フォーミュラE 2022 ROUND10 マラケシュE-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2022 ROUND10 マラケシュE-PRIX 決勝ハイライト

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2022シーズン第10戦が、モロッコのマラケシュで行われた。

フォーミュラE世界選手権は、第10戦として北アフリカに位置するモロッコ中央部の都市マラケシュで2020年以来のE-Prixを開催した。
マラケシュはモロッコの都市の一つであり、人口は90万人程。
モロッコの中では第4の都市で、歴史の長い街である。
また、旧市街は世界遺産に登録されているため観光客も多く訪れる。
アフリカ大陸の国ではあるが、ヨーロッパから近いこともありモータースポーツ文化が比較的浸透している。
フォーミュラEの他にも数多くのモータースポーツを開催しており、フォーミュラEは今回で5度目の開催となる。
7月の最高気温は35度を超える程の暑さを記録するマラケシュだが、過去にフォーミュラEが開催されたのは2月と過ごしやすい気候であった。
そのため、2020年のレースで好成績を残しているダ・コスタやその他の好成績を残したドライバー達は、今までとは違う課題に新たに取り組む必要がある。
チーム側にとってもかなり厳しい気候でのレースであり、エネルギーマネジメントを上手く行うことが他のレースよりも重要になってくる。

予選セッションはグループAとグループBに分かれて11台づつ走行を行い、それぞれのセッションの上位4台がトーナメントに進出する。
グループAにはトーナメント進出が有力視されているバンドーンが配属され、日産の2台もこのグループで走行を行った。
各車アタックを行い、非常に接近した予選セッションとなった。
これまで圧倒的な予選パフォーマンスを見せていたバンドーンだったが、ブレーキに問題が発生した様子を見せ、タイムアップができずにトーナメント進出はもちろん、グループ10位でセッションを終えることとなった。
バンドーンの脱落によって大きなチャンスが到来したのは、チャンピオンシップを争うモルタラだ。
モルタラはグループトップタイムでトーナメントへ進出を決め、そこに続いたのはエンビジョンのキャシディ、アンドレッティのデニス、アスキューだ。
日産はブエミが7位、ギュンターが9位と低迷が続く。
グループBでは現チャンピオンのデ・フリースや優勝経験のあるダ・コスタが走行を行った。
トップタイムを記録したのはテチータのダ・コスタ。
2番手以降はチームメイトのベルニュ、ポルシェのウェーレイン、ジャガーのエバンスが続き、有力勢がトーナメント進出を達成した。
デ・フリースは僅かに届かず5位となった。
デュエル予選ではセミファイナルでチームメイト対決となったテチータの2台が激戦を繰り広げ、僅か0.02秒差でダ・コスタが勝利した。
ファイナルではダ・コスタとモルタラが熾烈なポール争いを披露した。
最終的に勝利したのはダ・コスタであったが、モルタラとのタイム差は0.08秒と非常に少なかった。
これによりポールポジションポイントを獲得したのはテチータのダ・コスタ。
今シーズンでは自身初のポールとなった。
2位にはベンチュリーのエドアルド・モルタラ。
3位はテチータのジャン-エリック・ベルニュ。
4位はポルシェのパスカル・ウェーレインとなった。

レーススタート

レースがスタートし、ターン1をトップで通過したのはポールのダ・コスタで、モルタラとベルニュが予選通りのポジションを守った。
その後ろではデニスが良いスタートを決めてウェーレインを抜かして4位へ浮上する。
ポジションを失ったウェーレインの後ろにはエバンスが接近しオーバーテイクを狙う動きを見せる。
更にその後方では、スタートでポジションを大きく落としてしまったアスキューに、デ・フリースが豪快なブレーキングで勝負を仕掛けて抜き去るシーンもあった。
後方集団では、NIOのティクタムがリアタイヤをパンクさせてスロー走行となり、戦線から離脱した。

アタックモード

残り39分頃にテチータの2台がかなり速い段階でアタックモードを起動する。
これにすぐに反応し、モルタラとローランドがアタックモードを起動して勝負を仕掛ける。
後方ではキャシディがアタックモードを起動しようとアクティベーションゾーンへ進入した際に、ダスティーな路面にタイヤグリップを奪われスピンを喫する場面もあり、レコードライン外が非常にシビアなコンディションにあることが良く分かるアクションとなった。
残り35分頃、上位勢がアタックモードで争う中、最初にアタックモードを起動したテチータ勢は通常モードとなり、ベルニュは6番手に後退してしまい、ダ・コスタも3番手となった。
ダ・コスタはこれ以上のドロップを避けるために再度アタックモードを起動していく。
残り29分頃、周りとは少しタイミングをずらしたエバンスがアタックモードを起動する。
4番手で復帰後にホームストレートでローランドを抜かし、翌周にはダ・コスタもオーバーテイクする。
しかし残り20分頃にダ・コスタは再度エバンスを抜かして2位へ復帰する。
少し後ろではデニスがペースを落としてディ・グラッシとデ・フリースに抜かされて8位まで後退した。

終盤のバトル

残り10分頃にはトップのモルタラに対して2台がテチータが追う展開となる。
ただ、モルタラはペースが良く、2台で追いかけても差は中々縮まらずレースは終盤へ移行する。
追うテチータであったが、ベルニュが終盤にエネルギー不足が深刻になりペースを大きく落とす必要に迫られた。
そこに接近したのはチャンピオンシップを争うエバンスだ。
ファイナルラップで熱い争いをした2台は、エバンスがベルニュをオーバーテイクする形で決着が着いた。
優勝は、序盤でトップに立ったモルタラとなり、最後までポジションを守り切った。
中継に移る機会が少ないくらいに危なげない走りで勝利を手にした。
この勝利でモルタラはチャンピオンシップリーダーとなった。
ダ・コスタは2位となったが、過去のレース同様に速さを見せており得意のイベントであるといえるだろう。
3位は終盤のバトルを制したエバンスが入り、チャンピオンシップ争いで存在感を放っている。
後方からのスタートとなったバンドーンはなんと8位でポイントを獲得した。
チャンピオンシップ争いが過激な上位4名が相変わらず速さを見せており、リーダーはモルタラとなったが、ベルニュ、バンドーン、エバンスと面子は変わらない状態が続く。

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