フォーミュラE 2022 ROUND8 ベルリン E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2022 ROUND8 ベルリン E-PRIX 決勝ハイライト

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2022シーズン第8戦が、ドイツの首都であるベルリンで行われた。

フォーミュラE世界選手権は、シーズンの第7-8戦としてダブルヘッダーのベルリンE-Prixを開催する。
ダブルヘッダーはチャンピオンシップポイントを大量に加算することができるため、シーズン前半戦でリードを築きたい各チームにとって重要な2連戦となる。

戦いの舞台となるのは、テンペルホーフ国際空港内を走る特徴的なレイアウトだ。
この空港は既に2008年で閉鎖されており、現在は使われていない。
今シーズンも土曜日に順走の基本レイアウトでの開催となり、日曜日は逆走レイアウトでの開催となるため、昨シーズンのデータが非常に有用となる。

予選セッションはグループAとグループBに分かれて11台づつ走行を行い、それぞれのセッションの上位4台がトーナメントに進出する。
日曜日に行われた第8戦の予選グループAにはバンドーンとエバンスが配属された。
各車アタックを行い、ランキング首位のバンドーンはトップタイムを記録してグループ予選を通過した。
前戦は予選で速さを見せたウェーレインもグループAで走行を行ったが、好タイムを記録することができずに10番手で予選を終えた。
また、エバンスは5位でセッションを終えてトーナメント進出を逃してしまう。
ディ・グラッシと、エンビジョンの2台であるフラインスとキャシディが揃って予選を通過した。
グループBでは土曜日に速さを見せたモルタラを筆頭に、デ・フリースやロッテラー等が配属され、日産の2台も走行を行った。
予選で速さを見せているドライバーが多いグループBは予想通りのメンバーが好タイムを記録した。
トップタイムを記録したのは好調のモルタラだ。
2番手以降はデ・フリース、ロッテラー、ダ・コスタが続き、激戦から抜け出した。
日産の2台はギュンターが7位、ブエミは10位と低迷が続く結果となった。
デュエル予選ではバンドーンが初戦で敗退し、土曜日に続いて250kwでのタイムに苦戦していた。
チームメイトのデ・フリースはセミファイナルでモルタラに敗れたものの、予選3位を獲得した。
最終的にファイナルに残ったのはモルタラとフラインスであったが、モルタラが0.5秒の大差をつけてポールポジションを獲得した。
2位にはエンビジョンレーシングのロビン・フラインス。
3位はメルセデスのニック・デ・フリース。
4位はポルシェのアンドレ・ロッテラーとなった。

レーススタート

レースがスタートし、ターン1で早くも勝負を仕掛けるドライバーが見られた。
3番手スタートのデ・フリースがインサイドの僅かなスペースに飛び込み、2番手スタートのフラインスはもちろん、ポールのモルタラをもオーバーテイクして見せた。
モルタラはターン1を警戒してかなりインサイドにマシンを寄せていたものの、デ・フリースの勝負強さが勝った。
中団以降もバトルが展開されるが、各車オープニングラップを完了させた。
2周目以降は落ちついたレース展開が続き、最初のアタックモードへ向けてレースが進行していった。

アタックモード

残り35分頃からアタックモードを起動するドライバーが増え、レースが本格的に動き始める。
今回のアタックモードは8分間のブーストを1回だけ使用できるため、前半で使うか後半で使うかで大きく戦略が変わる。
トップのデ・フリースが真っ先にアタックモードを使用し、同じタイミングでダ・コスタとバンドーンも入った。
デ・フリースは3番手でコースに復帰すると、2周後にはモルタラを抜いて再びトップに返り咲く。
この段階でアタックモードは5分強残っており、その後も少しづつ後続を引き離していった。
対するモルタラは28分頃にアタックモードを起動し、バンドーンを追う体制に入る。
ライバルと少しタイミングを外してアタックモードを使用するモルタラはここからオーバーテイクをスムーズに行う必要がある。
前方ではバンドーンがロッテラーを抜かして3位へポジションアップ。
前戦でも見せたアタックモードを使わないオーバーテイクでペースの良さを見せる。
その後、モルタラはロッテラーとバンドーンを抜かして3位まで戻り、アタックモードが残り2分でダ・コスタを抜いて2位まで浮上する。
しかし、トップのデ・フリースは少し前を走っており、アタックモード中に追いつくことはできなかった。

終盤のバトル

レース後半は、デ・フリースを先頭に、モルタラ、ディ・グラッシ、フラインスの順でレースが展開された。
そのすぐ後ろではプッシュするバンドーンがダ・コスタに追いついてバトルの間合いに入る。
バンドーンからの攻撃をなんとかかわしたダ・コスタは、残り16分でファンブーストを使用してフラインスをオーバーテイクする。
その後すぐにバンドーンもフラインスを抜かしていき、翌週にターン1でダ・コスタを攻略する。
残り3分を切ったところでディ・グラッシに追いついたバンドーンは、ターン1のインサイドへ飛び込み見事にオーバーテイクを成功させた。
ファイナルラップで熱いバトルを展開したのはダ・コスタとフラインスの5位争いだ。
最後の勝負所である裏ストレートで非常に接近した両車は、フラインスがダ・コスタのリアに接触し、バランスを崩したダ・コスタがウォールに軽く接触する。
どちらも走行を続けられたが、ダ・コスタはここでフラインスに抜かされて6位チェッカーとなった。
優勝は、ターン1を制してそのまま逃げ切ったメルセデスのニック・デ・フリースとなった。
ゴール時のバッテリー残量は1%あり、ライバルよりも余裕を持ってチェッカーを受ける完璧なマネジメントを見せた。
2位にはベンチュリーのエドアルド・モルタラが入り、ベルリンのダブルヘッダーで大量ポイントを獲得した。
3位はポイントリーダーのストフェル・バンドーンが入り、チャンピオンシップリーダーを依然としてキープしている。

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