フォーミュラE 2021 ROUND14 ベルリン E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2021 ROUND14 ベルリン E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラE 2021シーズン第14戦がドイツの首都であるベルリンで行われた。

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最終戦

フォーミュラE世界選手権は、ベルリンE-Prixで2021シーズンを終える。
最終戦は第14戦・第15戦として開催されるダブルヘッダーであり、チャンピオンシップポイントを大量に加算することができる。
2019/2020シーズンでも最後の戦いがベルリンで行われており、その際は3つのレイアウトで6レースを行う過密スケジュールでの開催であった。

最後の2戦を残した時点で、最大18人のドライバーがドライバーズ選手権タイトルの可能性を残しており、これはフォーミュラEの歴史でも特に厳しい戦いだ。

サーキット

戦いの舞台となるのは、テンペルホーフ国際空港内を走る特徴的なレイアウトだ。この空港は既に2008年で閉鎖されており、現在は使われていない。土曜日に順走の基本レイアウトでの開催となり、日曜日は逆走レイアウトでの開催となる。各チームはどちらのレイアウトでも既に多くのデータを持っているため過去のレースで速さを見せたチームが有利と予想されている。

予選

通常予選では相変わらずの接戦であり、トップから23位までが1秒以内のタイムを記録した。
ポールポジションを争うスーパーポールに進出した6人にはチャンピオンシップを争っているランキング上位のドライバーが複数人いたため、シーズンフィナーレでランキングが大きく動く可能性が高くなった。予選上位6台で行われるスーパーポールでも接戦となり、ポールポジション争いが激しさを増した。

ポールポジションを獲得したのはテチータのジャン-エリック・ベルニュだった。まだチャンピオンの可能性を十分に残しているベルニュがポールポジションを獲得したことで追加ポイントを加算し、ドライバー/チームそれぞれのランキングに貴重なポイントをもたらした。
2位にはテチータのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが入り、テチータが1-2体制でレースをスタートさせることとなった。3位はアウディのルーカス・ディ・グラッシ。4位はベンチュリーのエドアルド・モルタラ。5位もベンチュリーのノーマン・ナトと、ベンチュリー勢も予選で高タイムを記録した。6位は日産のセバスチャン・ブエミとなった。

レーススタート

フロントローを獲得したテチータの2台を先頭に、各車一斉にターン1へ進入していく。ターン1は非常にロングコーナーであるため、インサイドを走るマシンが有利となる。各車大きな接触もなくターン1を通過し、落ち着いたスタートとなった。

中団ではBMWのチームメイト同士で軽い接触があり、バランスを崩したもののすぐにレースに復帰した。裏ストレート後のターン6では中団で順位変動が起き、特に素晴らしい動きを見せたのは日産のローランドだった。予選11番手だったローランドはターン1でギュンターを抜いており、ターン6では前方でバトルしていたウェーレインとデニスをまとめてオーバーテイクし8位へ上がる。
上位勢はしばらく様子見が続き、テチータの1-2体制を維持したまま時間が経過していった。

アタックモード起動

今回のレースでは8分間に設定されたアタックモードを1回だけ使用することとなっており、使いどころの見極めが重要となった。
残り35分頃に日産勢2人が同時にアタックモードを起動する。コースに合流してきたところには、先にアタックモードを起動していたウェーレインがおり、ブエミとローランドの間に入る。ターン7へ向けて良い加速をしていたローランドはクロスラインを通ってオーバーテイクを試みる。しかしウェーレインがブロックラインを強引に通ろうとしたため両者は接触してしまい、ターン7を抜けた先でウェーレインの左リアタイヤがパンクする。これで戦線離脱となったウェーレインはピットへ入った。そのすぐ後、チャンピオンシップを争うバードが最終コーナー出口でストップ。再始動することができずにセーフティカーが入ることとなった。

残り28分でレースは再開される。残り23分を切った頃から上位勢もアタックモードを使い始める。上位勢にはアタックモードで後方から次々にポジションを上げてきたラストが入り、テチータの1-2体制を崩すことに成功する。ラストとのバトルで遅れたベルニュをディ・グラッシが一気にオーバーテイクし、アウディの2台が勝負を仕掛け始める。残り19分、トップのダ・コスタのすぐ後ろまで迫ったディ・グラッシとラストはターン1でインサイドを突いてオーバーテイクを成功させる。

ラストは後方から追い上げてディ・グラッシのサポートもする完璧な働きを見せた。追う後続はモルタラとナトのベンチュリー勢だ。アタックモードが終了したラストをパスし、アタックモードの起動を行ったディ・グラッシを抜いて一時1-2体制を築く。

モルタラ対ディ・グラッシ

先にアタックモードの起動を行っていたベンチュリーの2台は残り13分を切ったところでアタックモード中のディ・グラッシに迫られる。ディ・グラッシはまず最終コーナーでナトをパスし、トップモルタラを追いかける。そして次のラップのホームストレートでモルタラを捕らえ、トップに返り咲く。

表彰台争いも終盤に入って激化し、チャンピオンシップを争うエバンスがナトと激しい3位争いを展開。そこに、こちらもチャンピオンを争うデニスが加わり三つ巴となる。エバンスはターン7の侵入でインサイドを奪い、ブレーキング勝負に勝利して3位へポジションアップを果たした。

トップ争いは最終コーナーを抜けてもなお続いており、モルタラが猛烈にプレッシャーをかける。それでもディ・グラッシには僅かに届かず、0.1秒差のチェッカーを受けた。

優勝は、チームメイトのアシストも最大限に使えたアウディのルーカス・ディ・グラッシとなった。最後の最後はオーバーテイクのチャンスを作らせず、ベテランらしい守りを見せた。
2位は惜しくも優勝を逃したベンチュリーのエドアルド・モルタラ。3位は貴重なポイントを獲得したジャガーのミッチ・エバンス。4位は終始安定した走りを見せたベンチュリーのノーマン・ナト。5位はチャンピオン争いをするBMWのジェイク・デニス。6位はポールポジションスタートだったテチータのジャン-エリック・ベルニュとなった。

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