Race at Home Challenge チャンピオンシップ第6戦 リアルドライバーレース

Race at Home Challenge チャンピオンシップ第6戦 リアルドライバーレース

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フォーミュラEは世界的な健康危機の中でシーズンの中断を余儀なくされているが、そんな状況でもユニセフを支援するために新たに開催されているバーチャルレースである「ABB Formula E Race at Home Challenge」のチャンピオンシップ第6戦が行われた。

リアルドライバーレース

「ABB Formula E Race at Home Challenge」は毎戦2つのレースを行う。
ひとつはリアルでフォーミュラEのドライバーを務めるプロレーサー達のリアルレーサーレースセッション。
もうひとつはオンライン予選を勝ち抜いたシミュレーターレーサー及びゲスト達のチャレンジャーレースセッションだ。
今回のレースではすでに両選手権共にチャンピオン争いをするドライバーが絞られており、最終的なチャンピオンを争って直接対決をしていくことだろう。
リアルドライバーレースシリーズでのランキング首位はパスカル・ウェーレイン。
シーズンを通して常にトップ争いをしているウェーレインだが、ランキングのすぐ後ろに4ポイント差でバンドーンが続いている。
3位には序盤戦を圧倒したギュンターがおり、今回もこの面子が最有力優勝候補だ。
また、前戦のベルリンで初優勝を遂げたローランドにも注目が集まる。

ニューヨーク 新コース

レースの舞台はアメリカのニューヨークへ。
世界最大の都市であり、人口密度が最も高いと言われるビジネスの中心地。
そんなニューヨークでも実際にフォーミュラEのレースが行われている市街地サーキットがある。
全長は2.373 kmであり、ターンは14か所。
市街地サーキットらしく、直角的なコーナーとヘアピンが多くあり、バトルをしかける低速コーナーは道幅が狭くリスキーだ。
ホームストレートはターン5とターン6の間にあり、バックストレート前には唯一の高速コーナーであるターン14がある。
ここでは現実のフォーミュラEでも非常にスリリングなアタックをするコーナーだ。
リアルドライバー達の多くは走行経験があるためコースを知っているが、シミュレーター内では初走行となるコースなだけに適応能力がより問われる。

レース前

「ABB Formula E Race at Home Challenge」の第6戦となる今回のレースは、シリーズで初めて登場するニューヨークE-Prixが舞台となる。
ランキングトップのウェーレインは、僅差でバンドーンとポイントランキング争いをしている。
残りのレース数も少なくなり、1レース毎の順位が非常に重要になってくる。
メルセデス・ベンツEQフォーミュラEチームのストフェル・バンドーンは、第6戦ニューヨークE-Prixでポールポジションを獲得し、チャンピオンシップで首位に立つチャンスが高くなった。
ポールポジションを獲得したバンドーンはライバルたちに対して差を付けてのポールとなった。
2番手にはランキングを争うBMWのギュンターが入り、バンドーンの独走を許さない。
ポイントリーダーのマヒンドラのウェーレインはペナルティを受けてグリッド降格となってしまい、7番手からのスタートを余儀なくされた。
チャンピオン争いには大きな痛手となった。

決勝

ファーストコーナーでの激しいバトルはバンドーンが制してトップのまま通過した。
しかし、チャレンジャーレースと同様に2番手以降でアクシデントが発生。
ポルシェのニール・ジャニ、テチーターのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、BMWのギュンターの3人が接触したことで、ギュンターは他二人に押し出され、ほぼ最後尾まで順位を落としてしまい、チャンピオンシップが非常に厳しい状況になった。

1周目を終えてジャニは2位に浮上し、ダ・コスタが3位、その後ろは日産のローランドとなり、ウェーレインは5位に上がってきた。
2番手争いで起きた混乱により、バンドーンは1周目で後続に4秒差をつけ、早くも独走を開始した。

レース中盤、中団争いをしていたベルニュは縁石で左フロントを壁にぶつけてしまい、ペースを上げられずにいた。
その後、バトル中にハーフスピンを喫したベルニュは、BMWのシムスとドラゴン・レーシングのハートレーに抜かれて後方に落ちてしまう。
このクラッシュに巻き込まれたハートレーはステアリングを破損し、ここから足回りにダメージを負いながらのレースを強いられた。
5位争いも熱くなっており、テチーターのダ・コスタとジャガー・レーシングのエバンス、そしてチームメイトのカラドの3台でバトルを行う。
5位争いが激化したことで、4番手以上のドライバーは後方との差を広げていき、安全マージンを確保した。
トップのバンドーンは問題なく首位をキープし続けていたが、その後ろでは激しいバトルが展開され始めた。
残り5周となったところでローランドとウェーレインの2人がジャニを捕らえていた。
ジャニは懸命にポジションを死守しようとするが、ヘアピンの侵入でインサイドに入られ、ローランドが2位に浮上する。
そのバトルに乗じてウェーレインもジャニを抜かし3位へ。
ペースの近いウェーレインはそのままローランドに挑戦し、サイドバイサイドからスライドしながら2位へ浮上することに成功。
抜かれたローランドも負けじと食らいつく。
しかし最後はウェーレインがポジションを守り2位を獲得。
ローランドは3位となった。
そして優勝はもちろんバンドーンが獲得。
ポールポジションから逃げ切り危なげなく優勝し、ランキングトップに立った。

完璧なバンドーンのレース

レース後にバンドーンは以下の様に語った。
「ここまで来るのには少し時間がかかったが、今日は優勝、ポールポジション、ファステストラップと完璧な結果が得られた。今日は何の問題もなく、ペースも速かったし、スタートのアクシデントをかわしてからは勝てると確信していた」
バンドーンはポイントランキングでウェーレインを上回り、リードした状態で来週末のダブルヘッダー・グランドファイナルに挑む。
チャレンジャーレースシリーズとは違い、こちらはチャンピオンが予想しにくい状況が続く。

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