最年少勝者 ギュンターの展望
サンティアゴでの激しいレースを終え、マキシミリアン・ギュンターはFIAフォーミュラEチャンピオンシップにおいて史上最年少の優勝者となった。
昨年の同じ時期とは全く異なる状況になったギュンターは、今最も成長しているドライバーであると言える。
世界最高峰の舞台でレース勝者になるまで、BMWドライバーのギュンターの歩んだ道を確認していく。
BMW i アンドレッティモータースポーツでドライバーを務めるマキシミリアン・ギュンターにとって、この1年間は興味深い時期であった。
2018/2019シーズンを前にジオックスドラゴンレーシングとドライバー契約を行ったギュンターは、フォーミュラEで最も若いドイツ人ドライバーとして選手権に参戦。
しかし、デビュー後の3戦でポイントを獲得できず、昨年のサンティアゴE-PrixでのDNF(未完走)に終わった後、チームは次戦からフェリペ・ナッセを起用することを決め、ギュンターはレギュラードライバーから外された。
それでもギュンターは諦めることなく実力を発揮できる機会を探り、2019/2020シーズンでダ・コスタの後任としてBMW iアンドレッティモータースポーツに加入することとなった。
その後、第3戦で自身初のフォーミュラEレース優勝を果たし 、シリーズ史上最年少優勝者となった。
このような偉業を成し遂げるドライバーは限られているが、ギュンターは鋼の意思によって偉業を成し遂げた。
ギュンターの真面目さは高く評価されており、レースドライバーではなくなった後もドラゴンレーシングでリザーブドライバーとして仕事を行い、フォーミュラEシリーズに留まる方法を模索していた。
レギュラードライバーが他カテゴリーとのレース日程のバッティングによって参戦できない時には、しっかりとリザーブドライバーとして空席を埋めた。
当時、グリッド上に決して強いとは言えないマシンでの戦いだったにも関わらず、多くのポイントをチームにもたらした。
特に印象的だったのはパリとベルンのE-Prixで、この2つのレースでは5位入賞を果たして、ドラゴンレーシングにとってシーズン最高位のポジションを獲得した。
予選でも速さを見せていたギュンターは3回のスーパーポール進出を決めてパドックで注目を集め、2019/2020シーズンにBMWでの参戦に漕ぎ着けた。