ROUND3 サンディアゴ E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラE 2019/2020シーズン第3戦がチリのサンティアゴで行われた。

南半球に位置するチリでは現在夏季となっており、マシンとドライバーにとっては過酷な気候でのレースになった。

予選ではジャガーレーシングのミッチ・エバンスがポールポジションを獲得。
予選とスーパーポールの両方で1位を獲得し、ジャガーのエースが速さを見せた。
2番手には好調を維持するBMWチームのマックス・ギュンターが着けた。
3番手にはマヒンドラのパスカル・ウェーレインが入った。
4番手にはウェーレインと同タイムを記録したベンチュリーのフェリペ・マッサ。
5番手は久々に上位進出となったNIOのオリバー・ローランド。
6番手は不運続きとなっている日産のエース、セバスチャン・ブエミとなった。

スタート直後からバトル勃発

エバンスはスタートを問題なく決めてトップを維持した状態で1コーナーへ侵入。
2番手スタートだったギュンターは3番手スタートのウェーレインに並ばれてファーストコーナーへ。
アウトサイドで粘ったウェーレインは続くコーナーでギュンターを抜き去り2位に浮上した。
中団では順位が目まぐるしく変わり、予選で出遅れた有力選手が上位へのポジションアップを狙い積極的に攻める。
裏の高速のエリア後にあるヘアピン区間では一瞬ながら4ワイドになる程の混雑となり、行き場を失ったマシンが接触してタイムをロスした。
ディルイーヤで速さを見せたシムズも序盤の接触でボディにダメージを負い、順位を下げる厳しい展開になった。
その後にシムズはマシンを止めリタイヤとなってしまう。
これにより一時フルコースイエローが提示された。

中盤に多くのバトルが展開

フルコースイエローが解除されると、ブエミを先頭とした中団の争いが本格化。
日産のブエミを先頭に、テチータのベルニュとダ・コスタ、更にメルセデスのバンドーンとデ・ブリーズが続き有力チーム同士の争いとなる。
その後ろでは接触が発生。
ミュラーをオーバーテイクしに行ったローランドがアプトと接触し、そのアプトがバードのリアにヒットしてしまう。
バランスを崩したバードはスピンを喫して後退。
アプトとの接触でフロントにダメージを負ったローランドは、ホームストレートでフロントウィングが外れてフロントのダウンフォースを失い、後退を余儀なくされた。
上位勢でもアタックモードを使用する中盤からはバトルが増えた。
残り30分を経過したタイミングでベンチュリーのマッサとモルタラのチームメイト対決が発生。
アタックモードを使って並んだモルタラだったがブレーキでやや膨らみ、チームメイトのマッサのラインを潰してしまう。
接触を回避するために減速したマッサは後方にいたダ・コスタとベルニュのテチータ勢に交わされて4位から7位にドロップ。
更に後ろからメルセデスのデ・ブリーズもアタックモードを使いマッサをパスしていった。

激しいトップ争い

残り23分頃にトップが遂に変わる。
エバンスに対して距離を詰めてきていたギュンターが、アタックモードを使って裏の高速エリアで豪快にオーバーテイクを決める。
アタックモードの時間的に最後のチャンスを掴んだ形になった。
残り12分を切ったところで3位を走行中だった現チャンピオンのベルニュにトラブル発生。
左フロントにダメージを負ってタイヤから白煙を出し始めた。
このトラブルによってベルニュはレースを終えることとなってしまい、多くのポイントを逃すことになった。
ダブル入賞が消えたテチータだったが、チームメイトのダ・コスタが奮起する。
ベルニュが消えたことで3位に上がったダ・コスタは2位のエバンスに迫り、裏の高速エリアでオーバーテイクを成功させる。
残り3分を切ったところで遂にトップを走るギュンターに追いつく。
ダブルヘアピンの一つ目でインに飛び込み接触しながらも前に出ることに成功。
しかしギュンターはファイナルラップの高速エリアで勝負に出る。
アウトサイドの滑りやすいラインを通りながらダ・コスタを抜き返した。
最後の最後でもう一度挑戦したギュンターがBMWに最高の結果を届けた。
敗れはしたものの、表彰台を獲得してチームにポイントをもたらしたダ・コスタの走りも称賛に価した。
3位にはポールスタートだったエバンスが入り表彰台を守った。

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BMWとメルセデスが好調

2019/2020シーズンの第3戦が終了し、今シーズンの勢力図も見えてきた。
今回のレースではトップ争いが序盤から絞られていたので各チームのスピードを見ることが容易だった。
全体的には昨シーズンと同じような勢力図となっているが、新たに参戦してきたメルセデスが非常に強力なスタートを切っている。
特に、昨シーズンは上位争いをすることが少なかったバンドーンが大きなステップを果たしている。
現在のドライバーポイントランキングは、優勝やポールポジションこそ無いもののバンドーンがトップに立っている。
コンスタントに上位入賞をして安定した速さを見せているため、シーズン後半にもチャンピオン争いに残っている可能性が高まってきた。
チームランキングではBMWがトップとなっており、メルセデスが僅差で追いかける形になっている。
今シーズンのBMWは特に予選での速さが目立っており、ドライバーを務めるシムズとギュンターの二人が良い働きをしている。
そして現チャンピオンのテチータも今回は上位に入っているため、今後のレースでは優勝争いに頻繁に姿を見せるだろう。
日産は今回のレースをノーポイントで終え、特にエースのブエミの不調が続いている。
昨年もシーズン前半にポイントの取りこぼしが多かったため、今シーズンもチャンピオン争いに加わる後半には厳しい状況になっているかもしれない。

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