エクストリームE タイヤ開発者へのインタビュー
エクストリームEシリーズのタイヤサプライヤーとして参加しているコンチネンタルは、これまでにモータースポーツ内で生み出したタイヤの中で最も過酷な課題に直面している。
コンチネンタルのEMEAタイヤ責任者であるフィリップ・フォン・ヒルシュハイトとプロダクトマネジメント責任者であるカタリナ・シルバはインタビューに答えた。
Q.コンチネンタルとエクストリームEの関係はどのように始まったのか
フィリップ・フォン・ヒルシュハイト
「エクストリームEは、経験豊富なタイヤ開発者と戦略的パートナーを求めて、2018年の秋に初めてコンチネンタルにアプローチしました。彼らの考えを聞いた後、主催者の目標が当社の企業理念と非常によく合致することをすぐに認識しました。当社は企業として野心的なサステナビリティ目標を追求しています。しかし、私たちは自分たちが行う活動だけに焦点を当てるのでは不十分だと確信しています。そこで、サステナビリティに関連する課題について、社会の認識を高めることにも貢献したいと考えました」
「私たちは可能な限り多様性を尊重し、育成します。何年も前にコンチネンタルは社内のすべての人に平等な機会を与え、数多くのプロジェクトやプログラムを立ち上げました。したがって、エクストリームEの各チームのドライバーが女性と男性で構成されていることは非常に重要な要素です」
続いてカタリナ・シルバ氏もインタビューに答えた。
Q.コンチネンタルでのあなたの仕事と、コンチネンタルのエクストリームEプロジェクトに参加することになった経緯を簡単に教えてください。
カタリナ・シルバ
「私はヨーロッパ、中東、アフリカ向けの夏用製品と、オフロード、4×4、バン製品を担当するプロダクトマネジメントチームを率いています。私たちは、生産部門と開発部門、そしてヨーロッパ市場のマーケティングおよび販売組織と密接に連絡を取り合っています。また、製品に関するフィードバックをすべての関係者から受け取り、社内コミュニケーションの重要な拠点となっています」
「昨年、私はオフロードタイヤ制作グループのテクニカルサポートチームを担当することになりました。これにはタイヤの開発、サービス、統合技術など、さまざまなプロジェクトの調整が含まれています。コンチネンタルタイヤのサステナビリティ活動もその一環で、当時すでに先進的な段階にあったエクストリームEレーシングシリーズへのコミットメントも含まれています」
Q.エクストリームEでタイヤ開発が重要な理由は何か
フィリップ・フォン・ヒルシュハイト
「全チームが使用するマシン”ODYSSEY 21”は、まさに “エレクトリック・モンスター “です。極限の環境で驚異的な加速と速度を実現するために開発されました。モーターは約550馬力のフル出力をほぼ滞りなく発揮します。さらに、ドライバーが “ハイパードライブ”と呼ばれるスピードブーストを作動させることができます。この驚異的なパワーをあらゆる条件下でもコースに伝えられなければなりません」
「エクストリームEは、高速のオーバルトラックや標準的なアスファルト上のコースではなく、5つの全く異なる気候帯で、これ以上ないほど過酷なルートと路面が用意されています。まさに “オフロード “であり、そこには様々な困難や落とし穴が待ち受けているのです。だからこそ、このレースシリーズを成功させるためには、5つの異なる地域の最も過酷なレース条件の下で、確実かつ安全に機能するタイヤを開発することが重要でした」
Q.どのようにしてタイヤの開発を進めたのか
カタリナ・シルバ
「エクストリームEタイヤは、これまでコンチネンタルが製造してきたタイヤを超えるものでなければならないと考えました。開発にあたっては、まず実績のある高性能製品の中から、最大限の性能と回復力を分析しました。その結果、クロスコンタクトシリーズを参考にして開発を進めることにしました。技術面での課題は、トレッドパターン、サイドウォール、コンパウンドの素材と構造をエクストリームEの開催地での厳しい要求に適合させることでした」