エクストリームE クラインシュミットがABTから継続参戦を発表
最も過酷と言われるダカール・ラリーで唯一の女性優勝者であるユタ・クラインシュミットは、ABTクプラXEチームでエクストリームEのシーズン残り3レースを戦うことになった。
チームメイトであるエクストロームと二人で、電動オフロードシリーズを戦う。
2001年にダカールラリーで優勝したクラインシュミットは、シーズン開始前にレギュラードライバーシートを獲得したヒュルトゲンから交代でエクストリームEのシートに座る。
現在58歳のクラインシュミットだが、走りは衰えていない。
シートを譲る形となったヒュルトゲンはインタビューに答えた。
「エクストリームEのようなオフロードイベントで最高のパフォーマンスを発揮するには、テスト走行や様々なラリーへの参加など、集中的な準備が必要です。このように時間をかけて取り組むことは、残念ながらできていませんでした。理由としては、同じくらいの情熱をもって取り組んでいるBMWの仕事があったためです。現在行っている仕事は両立させることができない状態になったので、エクストリームEのシートを降りることになりました。しかし、変化は新しいチャンスを与えてくれます。セネガルで素晴らしい活躍をした彼女がシーズン終了までチームに残ることは、ABTクプラXEにとっても嬉しいことだと思います。エクストリームEファミリーでのこれまでの経験に感謝するとともに、ABT、ユタの次のレースでの活躍を願っています」
ユタ・クラインシュミットは、アドバイザーとして最初の大会に参加し、ダカールに17回参加した経験から得た深い知識で主催者をサポートした。
セネガルでは体調不良で欠場したヒュルトゲンに代わって急遽参戦し好成績を収めた。
クラインシュミットは残りのシーズンをABTと共に活動していく。
「最初は主催者側の視点でシリーズを見ていましたが、その後、自発的にドライブするようになり、今ではドライバーファミリーの一員となりました。再び最高レベルのモータースポーツで戦うチャンスを掴み、とても満足しています」
ABTのCEOであるトーマス・ビアマイヤーは以下の様にコメントした。
「エクストリームEの冒険は、本当に波乱に満ちたスタートを切りましたが、下半期には落ち着き、トロフィーを争うようになることを願っています。私たちの共同プロジェクトに初日からすべてを捧げてくれたクラウディア(ヒュルトゲン)に心から感謝しています。コースを離れても私たちは良い友人です。コックピットの中では、私たちはユタ(クラインシュミット)と一緒に自分たちの立場を再確認しています。彼女が今後、我々のチームの一員となることを誇りに思います」
8月に開催されるグリーンランドでのレースでも再びクラインシュミットとタッグを組むことになったエクストロームもコメントした。
「サウジアラビアでのアクシデント、セネガルでの突発的なドライバー交代と色々ありましたが、次はスムーズな週末を迎えられると思います。これまでのシーズンを振り返り、これまで以上に集中して準備を行い、グリーンランドでの戦いを楽しみにしています」
「ユタ(クラインシュミット)は”ダカールの女王”であり、私はダカールラリーにおいてまだルーキーに近い存在です。彼女がチームにいることは、私にとっても特別なことです。このコラボレーションと彼女の経験がエクストリームEで役に立つことを楽しみにしています」
エクストロームは2022年のダカールラリーにアウディから参戦することになっている。
グリーンランドで開催されるArctic X-Prixは、8月28日-29日に開催される。