フォーミュラE 2022 ROUND16 ソウルE-PRIX 決勝ハイライト
2022シーズン第16戦が、韓国のソウルで行われた。
韓国・ソウルでのフォーミュラEは初開催となり、もちろん全チーム及びドライバーにとって全く新しい挑戦となる。
ソウルの都市圏人口は2600万人を超え、世界5位の人口となっている。
非常に大きなこの都市は韓国の中枢として機能しており、様々な分野の中心となっている。
歴史も古く、約1000年程前から人が集まる地となっていった。
フォーミュラEの2022シーズンはソウルでのダブルヘッダーでファイナルを迎えるため、今回の2レースでチャンピオンが決まる。
レースは土曜日と日曜日にレースを行うダブルヘッダーイベントとなるため、大量ポイントを獲得することも可能だ。
予選セッションはグループAとグループBに分かれて11台づつ走行を行い、それぞれのセッションの上位4台がトーナメントに進出する。
グループAにはチャンピオンシップに王手をかけているバンドーンが入り、走行を行った。
トップタイムを記録したのは、前回までチャンピオンを争っていたベンチュリーのエドアルド・モルタラとなった。
タイトルの望みは潰えたが、最後まで速さを見せた。
そして残りのトーナメント進出枠には最もチャンピオンに近いメルセデスのストフェル・バンドーン、エンビジョンレーシングのロビン・フラインス、ベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシが入った。
トーナメントに進出したバンドーンは、また一歩チャンピオンを引き寄せた。
グループBは逆転チャンピオンの可能性が残っているエバンスが走行を行った。
ファイナルアタックまで全く予想できない程の激戦となったが、エバンスが最後のアタックでウォールに軽く接触してしまいミスラップとなる。
これでタイムを伸ばせなかったエバンスはなんとトーナメント進出を逃してしまう。
トップタイムはアンドレッティのジェイク・デニスが記録した。
以下トーナメント進出は、テチータのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、テチータのジャン-エリック・ベルニュ、NIO333のダニエル・ティクタムとなった。
デュエル予選ではセミファイナルでバンドーン対モルタラが行われ、僅差でモルタラが勝利する熱い戦いもあった。
デュエル予選を勝ち抜いたファイナルにはテチータのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとベンチュリーのエドアルド・モルタラが並んだ。
序盤は全く互角の戦いとなり、タイム差はほぼ皆無で進行したが、終盤のエリアでモルタラが僅かに遅れ、その差が決定打となってダ・コスタがポールを勝ち取った。
2位にはベンチュリーのエドアルド・モルタラ。
3位はアンドレッティのジェイク・デニス。
4位はメルセデスのストフェル・バンドーンとなった。
レーススタート
レースがスタートし、早速アクシデントが起こる。
中団を走っていたディ・グラッシとギュンターとティクタムがスリーワイドでコーナーへ進入し、マシン同士がぶつかりながら外側に膨らみ大きくタイムロスをする。
速度を失ったこの三台に後続が引っかかり、追突が各所で発生した。
ウィングを破損するマシンが何台か散見され、早速荒れた展開となる。
上位勢も早くからバトルを展開する。
2番手を走行していたモルタラがダ・コスタのインサイドに素早く飛び込みオーバーテイクを成功させる。
そのバトルの隙にデニスもダ・コスタをパスしてポジションを上げる。
アタックモード
前回のレースであまりレースを動かさなかったアタックモードだが、今回のレースでも同様の現象が起こった。
残り36分頃からアタックモードを使用するドライバーが増えたが、ストレートでオーバーテイクするドライバーは少なかった。
必然的にバトルはコーナー勝負となり、それによって接触も見られた。
昨年のチャンピオンであるデ・フリースは、ウェーレインとのバトル時にタイヤ同士が接触し、両者共にサスペンションにダメージを負ってリタイヤとなる。
上位勢もアタックモードでのポジション変化はなく、モルタラ、デニス、ダ・コスタ、バンドーンの順でレースは進んだ。
残り24分頃、日産のギュンターがマシンを止めた。
手前のコーナーで既にマシンを壊しており、コーナリングができない状況となっていたため、コース端に停車せざるを得なかった。
これでセーフティカーが出動して、レースはしばらく中断された。
終盤のバトル
レース再開は残り14分となり、ここから上位勢でもバトルが発生する。
アタックモードを使用してストレートで並んだダ・コスタとデニスは、そのままコーナーへ進入する。
インサイドにノーズを残していたデニスはデ・コスタのリアに接触してしまい、ダ・コスタはバランスを崩してコーナーのアウトサイドへ流れる。
ウォールに軽く接触するだけで済んだが、セーフティカー明けであったため大きくポジションを落とし、戦線離脱となった。
この接触でデニスに5秒ペナルティが課せられた。
優勝は、序盤でトップに立ったベンチュリーのエドアルド・モルタラとなった。
2位には、メルセデスのストフェル・バンドーンが繰り上げで入り、チャンピオン獲得を表彰台の上で喜んだ。
3位はペナルティで降格となったアンドレッティのジェイク・デニスとなった。
ドライバーズチャンピオンを獲得したバンドーンは自身初のフォーミュラEタイトル獲得となり、昨年のチャンピオンであるデ・フリースに続く形となった。
チームチャンピオンもメルセデスが連覇を成し遂げ、メルセデスワークスチームは最高の形でフォーミュラEのシーズンを終えた。
これで2022シーズンは終了となり、同時にGen2マシンでのレースも終わりとなる。
来シーズンはGen3マシンを使用したハイスピードバトルが予想されており、多くのコースでスリリングなレースが行われるだろう。