Race at Home Challenge チャンピオンシップ第3戦 チャレンジャーレース
フォーミュラEは世界的な健康危機の中でシーズンの中断を余儀なくされているが、そんな状況でもユニセフを支援するために新たに開催されているバーチャルレースである「ABB Formula E Race at Home Challenge」のチャンピオンシップ第3戦が行われた。
チャレンジャーレース
「ABB Formula E Race at Home Challenge」は毎戦2つのレースを行う。
ひとつはリアルでフォーミュラEのドライバーを務めるプロレーサー達のリアルレーサーレースセッション。
もうひとつはオンライン予選を勝ち抜いたシミュレーターレーサー及びゲスト達のチャレンジャーレースセッションだ。
今回のレースはチャンピオンシップ第3戦となり、チャンピオンシップの強者が見えてくるだろう。
チャレンジャーレースシリーズでのランキング首位はケビン・シギー。
常に上位に食い込む安定した速さが特徴で、既に他のライバルにある程度のポイント差をつけている。
モナコ市街地コース
今回はチャンピオンシップシリーズ前に行われたテストレースで使用されたモナコ市街地コースでのレースとなった。
既にこのコースで1度レースをしているドライバーもいるため、より拮抗した対決になることが予想されている。
F1のターン1直前で右に入り、ヌーベルシケインに繋がる短縮版レイアウトだ。
決勝
第3戦に突入した「ABB Formula E Race at Home Challenge」
現在ランキング首位に位置しているケビン・シギーは、開幕戦と第2戦の両レースで表彰台に上がり、安定した走りでチャンピオンシップをリードしている。
しかし、ライバルであるブリャクとピーブも懸命にシギーを追いかけている。
前回のレースで完璧な走りを見せたピーブは連勝を狙う。
予選ではトップ4台がコンマ1秒以下の大接戦となった。
ポールポジションを獲得したのはランキング首位のシギーだった。
2番手にはルーカス・ミュラー、3番手には前戦優勝者のピーブ、更にその後ろにはブリャクが続いた。
そして今回のレースにゲスト参戦し注目を集めたのはリアルF3ドライバーのソフィア・フローシュだ。
女性ドライバーとしてモータースポーツ活動を行う彼女はVRヘッドセットを使ってレースに挑んだ。
予選は13番手タイムを記録して中団からのスタートとなった。
スタート
予選1位のシギーは最前列からのスタートを最大限に活用し、ターン1を首位で通過した。
その後のシケインまでに後方集団に対して僅かにリードを築き、上位5台は4コーナーを通過した時点で順位をキープしていた。
オープニングラップを終え、トップのシギーが2位のミュラーとの差を広げ始め完璧なオープニングラップを完了した。
後方ではチャーリー・マーティンが最後尾にドロップしていた。
彼は元々後方グリッドからのスタートだったが、好スタートを切っていた。
しかし、1周目にスピンを喫して最後尾に後退したため脱落を余儀なくされた。
レースロワイヤル形式のレースでは最後尾の争いも熾烈なものになる。
注目されたソフィア・フローシュはスタート後のポジション争いでポジションを下げてしまい、その後のバトルでもポジションを失って早々にレースから姿を消してしまった。
その少し前方ではリアルレーシングドライバーであるアレックス・リンとシモナ・デ・シルベストロの激しいバトルが展開された。
1周毎に脱落者が出るレースでは、コースに残るために後方のドライバー達の緊張感が高まっていた。
シルベストロは前を行くリンにプレッシャーをかけ、時にはプッシングしてしまう程のバトルを見せる。
リアルドライバーの激しいバトルはリンがポジションを守り勝利し、レースに留まることができた。
リンはその後も前を行くドライバーと激しく争い、14位までポジションを上げてレースを終えた。
上位勢はレース中盤に入ってもシギーがトップを死守し続けて、後方のミュラーに約1.5秒のリードを保っていた。
シギーとミュラーが等間隔でトップ争いを快走する中、ブリャクがピーブを追い上げていた。
両者の距離はリアディフューザーとフロントノーズが接触する程近づき、表彰台をかけた激しいバトルはファイナルラップに入った。
シギーが初優勝
チェッカーフラッグを最初に受けたのは、ポイントランキングで首位を行くシギーだった。
今回のレースでも持ち前の安定した走りを見せ、スタートからゴールまで一度もトップを譲ることなく完勝した。
過去2戦は表彰台止まりだったが、今回は遂に表彰台の頂点に立ち、ポールポジションとファステストラップを獲得して完全勝利となり、シリーズランキングのリードを更に拡大した。
シギーに続いて表彰台に上がったのは、終始2番手を走行したミュラー。
そして終盤のブリャクの猛烈なアタックを退けたピーブだった。