モータースポーツを戦う元兵士 ライオネル・オコナー

モータースポーツを戦う元兵士 ライオネル・オコナー

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コロナウイルスの大流行は肉体的な健康だけでなく、精神的な健康についても考えさせる状況にある。
そんな中、ある元兵士がモータースポーツに転向して戦っている。

足を失った兵士

イギリス陸軍に所属していたライオネル・オコナーは、2006年イラクで任務中に左足を失った。
オコナーが乗っていた車が爆発物によって破壊され、彼は左足と2人の仲間を失った。
それ以来彼は厳しい試練に直面している。
オコナーは肉体よりも精神的に厳しいと語る。

「私は人生を大きく変えるような大怪我をしましたが、共に戦っていた友人たちは命を落としていたので、生き残れた私は幸運だと感じていました。その後のリハビリで肉体的にはかなり良くなっていましたが、精神的な面では自己治療をしていたものの、精神的にはかなり落ち込んでいました。」

精神的な問題は最終的にオコナーの家族との関係に影響を与えた。
家族間の喧嘩も増え、家庭裁判で実刑判決を受ける可能性もあったが、人生を変える必要があると感じたオコナーはモータースポーツとの出会いで自らを変えていった。

「モータースポーツに出会い、そこから物事が良い方向に変わり始めたんだ。自分の居場所があると感じられるようになったんだ」

コロナウイルスは多くの人々の屋外活動を制限して、精神的な健康と幸福が阻害されてしまっている。
このような状況を既にオコナーは経験していた。

「私にとってこのロックダウンは、正直に言うと大きな変化ではありません。怪我をして活動できなかった頃は、自分の人生の中で孤立していたけど、“ミッション・モータースポーツ”のような慈善団体が’“僕”を引き出してくれたんだ。精神的な健康のためには、外に出て人とつながることが必要なんだ」

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右から2人目がライオネル・オコナー 中央はF4のクラッシュで足を失ったイギリス人レーシングドライバーのビリー・モンガー

ビリー・モンガーとの交流

今年初めのオートスポーツショーで6万人以上の観客を魅了するなど、“ミッション・モータースポーツ”のスタントチームをコーディネートしてきた。
“ミッション・モータースポーツ”でのボランティア活動はビリー・モンガーとのコラボレーションを実現した。
ビリー・モンガーは、2017年にドニントンパークで行われたイギリスF4でスローダウンしたマシンを避けられずクラッシュし、17歳という若さで両足を失った。
しかし、モンガーは諦めることなく活動を続け、現在もレーシングドライバーとして仕事をしている。

「ビリーはすぐに車に飛び乗って走っていた。それは彼の怪我から数ヶ月後のことで、普通であれば何年も経過してからになるようなことだ。そして彼がこんなに速く走れるのは、予想外だった」

オコナーはモンガーが家族から受けたサポートと、若いレーサーの前向きな姿勢に感銘を受け、人生を変えるようなイベントを乗り切るには、この様な周りのサポートが鍵になると信じている。

「私が経験してきたこととは違うけれど、最終的に逆境からの回復という点では似たような道を歩んでいる。」

オコナーは”ミッション・モータースポーツ”から「Formula E Race at Home Challenge」に参加したドライバーとなった。

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