フォーミュラE 2022 ROUND3 メキシコシティ E-PRIX 決勝ハイライト
2022シーズン第3戦が、メキシコのメキシコシティで行われた。
メキシコシティは、1年間を通して気温の変化が少なく過ごしやすい地域である。
一方で観客の熱狂度合いは最高レベルであり、多くの観客動員を記録しているイベントだ。
パンデミックの影響で昨年は開催されなかったメキシコシティのレースだが、今年は無事に開催された。
今年でメキシコシティE-Prixは6回目の開催となる。
開幕戦のダブルヘッダーではメルセデスが好調なスタートを切ったが、コース特性の全く違うメキシコシティで勢力図がどのように変わるか注目された。
フォーミュラEは新たな予選フォーマットに変更されたことで、予選セッションの進行が大きく異なった。
最初に行われるグループステージで好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、250kWの出力での直接対決勝負が行われる。
予選では、ポルシェの2台が速さを見せ、パスカル・ウェーレインがポールポジションを獲得した。
2番手には0.27秒差で最終決戦で敗れたベンチュリーのエドアルド・モルタラが着けた。チャンピオンシップをリードするモルタラにとってはリードを拡大するチャンスとなる。
3番手はポルシェのアンドレ・ロッテラーが入り、ポルシェチームは素晴らしいグリッドからのスタートとなる。
4番手と5番手にはテチータのジャン-エリック・ベルニュとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタがそれぞれ入った。
6番手は現チャンピオンのメルセデスのニック・デ・フリースとなった。
レーススタート
レースは序盤から激しいバトルが展開される。
メキシコシティE-Prixの舞台となるエルマノス・ロドリゲス・サーキットは、F1のメキシコGPが開催されているサーキットであり、レイアウトこそ違うもののコース幅は他の市街地コースよりも広い。
そのためオーバーテイクを狙いやすく、ランオフエリアも十分に確保されているエリアが多いことでオープニングラップのポジションアップを狙うドライバーが多い。
特に中団でのポジション争いは激しく、スリーワイドでのバトルも見られた。
上位勢はスタートで順位が変わることはなく、様子見がしばらく続いた。
アタックモード
残り36分頃、上位勢がアタックモードを使用している状態で動きがあった。
トップのウェーレインに対してモルタラが仕掛ける。
ホームストレートでインサイドにマシンを並べ、ターン1のブレーキングで前に出る。
残り31分頃、先にアタックモードを使った上位3台に対して、4番手のベルニュがアタックモードで迫る。
まずはロッテラーを裏ストレートで攻略し3番手に浮上する。
そのバトルの隙を突いてダ・コスタもロッテラーを交わしてデチータの2台がそれぞれ順位を上げる。
ベルニュはそのままの勢いで2位のウェーレインもパスして2位へ浮上する。
ポルシェの2台は順位を落としてしまったが、アタックモードの2回目を早々に起動して勝負を仕掛ける。
アタックモードの起動を行ったポルシェの2台の間に入ったダ・コスタは、左フロントカウルにダメージが発生しており、カウルが外れるトラブルがあったが、大事には至らなかった。
終盤のバトル
残り15分、ウェーレインがベルニュを抜いて2番手に浮上する。
それに続いたのはチームメイトのロッテラーで、ポルシェの2台がベルニュを交わして2-3位となる。
一気に2つのポジションを失ったベルニュは、更にフラインスにも抜かされて5位へ後退する。
2位のウェーレインはすぐにトップのモルタラに迫り、ホームストレートでオーバーテイクを成功させトップに返り咲く。
その後モルタラは次々に順位を落としていき、6位までドロップしてしまう。
そして優勝争いをしているポルシェの2台が、残り時間1秒でコントロールラインを通過したことで周回数が1周増えることとなる。
5番手以降のマシンは非常に接近した状態でエネルギーをマネジメントしなければいけなくなり、バトルはファイナルラップまで続いた。
優勝は、ポールからスタートしたポルシェのパスカル・ウェーレイン。
冷静なペース配分で上手くマシンをマネジメントしてみせた。
2位にはチームメイトであるポルシェのアンドレ・ロッテラーが入り、ポルシェが1-2フィニッシュを達成した。
3位にはテチータのジャン-エリック・ベルニュが入った。ベルニュも4位でテチータは上々のポイントを獲得した。
チャンピオンシップを争うモルタラとデ・フリースが5位と6位でフィニッシュし、ランキングの順位を維持した。
