フォーミュラE 2021 ROUND4 ローマ E-PRIX 決勝ハイライト
フォーミュラE 2021シーズン第4戦がイタリアのローマで行われた。
昨シーズンは開催できなかったローマE-Prixだが、今シーズンは厳重な衛生管理を行いレースを開催することが可能となった。
開幕戦同様に、週末に2つのレースを行うダブルヘッダーであり、各チームは忙しい週末を過ごすこととなった。
前日の第3戦では荒れたレースをベルニュが制し、2位と3位にはジャガーの入り大量ポイントを獲得している。
予選はウェットコンディションでのスタートとなり、最初に出走するグループ1はヘビーウェット路面での予選アタックとなった。
後半グループであるほど路面コンディションは劇的に改善していき、スーパーポールに進めたのはほとんど終盤グループのドライバー達だった。
スーパーポールでポールポジションを獲得したのはヴァージンレーシングのキャシディだった。
滑りやすい難しいコンディションでも全てのセクターで上手くコントロールして、初めてのポールポジション獲得だ。
2番手にはベンチュリーのナトが入り、その速さに注目があつまった。
3番手はポルシェのウェーレイン。
4番手はメルセデスのバンドーン。
5番手はBMWのギュンター。
6番手はマヒンドラのシムズとなった。
日産勢はブエミが10番手、ローランドが8番手となった。
トップ交代
第3戦に引き続き、ローリングスタートでのレース開始となった第4戦は、最初のブレーキングポイントでいきなり波乱が起こった。
ポールからのスタートとなったキャシディがブレーキングでリアタイヤをロックさせてしまいスピンする。
マシンにダメージはなかったものの、スタート直後のスピンで一気に順位を落とすこととなってしまった。
すぐにコースに復帰はしたが10番手からの再スタートとなった。
残り38分のタイミングでトップのナトをウェーレインがパスする。
ブレーキングの直前でインサイドにマシンを振り出し、暴れるリアタイヤを上手くコントロールしてのオーバーテイクだった。
トップのウェーレインが少しナトを引き離していくのを見て、3番手のバンドーンがプレッシャーをかけていく。
ペースの上がらないナトはバンドーンにヘアピンでインサイドから抜かれ3番手に後退する。
中盤
中団では最初にローランドがアタックモードを起動する。
レコードラインに戻るタイミングでキャシディと並びかけるが、次のブレーキポイントでインサイドに僅かに入っていたローランドと接触してブレーキをロックさせてバリアで止まった。
キャシディにとってはポールからのスタートだっただけに、チャンスを生かすことができずにローマE-Prixを終える残念な結果となった。
ローランド側には接触の影響はなく、アタックモードを使用してポジションを上げていき、その後も5番手争いを激しく展開する。
残り30分頃、ディ・グラッシがブエミとの接触でリタイヤとなる。
前戦でバンドーンがクラッシュした高速コーナー出口で、アタックモード使用中のブエミと接触した。
ブロックラインに進路を変えようとしたところ、既にインサイドにラインを変えていたブエミは避けきれずに追突する形となった。
このクラッシュでコース上は速度制限が行われ、各マシンの間隔は均等に保たれる。
リスタートは残り25分頃で行われ、3番手につけていたシムズがスタートダッシュを決めてウェーレインをパスする。
1ラップ勝負
残り8分でイエローフラッグが振られる。
アクシデントが発生したのはアウディのラストだった。
高速コーナーで進入していくクレストを越えるコーナーで、アウトサイドのリアサスペンションを破損しコントロール不能になってしまう。
スピンしながらウォールに接触してマシンのリアを大きく破損し、リタイヤとなる。
アウディはディ・グラッシもクラッシュでリタイヤしており、ローマE-Prixは最悪の展開となってしまった。
レース再開は残り1周で行われ、各マシンが1周に全てをかける走りでファンを沸かせた。
トップのバンドーンはスタートで少し後続を引き離し、後ろのシムズ、ナト、ウェーレインもポジションをキープする。
モルタラはブレーキングで大きく姿勢を崩すがなんとか立て直し5位を死守。
そのすぐ後方ではバードとデ・ブリーズがサイドバイサイドで止まり切れずにローランドに接触して3台ともコーナーを曲がれずにオーバーラン。
ローランドは唯一方向転換をしてすぐに復帰するが、ポジションを大きく落としてしまう。
ファイナルラップも逃げ切って優勝を手にしたのはメルセデスのバンドーンだった。
バンドーンはファステストラップも獲得して追加で1ポイントを獲得した。
2位にはリスタートでポジションを上げたマヒンドラのシムズ。
3位はポルシェのウェーレインとなった。
