フォーミュラE 2022 ROUND13 ロンドンE-PRIX 決勝ハイライト
2022シーズン第13戦が、イギリスのロンドンで行われた。
ロンドンはイギリスの首都であり、ヨーロッパでも最大級の都市である。
市域の人口は800万人を超え、歴史ある建造物と最先端の技術が混在する特徴的な街並みが見られる。
フォーミュラEが開催される時期の最高平均気温は25度に届かない程度であり、ここ数戦のイベントに比べてマシンやドライバーへのコンディションは比較的優しい。
フォーミュラEは2016年にイギリスを訪れて以来、長らく開催から遠ざかっていたが、昨シーズンはロンドンに戻ってきてE-Prixの開催が行われた。
今年も引き続きロンドンE-Prixが開催されることになり、土曜日と日曜日にレースを行うダブルヘッダーイベントとなる。
昨年はジェイク・デニスとアレックス・リンが勝利しており、どちらもイギリス人ドライバーであったため非常に盛り上がりを見せた。
今年は一層ファンの期待は高くなり、多くの観客を動員した。
予選セッションはグループAとグループBに分かれて11台づつ走行を行い、それぞれのセッションの上位4台がトーナメントに進出する。
グループAにはチャンピオンシップを争うバンドーンとエバンスが入り、走行を行った。
バンドーンは最終アタックでトップタイムを記録し、トーナメント進出を果たすことに成功するものの、エバンスは対象的に最終アタックでミスを喫し脱落となる。
トップタイムのバンドーンに続いたのはドラゴンペンスキーのセルジオ・セッテ・カマラ。
そして残りのトーナメント進出枠にはエンビジョンレーシングのニック・キャシディと日産のマキシミリアン・ギュンターが入った。
ギュンターにとっては久々の予選上位進出となる。
グループBはベルニュとモルタラのチャンピオン候補の他に、現チャンピオンのデ・フリースも走行を行った。
チャンピオンシップで少し遅れを取っているベルニュとモルタラはトーナメント進出が重要だったが、なんと2人ともここで脱落となる。
トップタイムはアンドレッティのジェイク・デニスが記録し、母国イベントで幸先の良いスタートとなった。
以下トーナメント進出は、メルセデスのニック・デ・フリース、アンドレッティのオリバー・アスキュー、ポルシェのアンドレ・ロッテラーとなった。
デュエル予選では、各車0.3秒程度の差があり、トーナメント前の予選結果と近い比較的順当な勝敗となった。
デュエル予選を勝ち抜いたファイナルにはアンドレッティのジェイク・デニスとメルセデスのストフェル・バンドーンが並んだ。
ポールポジションはアンドレッティのジェイク・デニスとなり、母国のファンを大いに沸かせた。
2位にはチャンピオンシップリーダーのメルセデスのストフェル・バンドーン。
3位はメルセデスのニック・デ・フリース。
4位はドラゴンペンスキーのセルジオ・セッテ・カマラとなった。
レーススタート
レースがスタートし、いきなりアクシデントが発生する。
セクター1の低速コーナーが連続するエリアで中団を走行中だったバードとモルタラが接触してしまう。
この接触でバードはマシンを止めてリタイヤとなり、母国イベントで早々に姿を消すことになったしまった。
モルタラも接触によるダメージは大きく、フロントウィングが完全になくなってしまう。
パーツがマシンに引っかかってしまう事態は避けられたものの、ピットインを余儀なくされてポイント獲得は絶望的となる。
シーズン後半のランキング争いをするドライバーとしては非常に痛いノーポイントとなった。
残り39分頃、3番手争いをしていたデ・フリースとセッテ・カマラがターン1で激しい攻防を見せ、セッテ・カマラが3位へ浮上する。
アタックモード
残り33分頃にトップのデニス、バンドーン、セッテ・カマラが同時にアタックモードを起動する。
先にアタックモードを起動していた4番手のデ・フリースはここでセッテ・カマラをパスして3位へ戻る。
2位のバンドーンへの援護としても非常に良いタイミングとなった。
後方ではチャンピオンシップを争うエバンスが果敢に攻め続け、少しずつポジションを上げてくる。
残り23分頃、トップのデニスと2番手のバンドーンが同時に2回目のアタックモードを起動する。
ここまでは上位勢が非常に落ち着いたレース展開を見せており、最近のフォーミュラEとしては珍しい程静かな争いが続く。
一方、トップ勢の後方には、アタックモードのタイミングをずらしてペースを上げてきたキャシディがレースを盛り上げる。
残り12分頃、アスキューをシケインの飛び込みでオーバーテイクすると、翌周には4位のセッテ・カマラもシケインでパスしていく。
終盤のバトル
レース終盤には、3位のデ・フリースに接近したキャシディはバトルは展開する。
バトルはファイナルラップまで続き、何度かアタックをしたものの結局ポジションは変わらずにチェッカーを受けた。
優勝は、完璧にレースをコントロールしてみせたアンドレッティのジェイク・デニスとなり、母国での優勝でファンの期待に答えた。
また、ファステストラップポイントも獲得したことで、フルポイントを獲得する結果となった。
2位には、安定感抜群のメルセデスのストフェル・バンドーンが入り、ライバルの不調によってランキング首位の座を固めた。
3位はデ・フリースだったが、レース後の審議の結果、バトル中のブロックが規定違反であるとされ、5秒ペナルティを課せられた。
これによって順位の変動が起き、3位にはエンビジョンレーシングのニック・キャシディが入った。
また、ジャガーのミッチ・エバンスも繰り上げとなり、5位となった。