ROUND2 ディルイーヤ E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラE 2019/2020シーズン第2戦がサウジアラビアのディルイーヤで行われた。
今回は金曜と土曜にレースを行うダブルヘッダーとなっており、二日続けてレースが行われる。金曜日に第1戦、そして翌日の土曜日に第2戦となっている。

前日に行われた開幕戦では、新規ワークスチームであるメルセデスとポルシェが競争力を発揮し、今シーズンのチャンピオンシップを争えることを証明した。

第2戦の予選ではBMWのシムスがポールポジションを獲得。
第1戦に引き続きポールポジションを獲得し、好調を示した。
2番手には日産のエース、ブエミが入り、3番手にはアウディのディ・グラッシが入った。
なお、スーパーポールに進出したエバンスは車両重量規定違反のため、タイムは記録されなかった。

スタート前のトラブル

ダミーグリッドからフォーメーションが開始されたが、予選4位を獲得したマヒンドラのダンブロシオがマシンを動かすことができずにグリッドに並ぶことができなかった。
これにより4番グリッドは空き、スタートが行われた。
1コーナーは上位に大きな順位変動は起きずに通過。
2周目にペナルティ消化のため、ベルニュがピットロードへ入りストップ&ゴーを行った。

上位陣のバトル

10分経過時、3番手を走行していたディ・グラッシに対してテチータのダ・コスタがブレーキングでオーバーテイク。
ディ・グラッシはアウトサイドで耐えようとしたものの、ブレーキングでロックさせてしまい先行を許した。
ディ・グラッシの後方ではエバンスとバードが接近。
一瞬の隙を突いて好調のバードがエバンスを抜かして5位にポジションアップ。
更に前ではアクシデントが発生。
2位を走行中だった日産のブエミがダ・コスタからプッシュされてスピンを喫してしまう。
反対方向を向いて止まったブエミはコースに復帰しようとするが、後方のマシンは数珠繋がりになっており、中々復帰することができない。
強引に復帰を試みたブエミだが、後方のドライバー達は何とか回避に成功し事なきを得た。
このタイムロスによってブエミは2位から14位まで後退してしまい、戦線離脱を余儀なくされた。
ダ・コスタがアタックモードを使用し、一度3番手に後退するものの、すぐにディ・グラッシをパスして2位に戻る。
少しペースが落ちたディ・グラッシに、4位のバードが仕掛けるが、5位のエバンスも同じようにバードに仕掛ける。
コース幅の狭いエリアでバードとエバンスは並ぶが、エバンスが引かずに両者は接触。
バードは押される形でアウトサイドへスライドしポジションを落とす。
更にその後のコーナーでスローダウンをしてしまい、後方から追突されてウォールにクラッシュ。
開幕戦優勝で好調を維持していたバードだったが、ここでレースを終えることになった。
バードの車両回収のため、セーフティカーが出る。
そしてレース再開時に、多くの車両がアタックモードゾーンを通過。
セーフティカー中のアタックモードは禁止になったが、リスタート時の使用は可能となり、コントロールラインを通過するまでは追い抜きが禁止のため、最も効率の良い作戦となった。
レース再開後、ブエミへの接触のペナルティで、ダ・コスタにドライブスルーペナルティが出され、上位争いから脱落。

セーフティカー中のゴタゴタ

連続コーナーエリアで、ヴァージンレーシングのフラインスが単独クラッシュ。
このクラッシュでセーフティカーが出て回収作業が行われたが、セーフティカーが解除されても回収がまだ終わっておらず、フルコースイエローが急遽出された。
1周後には回収が完了しレースが再開されたが、場合によっては非常に危険な出来事であった。
レース再開後、2位を走っていたディ・グラッシがアタックモードを使用。
このタイミングでBMWのギュンターとメルセデスのバンドーンがそれぞれポジションを上げるが、アタックモードを使ったディ・グラッシはバンドーンをオーバーテイク。
そのまま2位のギュンターにもプレッシャーを与えるが、最終的に攻略することはできなかった。
これにより、トップチェッカーを受けたのはBMWのシムズ。
2位にもBMWのギュンターが入り、BMWが1-2フィニッシュを達成したかに思われた。
しかしレース後の審議の結果、2位のギュンターを含む数台にタイムペナルティが発生。
セーフティカー明けのオーバーテイクが原因であり、コントロールライン通過前にポジションを上げてしまったことによるペナルティである。
ペナルティによって順位が変動し、1位のシムズは変わらず優勝を達成したが、2位のギュンターがペナルティで落ちたためディ・グラッシとバンドーンが表彰台を獲得した。

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新ルールによる理解度

開幕戦のダブルヘッダーが終了し、各チームの競争力が分かってきた2019/2020シーズン。
新規ワークスのメルセデスとポルシェの競争力も高く、過去最高のチャンピオンシップになることが予想されている。
しかし新ルールへの理解度はまだ十分ではなく、第2戦で起こったような新ルールが影響したペナルティは今後の課題になっている。
ただ、1流チームが集うフォーミュラEは、今回と同じペナルティが出ることはないと思われる。

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