ミシュランのニュータイヤEV2

ミシュランのニュータイヤEV2

LINEで送る
Pocket

フォーミュラEは何故従来のスリックタイヤを履かないのか?これはよく耳にする質問です。フォーミュラE車両が今にでもタイムを数秒でも縮めたいのは周知の事実です。スリックタイヤを履いたら今にでも実現するのですがそれはフォーミュラEとそのタイヤの心理を完全に無視することになります。EVは空気抵抗や摩擦抵抗などのあらゆる方面で効率を求めています。実はF1で使う13インチのタイヤよりフォーミュラEの低プロファイル1インチタイヤの方が効率的なのです。しかも一般道路での走行にも対応するのです。一般的に運転をしていて雨が降ってきたからといってタイヤを変える必要はありませんよね?フォーミュラEもいっしょです。雨の可能性を考えてウェットタイヤ数百本を世界中に運び回るのは二酸化炭素を多く排出することになります。こういった問題を乗り越えていくのがフォーミュラEのDNA、真骨頂と言えるのではないでしょうか。

ミシュランのフォーミュラEのタイヤは最初の2シーズン全く問題なく、ほぼ完璧と言える出来栄えでした。唯一タイヤ交換は必要だったのはリムの破損でウェットなコンディションの中でもドライバーからのフィードバックはとても良いものばかりでした。しかしモータースポーツの世界では前進あるのみでミシュランのテクニシャンはこのほぼ完璧なタイヤをより良くすることに没頭しました。2シーズン分のデータを利用してミシュランは2016/17用のタイヤEV2を完成させました。その性能は驚きで摩擦抵抗が16%も少なくなり簡単に言うと同じエネルギーでまるまる一周多く走れてしまうのです。さらにフロントタイヤは1.1kg、リアは1.4kgも重量を減らすことができ、一台で言うと11%の重量削減で約5kgになります。つまり1シーズン40台分の輸送を考えると合計2,500kgの削減につながりそれだけの二酸化炭素の排出を抑えられることになります。しかも軽くなった分だけ素材を減らすことができ、その分環境にもやさしいと言えます。これらはすべてレースパフォーマンスを崩さずに実現できています。

ミシュラン・モータースポーツのディレクターパスカル氏: “フォーミュラEはエネルギー効率との戦いでドライバーがいかにエネルギーを有効活用できるかが勝負でタイヤの性能はとても重要だ。シーズン3では進化したタイヤEV2での効率の向上によってパフォーマンスが飛躍的に向上するだろう。”

この新しいミシュランタイヤを用いたレースは11/12開催のマラケシュePrixで見ることができます。

 

> Comment from EVracing.jp

レース用タイヤまでもが環境に優しくなってきているのは嬉しい事ですね。

source: http://www.fiaformulae.com/

LINEで送る
Pocket