Race at Home Challenge チャンピオンシップ第5戦 リアルドライバーレース

Race at Home Challenge チャンピオンシップ第5戦 リアルドライバーレース

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フォーミュラEは世界的な健康危機の中でシーズンの中断を余儀なくされているが、そんな状況でもユニセフを支援するために新たに開催されているバーチャルレースである「ABB Formula E Race at Home Challenge」のチャンピオンシップ第5戦が行われた。

リアルドライバーレース

「ABB Formula E Race at Home Challenge」は毎戦2つのレースを行う。
ひとつはリアルでフォーミュラEのドライバーを務めるプロレーサー達のリアルレーサーレースセッション。
もうひとつはオンライン予選を勝ち抜いたシミュレーターレーサー及びゲスト達のチャレンジャーレースセッションだ。
今回のレースでチャンピオンシップは後半戦突入となり、シリーズの折り返しを行った。
チャレンジャー、リアルレーサーの両シリーズ共にチャンピオン争いをするドライバーは絞られてきており、直接対決の機会も増えていく。
リアルドライバーレースシリーズでのランキング首位はパスカル・ウェーレイン。
序盤を圧倒したギュンターがそのままチャンピオンを獲得する予想もあったが、前半戦を終えてランキングトップになったのはマヒンドラレーシングのウェーレインだった。
しかし、他のライバルとのポイント差は少なく、メルセデスのストフェル・バンドーンやBMWのギュンターとは依然として接戦状態になっている。

ベルリン 新コース

レースの舞台はイギリスのロンドンへ。
舞台となるテンペルホーフ空港は、実際にフォーミュラEのレースが行われているサーキットである。
この空港は既に2008年で閉鎖されており、現在は使われていない。
全長は2.375 kmでターンは全部で10か所。
特徴的なのは路面がアスファルトではなくコンクリートであること。
そしてコーナー途中で形状が変化する特徴的なコーナーがあることだ。
直線も比較的長いので、ホームストレート後のターン1での飛び込みがオーバーテイクポイントになる。
リアルドライバー達の多くは走行経験があるためコースを知っているが、シミュレーターレースの中では初めての走行となる。

レース前

「ABB Formula E Race at Home Challenge」の後半戦開始となる今回のレースは、シリーズで初めて登場するベルリンE-Prixの舞台「テンペルホーフ空港」。
シリーズ序盤こそBMWのギュンターが独走状態だったが、第3戦以降はマヒンドラのウェーレインやメルセデスのバンドーンが台頭してきてチャンピオンシップが面白くなってきた。
これまでのシリーズレースではBMWのマキシミリアン・ギュンターとマヒンドラのパスカル・ウェーレインが支配してきた。
しかし今回は初開催のコースであることも相まって、優勝者が予想しにくい状況となった。
ランキングとしてはウェーレインとギュンターがトップ争いをしているものの、今回のベルリンでポールポジションを獲得したのはバンドーンだった。
1分9秒120のラップタイムを記録して予選を終えたバンドーンは優勝を狙ってスタートに向かう。
2番手には突如競争力を上げたアウディのダニエル・アプトが着けたが、これには裏がある。
レース後に発覚したことであるが、なんと操作していたのはアプト本人ではなく替え玉のシムレーサーだったのだ。
レース中にはアプト本人だと思われていたため、本記事でもアプトとして表記するが、この「替え玉」行為によってアプトはポイントを剥奪及び1万ユーロの罰金が課せられることとなった。
3番手には日産のオリバー・ローランドが入り初優勝を狙う。
ランキングトップのウェーレインは4番手スタートとまずまずのポジションを確保した。
そのウェーレインを追いかけるギュンターはすぐ後ろの5番手からとなる。

決勝

オープニングラップは中団以降で激しい接触が多発し、序盤からダメージを負うマシンが多くいた。
上位勢は比較的落ち着いたレース運びを見せたが、やはり全体的にはチャレンジャーレースよりも接触が多くなってしまっている。
1周目をトップで終えたのは2番手スタートのアプト。
ヘアピンでインサイドに飛び込んでポールスタートのバンドーンを抜かした。
抜かされたバンドーンは隙を突かれてローランドにもパスされてしまうが、すぐさま抜き返して2位に戻る。
その二人の後ろではチャンピオンシップを争うウェーレインとギュンターがバトルを展開。
しかしヘアピンを並んだまま立ち上がったウェーレインはギュンターのラインを潰してしまい、ギュンターはコントロールを失ってスピン。
上位から脱落を余儀なくされた。
中盤に入るとトップ争いが激化。
アプトに対してバンドーンが接近し、ヘアピンのブレーキングで軽く押しながらポジションを上げる。
アプトもすぐに反撃しターン1ではインサイドに入る。
しかしここはクロスラインでバンドーンが首位をキープ。
すると今度は1周目でバンドーンをかわしたヘアピンでインサイドへ進入。
軽く接触しながらもバンドーンをパスするが、3番手にいたローランドが一気に2台を抜かしてトップに浮上した。
その後バンドーンもターン1で再度アプトを抜かして2位になる。
レース終盤、トップのローランドに接近してオーバーテイクを狙うバンドーン。
何度もチャンスをうかがいながらファイナルラップに入り、最後まで一騎打ちを演じた。
最終的にローランドがポジションを守り切り、見事初優勝。
2位にはバンドーンが入り、チャンピオンシップリーダーに近づいた。
3位はアプトだったが、替え玉参戦だったため失格となり、変わってウェーレインが表彰台を手に入れた。
もう一人のチャンピオン候補であるギュンターは序盤のスピンの影響で7位となった。

ローランドが初優勝

「ABB Formula E Race at Home Challenge」で初優勝を挙げたローランドはゴール後にガッツポーズで喜んだ。
2位に入ったバンドーンはこれでランキング2位に浮上し、ウェーレインとのポイント差を4点とした。

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