フォーミュラE 日産のGen3に向けた取り組み
世界有数の自動車メーカーである日産は、フォーミュラE 2018シリーズからの参加以来、パートナーシップ提携してきたe.damsチームを買収すると発表した。
これにより、日産チームのフォーミュラEプロジェクトの全権を握ることとなり、フォーミュラEにおける次のステップへと進む準備ができた。
日本メーカー唯一の参戦を続けている日産は、FIAフォーミュラE世界選手権の次世代であるGen3への長期的コミットメントを明確にしている。
フォーミュラEの最高経営責任者であるジェイミー・レイグルは、e.damsの買収によるブランド力の倍増は、Gen3時代に向けたフォーミュラEのビジョンと完璧に合致していると考えている。
「過去2年間、我々はフォーミュラEが電動の未来を約束するメーカーにとって不可欠なプラットフォームとなるための条件を整えることに取り組んできました。そのためには、フォーミュラEが複数の分野でリーダー的存在になるための取り組みが必要でした。象徴的な都市の中心で開催される電気自動車レースは、エキサイティングで激しく競争的なエンターテインメントであり、世界最大のメーカーが互いに競争し合うようでなければいけません。そのため、日産のようなリーダー企業が開発と創意工夫をするためのテクノロジー・プラットフォームである必要があります」
「フォーミュラEは、電動モビリティへのシフトを加速させることに真摯に取り組むメーカーを求めており、日産はそのパイオニアでありマーケットリーダーの一社です。我々はモータースポーツを開発場所として、そしてイノベーションを推進するためのプラットフォームと考えることができるメーカーを求めているのです」
「日産のコミットメントは我々のアプローチに対する強力な証明です。日産は業界の流れを変えるほどの規模と野心を持っているので、膨大な開発およびマーケティングリソースを投入することができるでしょう」
日産自動車の最高執行責任者であるアシュワニ・グプタは次の様に語った。
「日産のクルマに対するビジョンは、単なる移動手段をはるかに超えたものです。持続可能な社会を目指すために電気自動車を設計・製造することを目指しています。フォーミュラEは、多様な観客に日産の考える未来像を提供するのに役立つでしょう」
「今は日産の社員全員にとって、世界中のファンやお客様にとっても、エキサイティングな時期です。フォーミュラEでは絶え間ない技術革新により、お客様により良いクルマをお届けするために、多くの情報を提供し、開発する機会を得ることができます。e.damsチームの買収は、フォーミュラEだけでなくモータースポーツ競技の世界全体に対する我々の長期的なコミットメントを再確認させるものです。私たちは競技を愛するだけでなく、ゼロエミッションや持続可能なソリューションへのコミットメントを示しながら、エキサイティングなドライビング体験を提供することに情熱を持っています。この買収は、我々のビジネス戦略的な電動化目標にさらに力を与えてくれるでしょう」
日産に買収されたe.damsは、ドリオ家の経営とルノーとのパートナーシップのもと、フォーミュラEチームとして最初の3タイトルを獲得し、セバスチャン・ブエミのドライバーズチャンピオン獲得を支援した実績がある。
日産との提携以来も高い競争力を見せ、シリーズ総合2位という最高位を記録している。
