストラズが、キャシディとの接触によってスピンを喫し、一気にポイント圏外まで落ちてしまう。
このスピンは国際映像に映されておらず、両者はレース後も意見の相違が続いていた。
優勝は、31周目に豪快なオーバーテイクでトップに返り咲いたポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ。
ウェーレインのリタイヤを埋める形でポルシェチームに大量ポイントをもたらした。
2位は、DSのジャン-エリック・ベルニュが獲得し、貴重なファステストポイントも加算した。
3位は、ファイナルラップで接触のあったエンビジョンレーシングのニック・キャシディとなった。

フォーミュラEは5戦を終えて、チャンピオンシップ上位2台に後続が追い上げる形となった。
ランキングリーダーはポルシェのパスカル・ウェーレイン(80ポイント)
ランキング2位はアンドレッティのジェイク・デニス(62ポイント)
ランキング3位はDSのジャン-エリック・ベルニュ(50ポイント)

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出典:https://youtu.be/z5kJ4RYm_ls

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