フォーミュラE 2021シーズンアワード
フォーミュラEの歴史の中で最も激しいシーズンが終了し、チャンピオンシップを戦った全ての関係者の中からコース内外問わず、各カテゴリーのヒーローたちを祝福した。
気候チャンピオン賞
世界選手権のタイトル争いが終わっても、気候変動との戦いは依然として最前線にあり、地球全体の気温上昇の影響がますます深刻になっていることから、これまで以上に差し迫った問題となっている。
FIAフォーミュラE世界選手権は、電気自動車の導入と開発を促進するために創設され、都市部の大気汚染に対する意識を高め、その対策に貢献している。
この賞は、電気自動車の普及を促進する関係者の努力を称えるものだ。
シーズン6の受賞者はヴァージンレーシング、シーズン7の受賞者はマヒンドラレーシングとなった。
ヴァージンレーシングはチームとしてサステナビリティに総合的に取り組み、特に「Race Against Climate Change Initiative」(RACC)を導入したことが評価された。
マヒンドラレーシングは9月にフォーミュラEチームとして初めてFIAサステイナビリティ・アセンティフィケーションの3つ星を獲得したことが大きな成果となった。
受賞:ヴァージンレーシング/マヒンドラレーシング
予選賞
シーズンを通して、予選は常に重要な意味を持っている。
タイトルを左右するほどの力を持っているため、ベストクオリファイアー(最も多くのポールポジションを獲得したドライバー)には、プレッシャーに強く、1ラップの最速タイムでライバルを上回ることができる速いドライバーが選ばれる。
受賞:ストフェル・バンドーン
タグ・ホイヤー ファステスト・ドライバー
フォーミュラEマシンの性能を最大限に引き出すためには、速めペースと賢いエネルギー管理との微妙なバランスが必要だ。
プッシュするタイミングと節約するタイミングを正確に見極め、貴重なファステストポイントを最も多く獲得したのはレネ・ラストだった。
今シーズン、タグ・ホイヤーファステストラップ賞を計6回受賞し、他のライバルの3倍ものファステストラップを記録した。
受賞:レネ・ラスト
モディス・エンジニア・オブ・ザ・イヤー
フォーミュラEでは戦略上の重要な指示が何度も出される。
ドライバーとチームがポイントを獲得するためには、そのひとつひとつが重要であり、選手権のタイトルにも大きく影響する。
フォーミュラEはチーム競技であり、ドライバーのタイトル獲得への望みをつなぐのはガレージにいるエンジニアたちである。
「モディス・エンジニア・オブ・ザ・イヤー 」は、こうしたチームワークを称えて表彰される。
受賞:ジェレミー・コランコン(ベンチュリー)
ベスト ソーシャルメディア アクティベーション
この賞は、革新的なアプローチでインパクトを与えた人々を称えるものだ。
ジャガー、ベンチュリー、マヒンドラがノミネートされたこの賞の受賞者は、ソーシャルメディアを有効活用してインパクトを与えたコンテンツを作成した。
強力なクリエイティブキャンペーンだけでなく、複数のデジタルプラットフォームを考慮して開発されたキャンペーンも評価された。
受賞:ジャガー・レーシング
マヒンドラ ライズ アンサング ヒーロー アワード
マヒンドラは毎年、フォーミュラEファミリーの中で、影に隠れていて注目されない、または評価されないことが多い人を表彰する機会を設けている。
新たなレース開催地でのサーキット設計を監督し、ワールドクラスのレーサーに多くのオーバーテイクとチャレンジを提供してレースを実現することは容易ではなく、現在進行中のパンデミックの中では通常よりも困難になっている。
フォーミュラEは2020/2021シーズンに15レースのカレンダーを完成させたが、どのレースもエキサイティングなものとなった。
世界初のインドア・アウトドア複合レースであるロンドンや、全く新しい場所でのレースも数多くあった。
また、2人目の受賞者はフォーミュラEに関連するすべてのスポーツ事項を統括する団体で、FIAの規則やGen3への継続的な開発に重要な役割を果たした人物が受賞した。
受賞:(右)フォーミュラEのトラックおよびオーバーレイマネージャーであるアグス・デリカード・ゾメノ
(左)フォーミュラEのFIAヘッド・オブ・スポーティング・マターズのパブロ・マルティーノ
チーム・ワールド・チャンピオン
フォーミュラEはシーズン7でFIA世界選手権の資格を得た。
これにより、各チームはFIAフォーミュラE世界選手権の初代チームチャンピオンのタイトルを目指した。
シーズン7では、かつてないほどの接戦が繰り広げられ、タイトルの行方が明らかになったのは、最終戦のベルリン大会が終わってからだった。
最終的にメルセデス-EQがジャガー・レーシングをわずか4ポイント差で破り、初のチームタイトルを獲得した。
前回王者のテチータは僅差の3位に入った。
受賞:メルセデス-EQ
ワールド・ドライバーズ・チャンピオン
電気自動車によるストリートレースであり、最も競争の激しいシーズンでタイトルを獲得するには、究極の集中力、最高のドライビング、そして完璧なチームが必要だ。
最終戦の第15戦では、多くのドライバーがタイトル獲得の可能性を秘めていた。
メルセデス-EQのニック・デ・ブリーズは、見事に自身初のフォーミュラEタイトルを獲得して歴史に名を残した。
7ポイント差の2位にはベンチュリーのエドアルド・モルタラが入り、3位にはBMWのルーキーであるジェイク・デニスが入った。
受賞:ニック・デ・ブリーズ