ROUND1 ディルイーヤ E-PRIX 決勝ハイライト
2019/2020シーズン開幕戦が、サウジアラビアのディルイーヤで行われた。
今回は金曜と土曜にレースを行うダブルヘッダーとなっており、二日続けてレースが行われる。金曜日に第1戦、そして翌日の土曜日に第2戦となっている。
2019/2020シーズンは過去最多のワークスチームが参戦する。新規参入のメルセデスとポルシェはモータースポーツで数々の成功を収めてきたメーカーであり、昨シーズンよりもチャンピオンシップは激戦となるだろう。
また、新たにフォーミュラEに参戦を開始するドライバーも数名おり、開幕戦でのパフォーマンスが注目される。予選ではBMWのシムスがポールポジションを獲得。2019/2020シーズン最初のポールポジション獲得となった。
2番手にはメルセデスワークスのバンドーンが入り、3番手にもメルセデスのデ・ブリーズが入ったことで、メルセデスは開幕戦から競争力を発揮した。
堅実なスタート
まずはポールポジションのシムスがトップを守り1コーナーを首位で通過。後方も大きなトラブルなくオープニングラップを終えた。しかし、5分を経過した頃、日産のエースドライバーであるブエミがマシンを止め、イエローフラッグが振られた。
バードの快進撃
上位の数台が1回目のアタックモードを使い始める。その中でもバードのペースは非常に良く、アタックモード使用時のタイムロスで落とした順位をすぐに上げていく。
まずはダンブロシオを抜き返して5位にポジションを戻し、すぐにモルタラにも追いつき、ストレートで難なくオーバーテイクを成功させて4位に浮上する。今シーズンから出力が増加したアタックモードで上手くポジションアップを成功させた。10番手付近を走行していた現チャンピオンであるベルニュがトラブルによりピットイン。開幕戦はマシントラブルにより幸先の悪い滑り出しとなってしまった。
レース残り15分頃、ペースが良いバードが3位を走るデ・ブリーズに迫る。2度目のアタックモードを使い、ストレートでデ・ブリーズを攻略し3位へ。そのままの勢いですぐにバンドーンにも接近する。同じ様にストレートでサイドバイサイドに持ち込むがバンドーンもブレーキングを限界まで遅らせる。ブレーキングで突っ込みすぎたバンドーンだったが、1位のシムズをオーバーテイクすることに成功する。
バンドーンの攻撃を受けたシムズはタイムロスを喫してバードにも先行を許してしまう。
速さを見せつけたバードと強力なワークスチーム
レース残り10分頃、トップのバンドーンを遂にバードがオーバーテイク。これで首位に立つ。2位に落ちたバンドーンだが、バードをしっかりとマークして終盤に投入。3位にはポルシェのロッテラーが上がってきており開幕戦ながら十分なペースを発揮している。そして4位には日産のローランドが浮上してきた。しかし後方でアウディのアプトがクラッシュ。これによりセーフティカーが出動し、各マシンの差はなくなった。バンドーンはセーフティカーが出る直前にアタックモードを起動してしまい、その際にロッテラーに抜かれてしまう。
レース再開は残り時間1分を切ってからとなり、中団は激しいバトルを展開。BMWのシムズはバトルで大きくポジションを落としてしまい、ポールポジションの勢いを失った。優勝はヴァージンレーシングのバードが獲得。アタックモードを使ったオーバーテイクショーを披露した。2位にはポルシェのロッテラー。3位にはメルセデスのバンドーンが入った。
ワークスの競争力
第1戦が終わり、メルセデスとポルシェの新規ワークスチームの競争力の高さが目立った。
初年度からチャンピオンシップを争うことになるだろう。
日産はブエミのトラブルがあったものの、ローランドは4位と好位置を獲得。ツインモーターからシングルモーターへの変更が必要だったが、ペースとしては十分に戦えることが証明された。