ウェーレイン Race At Home Challengeを終えて
メルセデス・ベンツEQのストフェル・バンドーンは、ユニセフを支援する目的で開催されたABBフォーミュラEレース・アット・ホーム・チャレンジのシリーズ最終戦であるベルリンのグランドファイナルレースで2位表彰台を獲得し、逆転でチャンピオンを獲得した。
しかし、その裏にはマヒンドラレーシングのウェーレインに起こった悲劇があった。
オープニングラップのドラマ
予選を好タイムで終え、チャンピオンの可能性を濃厚にしたウェーレインはスタートも確実に決めてそのままゴールに向かうと思われた。
しかし、ウェーレインはオープニングラップの第2コーナーで接触してスピンを喫し、ほぼ最後尾となる21位に後退してしまっていた。
そしてウェーレインと接触したのは、シリーズのライバルであるバンドーンだった。
しかし、バンドーンも後方からのプッシュによってウェーレインと接触したため、回避することは難しかっただろう。
そのため、このアクションはレーシングアクシデントとしてペナルティ等の対象になることはなかった。
それでも、チャンピオンを外的要因によって失ったウェーレインは悔しさを表した。
「後ろから押されてスピンしてしまったので、どうすることもできませんでした。私のドライビング自体は正しかったと思っています。予選ではライバルよりも前からスタートできましたし、レースのスタートも良かっただけに残念です。」
An epic conclusion to the ABB Formula E #RaceAtHome Challenge in support of @UNICEF – here's your highlights including the most dramatic of starts for Pascal Wehrlein ⚡️https://t.co/9KqVKEr3qA pic.twitter.com/uUCy7enKd9
— ABB Formula E (@FIAFormulaE) June 7, 2020
ウェーレインは、圧倒的なレースペースでチャンピオンシップで常に上位を走り続け、ポールポジション獲得数ではライバルのバンドーンを3対1で下していた。
対してバンドーンは決勝での安定した走りでポイントを重ねていきチャンピオンシップを戦った。
そしてグランドファイナルに、ウェーレインはポイントリーダーとして挑んだ。
ファンを楽しませた走り
ウェーレインは接触後も諦めずにポジションを上げていき、マシンダメージが入っているにもかかわらず、3周目には12番手まで挽回した。
最終的に上位まで戻ることは叶わなかったが、もし彼が5位まで挽回し、ファステストラップを記録していた場合はチャンピオンを獲得できた。
このことから分かるように、やはり1周目のドラマがチャンピオンを左右する大きなものになってしまった。
「第1コーナーと第2コーナーでは良いポジションに着けていましたが、あの接触の後、僕のレースはほとんど終わってしまいました。シリーズは残念な形で終わってしまったけど、シミュレーターは時間があればやっていくつもりだよ。それにフェラーリとマヒンドラレーシングのシミュレーターの仕事もある。今回のイベントでフォーミュラEとすべてのスタッフ、そしてファンの皆さんに感謝しています。とても楽しかったし、みんなに最高のエンターテイメントを提供できたと思っています。」
最終戦 フルレース