フォーミュラE 2022 ROUND15 ソウルE-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2022 ROUND15 ソウルE-PRIX 決勝ハイライト

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2022シーズン第15戦が、韓国のソウルで行われた。

フォーミュラE世界選手権は、ソウルE-Prixを第15戦・第16戦として開催した。
韓国・ソウルでのフォーミュラEは初開催となり、もちろん全チーム及びドライバーにとって全く新しい挑戦となる。
ソウルの都市圏人口は2600万人を超え、世界5位の人口となっている。
非常に大きなこの都市は韓国の中枢として機能しており、様々な分野の中心となっている。
歴史も古く、約1000年程前から人が集まる地となっていった。
フォーミュラEの2022シーズンはソウルでのダブルヘッダーでファイナルを迎えるため、今回の2レースでチャンピオンが決まる。
レースは土曜日と日曜日にレースを行うダブルヘッダーイベントとなるため、大量ポイントを獲得することも可能だ。

予選セッションはグループAとグループBに分かれて11台づつ走行を行い、それぞれのセッションの上位4台がトーナメントに進出する。
グループAにはチャンピオンシップを争うバンドーンとモルタラが入り、走行を行った。
このセッションはスタート時はドライコンディションであったが、途中から小雨が降り出して後半のアタックが難しくなった。
難しいコンディションの中でトップタイムを記録したのは、逆転チャンピオンを狙うモルタラとなった。
後半の小雨が降る中でのタイム更新で好調を感じさせた。
そして残りのトーナメント進出枠にはアンドレッティのジェイク・デニス、ドラゴンペンスキーのセルジオ・セッテ・カマラ、メルセデスのストフェル・バンドーンが入った。
チャンピオンの可能性がかなり高いバンドーンは、最終イベントでも速さは鈍らない様子だ。
グループBは逆転チャンピオンの可能性が残っているエバンスとベルニュが走行を行った。
このセッションは雨が降り、完全なウェットコンディションで行われた。
トップタイムはポルシェのパスカル・ウェーレインが記録し、雨での素晴らしいマシンコントロールを見せた。
以下トーナメント進出は、マヒンドラのオリバー・ローランド、ベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシ、ジャガーのミッチ・エバンスとなった。
ベルニュはトーナメント進出ができず、このタイミングでチャンピオンの可能性が潰えた。
デュエル予選では完全なウェットコンディションで行われたため、同一条件で既に走行経験があるグループBのドライバーが非常に有利な状況となった。
デュエル予選を勝ち抜いたファイナルにはベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシとマヒンドラのオリバー・ローランドが並んだ。
序盤はディ・グラッシが僅かにリードしていたが、後半でローランドが一気に引き離してポールポジションを獲得し、久々のトップスタートとなる。
2位にはベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシ。
3位はジャガーのミッチ・エバンス。
4位はポルシェのパスカル・ウェーレインとなり、上位4台がすべてグループBとなった。

レーススタート

レースがスタートし、早速アクションが起こる。
スタート時はウェットコンディションとなったため、トラクションを上手く伝えられるかで加速が大きく変わる。
この重要なスタートで素晴らしい仕事をしたのは3番手スタートのエバンスだった。
最初のストレートで2位へポジションを上げると、続くコーナーでディ・グラッシをインサイドから抜かしてトップへ浮上する。
チャンピオンを狙うエバンスにとって、このスタートは完璧な仕事をしたと言えるだろう。
オープニングラップが終わろうかと言うところで、後方集団の多重クラッシュが発生する。
なんとストレート後の直角コーナーで曲がりきれずにウォールにクラッシュしていくマシンが何台もおり、ブエミのマシンはデ・フリースからの追突でマシンが持ち上げられてしまう程だ。
ブエミのマシンの下に潜り込む形になったデ・フリースだったが幸い怪我はなく、多重クラッシュに巻き込まれた他のドライバーも無事だった。
このアクシデントで赤旗となり、レースはしばらく中団となった。
レース再開時の順位は、トップからエバンス、ローランド、ディ・グラッシとなった。
レースが再開する頃には路面状況が改善してきており、各車ペースを上げていく。

アタックモード

アタックモードを早めに起動するドライバーは少なかったが、その原因は路面コンディションとアタックモードでのメリットが少ないことにあった。
多くのドライバーが1回目のアタックモードを起動する残り30分頃、路面状況は改善していたものの、レコードラインを外れるとグリップが低いこともあり、オーバーテイクが狙いにくい状況であった。
そのため、多くのドライバーがアタックモード使用時もペースをあまり上げずにバッテリーを節約した走行を続けた結果、コース上でのバトルが通常よりも少ないレース展開となった。
レース残り23分頃、チャンピオンに最も近いバンドーンがモルタラとの6位争いを展開する。
逆転のチャンピオンの可能性が残っていたモルタラであったが、ベルニュとの接触によって5秒ペナルティが確定していたため、事実上のチャンピオン争い脱落となっていた。
バンドーンはチームからの無線で無理をしないように指示されており、手堅くポジションを守りながら慎重なドライビングを続けた。
残り20分頃、バンドーンの前を走っていたベルニュがコーナーで大きく膨らみ、その間にバンドーンがポジションを上げる。
状況が完全にバンドーンの味方に付いたような状態となった。
更に残り12分頃、モルタラは右リアタイヤをパンクさせてしまいスローダウンし、リタイヤとなった。

終盤のバトル

普段はファイナルラップまでバトルが続く展開が多いが、上位勢は等間隔で離れており、各車ポジションを維持する形で進行していった。
そして今回はアクシデントの発生によってレースは終了となった。
スタジアムセクションでコントロールを失ったマヒンドラのシムスは、ウォールに接触してサスペンションを破損してレースを終えた。
これによってセーフティカーが出動し、レースの残り時間も少なかったためそのままチェッカーを受けることになった。
優勝は、1周目でトップに立ったジャガーのミッチ・エバンスとなった。
最終戦に向けてなんとかチャンピオンの可能性を繋ぎ止めた。
2位には、マヒンドラのオリバー・ローランドが入り、表彰台を獲得。
3位はベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシとなり、予選上位のドライバーが脱落せずにチェッカーを受けた。
チャンピオンシップリーダーのバンドーンは5位でチェッカーを受け、最終戦をかなり有利な状態で迎えることとなった。

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