パワーとエネルギー:違いはなにか?
最終コーナーへ車を導き,エイペックスをとり,フロアにつくまでフルフラットにし,ミラーを確認する....勝利は目前だ.
ステアリングホイール上のバッテリーレベルを見てみるとゼロになっている,これでフィニッシュラインを越えられるだろうか?
最近行われたロンドンでの最終レースでのステファン・サラザンの頭の中ではチェッカーフラッグに持っていくためにいくつかの思考があったであろうが,それはほんの数秒のうちに過ぎてしまった.彼は最大エネルギー使用量超過のために1位の座をサムバードに明け渡し,25ポイントも失ってしまった.
規定以上のエネルギー,もしくはパワーの消費で昨シーズンを通してペナルティをドライバーが受けた,似たような件はいくつかある.
”パワー”はセッション中にいくつかのポイントでドライバーが使うことのできる電気的なエネルギーのことであり,プラクティス/予選中は200kw,決勝中は150kwに設定されている.
開幕戦の北京では,FIAはそれぞれの車のパワー使用のマネージをコントロール下にあった.しかし,同じセットアップは他車に対して少しの違いしか生まれなかった.第二ラウンドのプトラジャヤからチームごとにパワー単価を調整し,彼らの下で調整できるようにした.
しかし,使用可能な割り当てられているパワーより多くのパワーを使ったために一部のチームはペナルティを受けた.
マッピングシステムは複雑で,パワー超過のリスクを冒すことなく最大に近いレベルのパワーで走るための慎重なエンジニアリングが求められる.限界に近く走れば走るほど,ペナルティを受ける可能性は高い.
”エネルギー”はkwhの単位のエネルギー使用の量のことで,FIAによって28kwhの制限がかけられている.バッテリーの性能上で使用できるのは30kwhだが,サーキット場で車が止まるのを防ぐため,安全上の理由で最大容量より低く設定されている.ダミーグリッドを離れ,チェッカーを受けるまでのエネルギーが計測される.
FIAにはリアルタイムデータが提供されて,車がチェッカーを受けるとすぐに最終結果を受け取り,処罰の決定を下すことができる.
これが,サラザンがバタシーパークでポディウムの頂上に立っていなかった理由である.
>> Comment from EVracing.jp
フォーミュラEでもエネルギーの使用量のレギュレーションがあり,F1などでいうガソリン残量をレース後に確保しておかなければならないルールと同じようです(目的は若干違いますが).近年のモータースポーツでは速さだけではなくエネルギー使用のマネージメントも求められ,全開でプッシュすればよいというわけではなく耐久レース的な要素も必要とされるようになり,賛否両論となっています.わたしはエネルギー残量をあまりきにしない,全開アタックでのレースを希望しますがあなたはどう思いますか・・・?
source: http://www.fiaformulae.com/