モナコE-Prix メルセデスの苦戦
メルセデスEQは、モナコE-Prixの予選で両ドライバー共に下位に沈み、決勝でもポイントを獲得できない厳しい結果となった。
メルセデスはモナコの前戦となったバレンシアE-Prixで、デ・ブリーズが素晴らしいエネルギーマネジメントで劇的な勝利を手にし、勢いに乗っていた。
また、チームメイトのバンドーンもランキング上位をキープしており、間違いなく二人ともモナコでの上位入賞候補のだった。
しかし、予選のグループ1で出走したデ・ブリーズとバンドーンは苦戦を強いられた。
デ・ブリーズはトップから1.4秒程度の差で最下位に終わった。
後半グループが路面コンディションの改善を上手く利用してタイムアップしたことで、チームメイトのバンドーンも上位に留まることができなかった。
しかし、デ・ブリーズは予選アタックでのミスを悔やんだ。
「シケインでは、縁石を乗り越えてかなりバンピーでした。片手でステアリング操作をして、もう片方の手はステアリングから離していました。その時に誤ってステアリング上のスイッチを押してしまいました。スイッチを再び戻すのに時間がかかり、ラップの半分で予選モードの250kWを使用しないで走りました。ソフトウェアのアップデートで比較的簡単に修正できますが、これまでになかった現象でした」
予選結果はチームが望んでいたものとは大きく違い、良いスタートではなかった。
それでも前戦のような力強いレースをすると期待されていた。
しかし、メルセデスチームは決勝でも思う様な結果を残すことができなかった。
メルセデスはデ・ブリーズに新しいパワーボックスとギアボックスを与え、それに伴うペナルティを受けたが、元々予選で最後尾だったこともあり、決勝でのパフォーマンス向上が期待されていた。
しかしデ・ブリーズは最後尾での走行を続けた。
24周目はファステストラップを記録したものの、その後ピットに戻りレースを終えた。
Tough race for us but what a fantastic one for @FIAFormulaE with plenty of thrilling action. #MonacoEPrix delivered ‘big time’! 👏👏#WeDriveTheCity #ABBFormulaE pic.twitter.com/colZAePDQr
— Mercedes-EQ Formula E Team (@MercedesEQFE) May 8, 2021
チーム代表のイアン・ジェームズは、次戦の6月19日/20日に開催されるメキシコのプエブラE-Prixダブルヘッダーに向けて、メルセデスが多くを学ぶことを切望している。
フォーミュラEの競争レベルは高く、これ以上の無得点ラウンドが続くと、チームは一気に順位を下げることになると考えている。
ランキング上位3チームのポイント差はわずか7ポイント。
ドライバーズランキングもトップ7のポイント差は16ポイントとなっている。
メルセデスはデ・ブリーズが2位、バンドーンは6位に後退したが、チームランキングではメルセデスが僅差でリードしている。
デ・ブリーズは今後のチャンピオンシップを戦う上でこれ以上の停滞は厳しいと語った。
「モナコでの週末は私たちにとっては苦しい経験でした。これで今シーズンは残り半分のレースしか残されていないので、これ以上の失速は許されません。今は細部を分析して、問題につながった可能性のあるすべての側面に対処しています」
「なぜ今日は悪かったのか、いくつかの理由が考えられます。特に、自分の能力を発揮できないセッションが何度もあった場合には説明が必要です。しかし、それを行動に移すことができなければ、どれも言い訳になってしまうのです。このような挫折を味わうのは今回で最後になることを期待するのではなく、確信したいと思います。前にも言いましたが、私たちはこのようなパフォーマンスを見せたいとは思っていませんし、今シーズン初めのようなレベルに戻りたいと思っています。この素晴らしいグループであれば達成できると確信しています」
メルセデスは残念な結果に終わったものの、チーム代表のイアン・ジェームズは、モナコでのレースがシリーズやファンにとってどれほど重要な意味を持つかを強調している。
「フォーミュラEがモナコの街に戻ってきたことは素晴らしいことです。このような場所でのレースは常に特別なものであり、このシリーズがユニークである理由の一つでもあります。今回のモナコE-Prixはファンに素晴らしいレースをしていたと思います。観客の視点から見てもモナコは期待を裏切りませんでした。それを成し遂げたフォーミュラEの功績は大きいです」