ベルニュ フォーミュラE通算600ポイント達成
2020年のマラケシュE-PrixでDSテチーターで参戦している現チャンピオンのジャン・エリック・ベルニュは、新しい記録を自身のキャリアに刻んだ。
戻ってきたチャンピオン
チャンピオンシップでトップから大きく後れを取っていたベルニュは、マラケシュにやってきても存在感を出すことができず、11位で予選を終えた。
中団からのスタートとなってしまったベルニュだったが、決勝レースでは数々のオーバーテイクを成功させて表彰台フィニッシュを果たした。
2020年シーズンでは初の表彰台獲得となり、決勝では最もファンを魅了したドライバーとなった。
そしてマラケシュでの表彰台獲得で15ポイントを獲得したベルニュは、フォーミュラEシリーズでの通算獲得ポイントが608ポイントとなり、歴代3人目の600ポイント突破を達成した。
現在のフォーミュラEチャンピオンシップでは、600ポイント獲得を達成しているドライバーはルーカス・ディ・グラッシ(アウディ)とセバスチャン・ブエミ(日産)そして今回のジャン・エリック・ベルニュ(テチーター)のみとなっており、ベルニュは他2名との差を縮めている。
すぐに速さを見せた
ベルニュは、2014/2015シーズンの最初のシーズンにフォーミュラEチャンピオンシップへ参戦を始め、ウルグアイのプンタデルエステでのシーズン第3戦からデビューした。
デビューレースから競争力を見せていたベルニュだったが、サスペンションの大破によりデビューレースでの完走を果たすことが叶わなかった。
しかし彼はすぐに上位争いを行い、ロングビーチで2位表彰台フィニッシュを飾り、最初の表彰台を獲得した。
次のシーズンには、さらに多くのポイントと表彰台を獲得した。
(2015年のロングビーチE-Prixで表彰台を獲得したベルニュ)
フォーミュラEでの存在感を高めたベルニュはテチーターとのドライバー契約を交わしてパートナーシップを始めたのは2016/2017シーズンからであった。
新しいチームでの仕事を順調にこなしたベルニュはチームと引き続きを仕事をしていき、テチーターでの最初の勝利はモントリオールで行われた最終ラウンドだった。
2018/2019年は、シーズンの12ラウンドすべてでポイントを獲得する素晴らしいパフォーマンスを披露してシーズンを支配した。
自身初のフォーミュラEタイトルを獲得してシーズンを終えたベルニュは、シーズン内で4回もの勝利と2回の表彰台を獲得し、トップ5に入れなかったラウンドはたった1回だけであり、そのラウンドでも10位フィニッシュを果たしたことでポイントを獲得した。
チャンピオンとして迎えた2019/2020シーズンでも速さは健在であり、チャンピオンシップで危うい場面こそあったものの、終わってみればベルニュのポイントは他者と比べて抜けていた。
数回の勝利と安定した上位フィニッシュが多く、ベルニュはフォーミュラE史上初の連続チャンピオン/複数回チャンピオンとなった。
歴代3位の獲得ポイント
今シーズンは、開幕序盤のチャンピオンシップで目立ったパフォーマンスはなかったが、直近の2ラウンドではベルニュ本来の走りが戻ってきていた。
メキシコシティでは上位で安定した走りをして堅実にポイントを獲得し、マラケシュでは体調不良のために最初のプラクティスセッションを欠場したにも関わらず、後方からのスタートながら圧倒的な追い上げで表彰台フィニッシュを果たした。
この勢いが続いていけば間違いなくチャンピオンシップ争いに絡んでくることになるだろう。
現在600ポイントを獲得したベルニュだが、フォーミュラE史上最高のポイントリーダーはまだ先にいる。
歴代ポイント獲得数の上位はディ・グラッシとブエミとなっており、それぞれ757ポイントと726ポイントを獲得している。
彼らに追いつくにはまだ100ポイント以上の差があるものの、ベルニュの追い上げは加速していくかもしれない。