ギュンターの夢が叶う

ギュンターの夢が叶う

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BMWチームのドライバーを務めるマキシミリアン・ギュンターは、昨シーズンに所属していたジオックスドラゴンレーシングで走ったサンティアゴE-Prixで苦い思いをしていた。
昨年はレースを完走することができず、あれから約1年が過ぎて彼は帰ってきた。

移籍を経て

今シーズンはドラゴンレーシングから移籍し、BMWドライバーとしてシーズンをスタートさせたギュンター。
チームメイトのシムズが開幕戦からポールポジションを獲得しており、ギュンターはプレッシャーに晒される中での第3戦になった。
しかし、そんなプレッシャーを跳ね除けて、ギュンターは素晴らしいドライビングによってサンティアゴで勝利を収めた。
2位からスタートしたギュンターは、オープニングラップでウェーレインにパスされて3位に後退し、しばらく3番手でレースを過ごす。
その後、アタックモードを使ったペースアップで一気に首位に躍り出ることに成功する。
しかしレース終盤に後方から順位を上げてきたダ・コスタに抜かれて2位に落ちてしまう。
そのまま2位でチェッカーを受けるかと思われたが、なんと最終ラップで大胆なオーバーテイクを見せ、初勝利を自らの力で獲得した。

ギュンターのコメント

FIAフォーミュラEチャンピオンシップでの初勝利を収めたギュンターは、コース上のバトルを制して非常に嬉しそうだった。
チームメイトに対して大きく出遅れていたギュンターであったが、この勝利でプレッシャーから解放され、今後のレースでは自分らしい走りができるだろう。
優勝時のインタビューでは以下の様に語っている。

「今日は夢が叶いました。私たちチーム全員にとって、サンティアゴの様な暑い環境下でレースをすることは非常に困難で、レースペース管理やバッテリー消耗を把握することが重要です。このような難しい状況で勝利するためには、チーム一丸となって戦うことが最も重要になります。まずスタートについてですが、コースのダーティサイド側からのスタートだったので、素晴らしいスタートを切ることができずにポジションを落としてしまいました。なんとかポジションを挽回しようと考えていたので、アタックモードを非常に巧みに使用しました。これが上手くいって、レースをリードすることができました。アタックモードを使用するときは、バッテリーやモーター温度が通常よりも上がるため、この暑さの中でバッテリー温度に注意することも重要でした。私たちのチームはそれを本当にうまくやれたと思います。最終ラップで、トップのアントニオは電力を使わないようにストレートで少し早くアクセルを戻したと思います。チェッカーを受けるまでに必要な電力が僅かであり、そうする必要があったのでしょう。私は「今攻めるべきだ」と思い、オーバーテイクに挑戦しました。幸い接触もなく、前に出ることに成功しました!」

熱いサンティアゴ

DSテチータのダ・コスタに一度は抜かされたものの、ギュンターは落ち着いてレースを組み立てており、最後のチャンスをしっかりと利用してオーバーテイクを成功させた。

僅か1年前、当時22歳のギュンターは、アメリカチームのジオックス ドラゴンレーシングでレースをしていたが、サンティアゴでのレースを完走することができなかった。
市内全域で記録的な最高気温となった2019年のサンティアゴE-Prixは、記録上最も暑く挑戦的なレースの1つだったが、今回はそれとは異なる熱さのレースとなった。

現在、ギュンターは25ポイントを獲得しており、チャンピオンシップ順位では4位に位置している。
チャンピオンシップリーダーのバンドーンから13ポイント差となっており、フォーミュラE最年少ドライバーがタイトル挑戦できるかは興味深い。

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