ROUND4 メキシコシティ E-PRIX 決勝ハイライト

ROUND4 メキシコシティ E-PRIX 決勝ハイライト

LINEで送る
Pocket

フォーミュラE 2019/2020シーズン第4戦がメキシコのメキシコシティで行われた。

アメリカの南に位置するメキシコで最大の都市として有名なメキシコシティ。
1年を通して温暖な気候であり、フォーミュラEが開催される時期も過ごしやすい気温になっている。
しかしサーキットの位置する標高がかなり高く、チーム・ドライバー共に高地対策を行ってくる。

予選ではタグホイヤー・ポルシェのアンドレ・ロッテラーがポールポジションを獲得。
ポルシェチームは参戦4戦目にして早くも予選での競争力を見せた。
2番手には0.06秒差でジャガーのミッチ・エバンス。
3番手にはマヒンドラのパスカル・ウェーレインが入り、去年のリベンジに燃える。
4番手にはルーキーのメルセデスドライバー、ニック・デ・ブリーズ。
5番手は、不調からの脱出を目指す日産のセバスチャン・ブエミ。
6番手はヴァージンレーシングのサム・バードとなった。

激しいオープニングラップ

ポールポジションからスタートしたロッテラーだったが、僅かに出遅れる。
その隙を狙って2番手でスタートを決めたエバンスが1コーナー前で並びかける。
両者はブレーキを多少ロックさせながらもコーナーに侵入するが、ロッテラーがインサイドにほぼスペースを残さずに侵入したため接触。
インサイドのエバンスがアウトサイドのロッテラーを弾いてトップに浮上する。
ロッテラーは接触の影響でコースから僅かに外れて失速し、その間に後方の数台に飲まれることとなった。
次のブレーキングとなるターン3で2番手に浮上していたのはデ・ブリーズだった。
その後ろの3番手にはブエミが上がってきた。
2番手に上がったデ・ブリーズだったが、2周目に後方に迫られる。
3番手だったブエミが新設されたターン5でインサイドからオーバーテイクに成功し2位にポジション上げると、4番手に落ちていたロッテラーもデ・ブリーズを攻略。
更にその隙を突いてバードも順位を上げ、デ・ブリーズは5位までドロップしてしまう。
更に6位のミュラーに迫られ、ホームストレートでサイドバイサイドを展開する。
しかし、アウトから仕掛けたミュラーがオーバースピードで飛び出しウォールにクラッシュ。
これによりセーフティカーが導入されてレースは一時中断となる。

続くアクシデント

上位争いはセーフティカー明けも続く。
速いペースで追い上げるのはヴァージンレーシングの2人、バードとフラインス。
2台揃ってロッテラーをかわしてそれぞれ3位・4位に上がってきた。
バトルの影響でデ・ブリーズにも抜かれてロッテラーは6位に後退。
更にその後、アタックモードのアクティベートを行ったデ・ブリーズに接触して右フロントを破損。
フロントウィングとカウルが切断され、カウルがタイヤに擦れて大きくタイムロスし、その後リタイヤとなった。
レース残り時間が20分を切った頃、ダ・コスタとデ・ブリーズが激しくバトル。
ホームストレートでインサイドに入ったダ・コスタに対してデ・ブリーズはブレーキングで勝負を挑んだが、ホイールが完全にロック。
前を走っていたフラインスまで巻き込みそのままコース端まで行ってしまう。
これでデ・ブリーズはリタイヤし、巻き込まれたフラインスも上位から転落してしまった。

終盤の表彰台争い

レース終盤になった頃、チームメイトバトルを制して表彰台争いに加わったのはダ・コスタだった。
3位のブエミを早々とパスして、バードにプレッシャーをかける。
バードはアタックモードを使って逃げ切りを狙ったが、なんと新設されたターン3でオーバースピードのため曲がり切れずにウォールに接触。
その後、スタジアムセクションでもウォールに接触しマシンを止めた。
優勝はスタートからトップに立ち逃げ切りを成功させたジャガーのエバンス。
終始安定したレース運びで勝利を獲得した。
2位には後方からの追い上げで連続2位表彰台となったテチーターのダ・コスタ。
3位はようやく結果が出た日産のブエミとなった。

 

2020 02 18 race result2

連続表彰台が2人

第4戦を終えて、ポイントランキングでトップになったのはジャガーのミッチ・エバンス。
第3戦の3位表彰台とポールポジションで大量ポイントを獲得した後の今回の優勝で、一気にランキングトップに浮上した。
今回の安定したレース運びを見る限り、今シーズンのチャンピオン争いに確実に絡んでくるドライバーになるだろう。
そのエバンスを1ポイント差で追うのがBMWのシムズ。
今回は目立った走りをしていなかったが、終わってみればしっかりとポイントを獲得し、ファステストラップのおまけ付きである。
ランキング3位には今回のレースで2位表彰台を獲得したダ・コスタが入った。
前戦も2位になっており、2戦連続の2位表彰台となった。
チームメイトの現チャンピオンであるベルニュがチャンピオンシップでは後れを取っているため、テチーターとしてはダ・コスタに期待を寄せたい形になってきた。
日産は、ブエミが今シーズン初のポイントを獲得。
不運や不調から脱出して、本来の走りに戻ることができれば速いことを証明した。
しかし、チャンピオンシップでは既に大きなポイント差が付いており、巻き返しは容易ではないだろう。

LINEで送る
Pocket