フォーミュラE 2021 ROUND8 プエブラ E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2021 ROUND8 プエブラ E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラE 2021シーズン第8戦がメキシコのプエブラにあるオートドローモ・ミゲル・E・アベドサーキットで行われた。
フォーミュラEにとって全く新しいコースでの開催となるため、各チームの適応能力が問われた。
レースは土曜日と日曜日にそれぞれレースを行うダブルヘッダーとなる。

初開催のコース

メキシコでのフォーミュラEは過去にもエルマノス・ロドリゲス・サーキットで複数回開催されており、フォーミュラEシーズンカレンダーでも馴染の存在になっている。
しかし、今年は開催コースが変わったことで、過去のデータを使用することができなくなった。
フォーミュラEマシンが走るのが初めてなのはもちろん、参戦しているドライバーも走行経験がないため全く新しい挑戦となる。
開催地が変わってもメキシコらしい環境特性は変わっておらず、高地による影響や気候は継承されている。
電動であるフォーミュラEマシンは高地であってもパワーロスが起こらないが、ドライバーにとっては厳しい環境となる。
コース自体にも大幅な設置物の追加が行われ、常設サーキットらしくないウォールに囲まれた雰囲気に変わっている。

予選

予選はコースコンディションの変化が多い状況となった。
通常予選でトップタイムを記録したのはポルシェのパスカル・ウェーレインだった。
後続に0.3秒差を付ける圧巻の走りで、余裕をもってスーパーポールに進出する。
ウェーレインはその後のスーパーポールでも好走を見せ、見事にポールポジションを獲得した。
2番手には0.05秒差の僅差で日産のオリバー・ローランドが入りフロントローを獲得した。
3番手は0.09秒差でBMWのジェイク・デニスが入った。
4番手はテチータのジャン・エリック・ベルニュ。
5番手はBMWのマキシミリアン・ギュンターとなり、BMWは2台揃って上位スタートとなる。
6番手は予選を決められなかったベンチュリーのエドアルド・モルタラとなった。

スタートでスローダウン

オートドローモ・ミゲル・E・アベドで開催される初めてのE-Prixはスタート直後に上位陣でトラブルが発生する。
フロントローからスタートした日産のローランドがスタートで加速することができずに一気に後方に飲み込まれてしまう。
真後ろでスタートを切ったベルニュもローランドを避ける際にタイムロスをしてしまいポジションを僅かに落とす。
ローランドはその後加速してレースに復帰できたが、中団に呑まれて優勝争いから脱落を余儀なくされた。
変わって順位を上げてきたのはBMWのギュンターだ。
ターン1までにスローダウンしたローランドとタイムロスをしたベルニュを抜かし、ターン1進入ではチームメイトのデニスのインサイドに入り2位へと浮上する。
これでスタート後の順位は、ウェーレイン、ギュンター、デニス、ベルニュ、モルタラとなった。
後方ではオープニングラップでいきなりアクシデントが発生する。
ヴァージンレーシングのキャシディがターン8の出口でウォールにヒットし左フロントを大破させてしまう。
これによりセーフティカーが出てレースは一時休戦となる。

アタックモード起動

残り37分頃、レースは再開される。
トップのウェーレインが少し後続を引き離していく動きを見せ、その後すぐに1回目のアタックモードを起動する。
今回はアタックモードのアクティベーションゾーンが大きく外側を回るようにレイアウトされているため、普段よりも起動時のタイムロスが多くなると見られている。
また、このアクティベーションゾーンが設定されているターン8の出口に合流するため、本コースを走行しているマシンとの接触が起こりやすくなる。
ウェーレインも合流時にデニスがアウトサイドにラインを残していたため接触を免れた。
ウェーレインは3番手で復帰するとすぐにデニスを抜かして2位に浮上する。
残り30分でギュンターがアタックモードを起動しに行き、ウェーレインがトップに返り咲く。
ギュンターは5番手でコースに復帰してターン1でディグラッシをインサイドからオーバーテイクし4位となる。
その後は前のマシンがアタックモードを起動しに行くタイミングで順位を上げていき、2位へと戻ってくる。
トップのウェーレインは上位陣がアタックモードの1回目を終えた時点で後続を引き離しており、良いペースでの走行を続けている。
ウェーレインは残り24分と速いタイミングでアタックモードの2回目を起動する。
タイムロスの多いアクティベーションゾーン通過をしても2位のギュンターの前でコースに復帰して盤石な展開となる。
その後方では上位争いをしていたベルニュもアタックモードを起動してコースに復帰してくるが、復帰の際にマヒンドラのシムズとウォールに挟まれて接触する。
これによりベルニュはリタイヤとなってしまった。
残り18分でアクティベーションゾーン復帰によるアクシデントがまたも発生する。
後方から好調な走りで追い上げをしてきていたジャガーのバードがアクティベーションゾーンからコースに復帰する際に、マヒンドラのリンとウォールに挟まれて接触する。
これによりサスペンションを壊してリタイヤとなり、セーフティカーで出動する。

レース再開

残り12分頃からレースが再開される。
トップのウェーレインはレース再開からペースを上げて後続を引き離しにかかる。
残り5分で2回目のアタックモードを起動していなかったデニスがアクティベーションを行い順位を落とし、変わってギュンターが2位、モルタラが3位となった。
その直後、モルタラがターン1でギュンターをオーバーテイクして2位に浮上する。
ギュンターはモルタラに抜かれた際に同時にディグラッシにもパスされて4位にドロップ。
そして今度がアウディのラストもギュンターを抜かし、チームメイトのアタックモード中のデニスにも抜かれてしまう。
残り2分を切ったところで2位のモルタラにディグラッシが襲い掛かる。
ホームストレートでディグラッシがあっさりとパスして2位へ浮上。
次のラップではラストもモルタラを攻略してアウディが2位・3位となる。
トップチェッカーを受けたのはウェーレインとなり、完璧なレースで勝利を飾ったかに思われた。
しかし、レース後になんと失格処分となってしまった。
ポルシェ側がウェーレインのマシンに装着したタイヤを申告していなかったことが原因だと発表している。
これにより、アウディのディグラッシが優勝となり、2位にはチームメイトのラストが続いた。
3位はベンチュリーのモルタラとなった。
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