フォーミュラEのCEOを務めるアガグ氏は、今シーズンに新しく導入されたアタックモードに満足していると語っているが、ドライバー側からは異なる意見も出ている。
CEOのアガグ氏は、アタックモードが今後調整が行われる可能性があることを認めている。
今シーズンから新マシンになった影響で、レース中のマシン乗り換えがなくなる。そのため、戦略戦を行うためにアタックモードが登場した。アタックモードを使用すると、通常出力の200kWから225kWへと、モーター出力を増加させることができる。
しかし、アタックモードを使うためにはレコードライン外に設定されるアクティベーションゾーンを通過する必要があり、一定のタイムロスを強いられることになっている。
アタックモードに関しての調整はFIAが毎度設定でき、コースによって使用価値がバラつく可能性が高い。
アクティベーションゾーンの設置位置についてもFIA側が決めており、今回のePrixでは、元々設定されていた箇所が危険だとの指摘を受け、急遽アクティベーションゾーンが変更になっている。
CEOアグガ氏はインタビューでこのように語った。
「今後の焦点はアクティベーションゾーンの設置場所だと考えている」
「また、アタックモードの出力向上を更に大きくする可能性はあるかもしれない」
「しかし私は、今回の出力でもドライバーたちがオーバーテイクするのに十分だったと思うので、変更するとしても微調整になるはずだ。本当にうまく機能した」
「モータースポーツにとって、画期的なシステムだったと思う。私は誇りに思っている」
しかし、アガグ氏の考えとは逆に、25kwのパワーアップはオーバーテイクには十分でなく、アクティベーションの際、多くのタイムロスしてしまったと言うドライバーもいる。
ダニエル・アプトは次のように語った。
「アタックモードは不十分だった」
「結果的にタイムロスしてしまったので、「ルーズ・モード」のようだった。アクティベーションするときにポジションを失い、25kwの追加パワーが十分ではなく、ポジションを取り戻せなかった」
「アタックモード出力を250kwくらいに上げるべきだ。そうすれば間違いなくオーバーテイクを仕掛けることができる。ルーカス・ディ・グラッシも、現在のフォーマットでは戦略性が少なくなっていると言っていた」
「アタックモードのパワーを予選レベルまで引き上げれば、その違いは大きくなるだろう。あるいは、アクティベーションゾーンをピットレーンに設定する必要があるかもしれない。」
一方、サム・バードの考えは真逆のようだ。バードはアクティベーションゾーンのロスタイムを増やすべきだと発言している。
「1秒ではなくて、6~8秒ほどロスするようにすべきだ」
「そうすれば、間違いなくポジションを落とすことになり、新たなドライバーと戦うことになる。その場合、なんとかして道をこじ開けなければならなくなるんだ」
「ラリークロスにおける、ジョーカー・ラップと同じようなコンセプトだ。6~8秒失うことで、次の3周はパワーが増した状態で走れる。そうなったらクールだ」
一部引用 motorsport.com