ロンドンE-Prix R13 母国での勝利を手にしたリン
アレックス・リンは母国で開催された第13戦ロンドンE-Prixで優勝し、フォーミュラEの4年間、40レースの戦いで遂に勝利を手にした。
マヒンドラ・レーシングにとっても2年半ぶりに勝利となり、チームは大いに喜んだ。
アレックス・リンはロンドンE-Prixの第2レースである第13戦で、ついにフォーミュラEの勝利を手にした。
ニューヨークでのE-Prixデビュー戦でポールポジションを獲得してセンセーショナルなフォーミュラEデビューを果たした彼は、複数のシーズンに渡って苦戦をしてきたが、今回ようやく悲願であった初優勝を成し遂げた。
また、今年のロンドンE-Prixはリンの生まれ故郷であるロムフォードのすぐ近くであることから、最高の舞台での初優勝になった。
約4年間もの間、リンはフォーミュラEの舞台で転々としてきた。
フルシーズンを戦う機会が少なく、シーズン途中からの参加も多かった。
だが、リンのペース、パフォーマンスはフルタイムシーズンを戦えるドライバーであることを証明していた。
2018/2019年にはジャガー・レーシングへの移籍を経て、シーズン6のベルリンからマヒンドラ・レーシングのパスカル・ウェーレインに代わりレースに参加した。
チーム・プリンシパルのディルバフ・ギルは、リンのレースペースとドライビングを評価し、シーズン7ではシムズとリンを、レギュラードライバーとして起用した。
アレックス・リンはロンドンで開催された第1レースの予選ではポールポジションを獲得し、勝利に最も近い位置からレースをスタートさせた。
意外にもこれが選手権での初ラップリードとなった。
第1レースは最終的に3位表彰台となり、初優勝は叶わなかったものの十分な競争力を見せて第2レースでの活躍が期待されていた。
第2レースでは前戦で多くのことを学んだチームが、勝利するために必要なすべてのピースを合わせて感動的な勝利を収めた。
レース後にリンは初優勝の喜びを語った。
「正直なところ、言葉にするのは難しいです。フォーミュラEでの4年間の経験から、いつの日かレースに勝つことを夢見ていましたが、かなり難しいことでした。こんな気持ちになったことはありませんでした。土曜日にはチャンピオンシップで初めてラップリーダーを記録し、日曜日には優勝することができました。これで私たちはまた一歩前進しました。最近のダブルヘッダーでは土曜日のレースで苦しい思いをすることが多いのですが、その後、一晩で多くのことを学び、日曜日に向けてクルマを改善していきます」
レースではトップ争いにアクシデントが起こり、当時1位を争っていたオリバー・ローランドが、ストフェル・ヴァンドールンにダブルヘアピンで追突して2人ともレースを終えるアクシデントがあった。
アクシデント発生後にポジションを上げたリンは、同じコーナーでアタックモードを使用しながらデ・ブリーズを抜かして首位に浮上する。
後のセーフティカー中にディ・グラッシがピットロードを使用して前に出てくるが、レギュレーション違反により失格となったことでリンがレースを制することになった。
「レースはとても良かったし、土曜日よりもペースが良かったと思います。レースのかなり早い段階でニック(デ・ブリーズ)に抜かれてしまいましたが、彼がとても速くて他の人と争うことになるだろうと思っていたので、あまり意識しませんでした」
「最初のセーフティカーが入ったあたりから色々なことが始まって、ちょっとした混乱が起きました。2回目のアタックモードは、周りが混乱しているときに適切なタイミングで行ったので、正しい判断だったと思います。過去2回の週末は、メルセデスがファンブーストを使ったときに私が抜かれたので、今回はその逆ができて気持ちがいいです。マシンのペースが良かったので、本当に驚きました。大勢のスタッフに感謝して、この瞬間を楽しみたいと思います」