ディ・グラッシが語るフォーミュラEの意味

ディ・グラッシが語るフォーミュラEの意味

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元フォーミュラEチャンピオンであるアウディスポーツABTシェフラーのルーカス・ディ・グラッシが、2020年のアースデイにフォーミュラE選手権がより良い未来のためにどのようにレース活動に取り組んでいるかを答えた。

アズーデイインタビュー

アースデイは地球環境について考える日として提案された記念日であり、地球環境を守るために特別な日として半世紀前に定めた記念日である。
毎年、この日には国連本部にある「日本の平和の鐘」が鳴らされている。

第一シーズンから参戦を続けるフォーミュラEの代表的なドライバーであるルーカス・ディ・グラッシは、フォーミュラEについての考えを述べた。

「今年のアースデイは一味違っていて、もしかしたら今までで一番珍しいかもしれません。コロナウイルスの大流行により、人々は今まで体験したことのないような状況を突然体験する事態になっています。しかしその影響は違った形でも表れており、経済活動の減少によってインドの人々は30年ぶりにヒマラヤ山脈を見ることができ、川の汚染が回復し本来の姿に戻りつつあります。動物園の動物たちは、来園者がいないために非常に異なった行動をとるようになってきています。また、汚染された大都市に住んでいる人々は、自然が今どのように復活してきているのかを実感しているでしょう。もちろん、生産や移動のない世界がどのように影響を及ぼしているか人々は感じられています。この感覚が、2020年のアースデイを特別なものにしています。そして、この健康危機の後、人々は政府に社会的・経済的な支援で生活を正常な状態に戻すための対策を求めるだけでなく、自然を大切にする姿勢を見直すことを求め、これまで以上に環境保全を行うだろうと私は確信しています。私たちフォーミュラEファミリーは、数年前からこの再考に貢献してきました。私は、世界の持続可能性を持つテクノロジーとイノベーションに基づくものでなければならないと確信しています。多くの人にとって地球温暖化の脅威は遠く離れたものに感じていると思います。しかし自らが行動を変えることで実際の利益が得られることを理解しなければなりません。電気自動車は、このような要件を完璧に満たしています。フォーミュラEの会長を務めるアレハンドロ・アガグが8年ほど前にフォーミュラEを設立し、レースイベントを実現させたとき、このような発展はすでに予測されていました。だからこそ、私は最初からフォーミュラEの未来を信じていたし、レースシリーズが始まってから6年が経つ今日、まさにその通りの状況になったのです。」

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フォーミュラEの未来

「大気汚染に対する私たちの共同目標である『綺麗な空気のためのレース』は、フォーミュラEや私が支援しているもので、人類にとって非常に重要なものです。しかし電気自動車はまだまだ軽視されがちです。従来のガソリン自動車の排出ガスは私たちの健康に有害であり、女性・男性・子供たちの多くが暮らす都市で直接排出されています。このような人の多い場所でこそ、電気自動車は人々を守るための最善の方法であり、同時に唯一の方法でもあるのです。電気自動車に変えていくことに多少の努力が必要だとしても、今後の環境のために重要なことになるでしょう。私は情熱を持ったレーシングドライバーです。様々なレースを経験してきた私ですが、フォーミュラEを特別なものと考えている理由は、『理由のあるレース』だからです。フォーミュラEでアウディと一緒に、レース界で経験したことがないような異世界に浸り、学び、それぞれの分野で世界のために働く人々と出会う機会に恵まれています。国連と協力してインドを訪れた際に、私は懸念事項だけでなく、インドの人々の革新的な力にも触れました。マラケシュでのレース前に訪れた世界最大の太陽エネルギー複合施設では、化石燃料に完全に依存していた国がどのように変化し、素晴らしい技術の先駆者となっているのかを目の当たりにして圧倒されました。世界の国々では多くの新しい取り組みが達成され、私たちの未来にはもっと多くの変化が待っています。フォーミュラEの未来に向けて、私はこのシリーズが新しい技術とイノベーションの先駆者であり続けることを願っています。これはパワートレインの電動化にも言えることですが、市販車の生産に常に関連していなければならないし、ファンをフォーミュラEの世界に引き込むための新しいコンセプトにも当てはまります。電気自動車は速く、ダイナミックで、スタイリッシュであることを人々に示したいのです。」

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