フォーミュラE 2022 ROUND11 ニューヨークE-PRIX 決勝ハイライト
2022シーズン第11戦が、アメリカのニューヨークで行われた。
ニューヨークはダブルヘッダーでの開催となり、各チームはレース週末で忙しく作業することになる。
アメリカでは過去に様々なコースでレースが行われている。
初開催はマイアミ。 次の開催地はカリフォルニアのロングビーチ。そして現在はニューヨークで開催されている。
ニューヨークと言えば、アメリカだけでなく世界で見ても最大級の都市であり、非常に高い人口密度を記録している。
有名人や長者が多く、レースウィークを通して有名人が顔を出す。
7月の平均気温は30度近くとなるが、海が近いことで風が強い。
あらゆる分野の最先端を進むニューヨークで、最新鋭のEVを使用したモータースポーツが行われる。
予選セッションはグループAとグループBに分かれて11台づつ走行を行い、それぞれのセッションの上位4台がトーナメントに進出する。
グループAにはチャンピオンシップを争うモルタラとバンドーンが入り、日産の2台も走行を行った。
最終コーナーでのクラッシュが発生する中、トップタイムを記録したのはエンビジョンのフラインスだ。
そしてそれに僅差で続いたのはチームメイトのキャシディとなり、エンビジョンがの2台が好調を見せる。
3番手にはチャンピオンを争うバンドーンが入り、日産のブエミが最後のトーナメント進出枠を獲得した。
ランキング首位のモルタラは5位で惜しくもトーナメント進出を逃した。
グループBはエバンスやベルニュの他、最近復活の兆しを見せているダ・コスタが走行を行った。
しかし、予選セッション中に雨が降り始め、コースコンディションが変化したことでタイムを出せなくなり、3番手以降はトップタイムから1.5秒以上遅れる状況となった。
トップタイムはルーカス・ディ・グラッシが記録し、アレクサンダー・シムズが続く。
残りの2枠にはジャガーのバードとポルシェのウェーレインが入った。
チャンピオンシップを争うエバンスとベルニュはそれぞれ7位と8位になり後方からのスタートが確定した。
デュエル予選では、セミファイナルで接近戦を制して勝ち上がってきたバンドーンとキャシディの争いとなった。
ステージ序盤はほぼ互角の差だったが、中盤以降で少しバンドーンが遅れたものの、すぐにロスを取り戻し後半は僅かにリードを築いた。
しかし、キャシディが最終コーナーでタイム差を縮め、なんと0.008秒差で逆転のポールポジションを獲得した。
2位にはメルセデスのストフェル・バンドーン。
3位はベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシ。
4位はポルシェのパスカル・ウェーレインとなった。
レーススタート
レースがスタートし、ターン1をトップで通過したのはポールのキャシディとなり、すぐ後方には3番手スタートのディ・グラッシが浮上した。
2番手スタートのバンドーンは偶数列からのスタートで路面のグリップ不足によってトラクションが悪く、ディ・グラッシとブエミに抜かれて4位となる。
そして後方では早くもアクシデントが発生する。
チャンピオンシップを争うベルニュが、集団内での接触によってコントロールを失いスピンしてしまう。
これで集団後方まで落ちてしまい、いきなり絶望的な状況となる。
アタックモード
残り38分頃にトップのキャシディがアタックモードを起動する。
ブエミとバンドーンも同時にアクティベーションを行い、上位勢の争いが激化する。
ディ・グラッシも翌周にアタックモードを起動して上位勢は全員がアタックモードを起動する。
この段階では大きなポジションの変動はなく、落ち着いたレース展開となる。
その後、残り23分頃にキャシディが2回目のアタックモードを起動し、後続のバンドーン等も2回目のアタックモードを使用するがポジションは変わらず、レースは終盤に入る。
終盤のバトル
残り17分を切ったところで3番手のバンドーンがファンブーストを使用してディ・グラッシをオーバーテイクする。
そのままキャシディも攻略するかと思われたが、ペースはあまり上がらず、残り12分頃にディ・グラッシに抜かされ、更にそのタイミングでフラインスにも抜かれて4番手にドロップ。
残り10分を切ったところでダ・コスタがパンクによってスロー走行となり、そのままレースを終えることとなる。
一方コース上では急な雨によってコンディションが激変していた。
ここでフルコースイエローが提示され、速度制限が設けられるカウントダウンが発生したが、なんとその瞬間に上位勢が一斉にアクシデントに見舞われた。
なんと、フォーミュラEの短いコース上で雨がかなり強いエリアが局所的に発生し、このエリアに侵入したマシンはハイドロプレーニングを起こしコントロール不能となった。
上位勢の多くのドライバーがコントロールを失ってウォールにクラッシュし、もちろん赤旗となった。
この状況を受けて、レースは赤旗前の29周時点の順位でチェッカー判定となり、波乱のレースは幕を下ろした。
優勝は、ポールからスタートし、ポジションを守り切ったエンビジョンレーシングのニック・キャシディとなった。
2位には、常にキャシディにプレッシャーを与え続けたベンチュリーのルーカス・ディ・グラッシ。
3位はエンビジョンレーシングのロビン・フラインスとなった。
チャンピオンシップを争うバンドーンは4位でチェッカーを受け、ライバルが上位を逃したラウンドで貴重なポイントを獲得した。