ノーマン・ナト 最終戦の勝利を語る
ベンチュリーレーシングでルーキー・シーズンを戦ったノーマン・ナトは、ベルリンで行われたシーズンフィナーレで優勝し、フォーミュラE世界選手権における最高の成績で2021シーズンを締めくくった。
ノーマン・ナトはベンチュリーレーシングでのシーズンを勝利で締めくくり、最高の形でオフシーズンへ入った。
スタートでの衝撃的なクラッシュにより、チームメイトのエドアルド・モルタラがタイトル争いから脱落してしまったことを考えると、ナトの優勝は明るいニュースと言えるだろう。
モルタラはスタートで加速することができなったミッチ・エバンスのリアに激突し、リタイヤとなったことでチャンピオンシップリーダーのデ・ブリーズを逆転することができなくなってしまい、ドライバーズ選手権2位に位置していただけにチームは失望を感じていた。
モルタラがリタイヤしたため、ナトはベンチュリーに残された最後のドライバーになった。
予選ではスーパーポール進出をしていたものの、ラップタイムを記録することができずに6位となっていた。
それでもナトは、アタックモード作動中に、アレクサンダー・シムズ、オリバー・ローランド、ストフェル・バンドーンを次々に抜いて順位を上げていった。
その後も力走を見せ、一度前に出れば誰にも止められないような勢いがあり、最終的に2秒以上の差をつけて優勝を果たした。
レース後のインタビューでナトは喜びを語った。
「今日は完璧すぎるレースができたので、正直なところ驚きで言葉が出てきません。ローマやバレンシアでは失格やペナルティで表彰台を逃してしまったので、長い間、勝利に飢えていました。今日のように全てがうまくいった日には、信じられない程素晴らしい気持ちになります」
「毎週、このような結果を得るために大量の作業を行っています。車は完璧で、エネルギー管理も実に簡単でした。まるで宇宙船を運転しているような感覚で、まさに完璧でした。特に2回目のセーフティーカーによる再スタートの後、オリバー(ローランド)がオーバーテイクを試みて来たときは非常に緊迫したレース状況でしたが、最終的にはトップに立つことができました。勝利でシーズンを締めくくることができて最高の気分ですし、この瞬間を楽しみたいと思っています。私を支えてくれて、トップまで導いてくれたチームのみんなに感謝しています。彼らを誇りに思いますし、このような結果はとても意味のあることです」
チーム代表のスージー・ウォルフも喜びを語った。
「私はこのチームを非常に誇りに思っています。ベルリンの週末に向けて、シーズンを最高の形で締めくくるためにはスタートダッシュを決めて多くのポイントを獲得しなければならないと考えていましたが、まさにその通りになりました」
「タイトル争いをする前にエド(モルタラ)が脱落してしまったのは残念でしたが、彼はシーズンを通して素晴らしい仕事をしてくれました。今日のマシンは信じられないほど速く、ノーマン(ナト)は完璧なレースをしてチームは完璧な戦略を実行しました」
ベンチュリーレーシングはモルタラの不運にもかかわらず、ナトの優勝によるポイント獲得でチームランキング7位となり、過去最高の146ポイントを獲得した。
チーム代表のスージー・ウォルフは続けて語った。
「今シーズンは苦しい時期もありましたが、そのような困難な日々から学び、立ち上がってきました。今シーズンはチームとして誇りに思うことができます」
「幸いなことに、エド(モルタラ)は危険な事故に遭ったにもかかわらず体の調子は良く、我々は間違いなく良い状態でシーズンを終えることができました。最後になりますが、メルセデス・ベンツがフォーミュラE世界選手権でダブルタイトルを獲得したことを心から祝福したいと思います。私たちは素晴らしいパートナーシップを築いており、ドライバーズチャンピオンシップで1位と2位をそれぞれ獲得したことは誇りです」