フォーミュラE 2025 ROUND1 サンパウロ E-PRIX 決勝ハイライト
R1-サンパウロ
フォーミュラE 2025シーズンの第1戦であるブラジル/サンパウロでのレースが開催された。
ブラジル南東部に位置するサンパウロの人口は1200万人を超え、非常に高い人口密度を誇る。
ブラジルの経済の中心なだけあり、平均年収が高く、富裕層も多く暮らしている。
12月の平均最高気温は27℃となり、過ごしやすい気温となる。
平均最低気温も18℃と非常に快適な気候だ。
特徴として、市街地コースらしい直角コーナーが数多く設定していることが挙げられる。
コーナー数は11とかなり少ない部類に入り、それによって長いストレートが3本もあるためオーバーテイクポイントが豊富だ。
2025シーズンはGen3Evoマシンを導入したシーズンとなる。
最大パワーは350kwと変化はないが、スタート時/予選デュエルステージ/アタックモード使用時は4WDとなり凄まじい加速力を発揮する。
通常時は今まで同様に300kwのRWDで走行する。
予選
予選では2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループAでは、キャシディやローランド等が走行を行った。
Gen3evoの初の予選セッションでトップタイムを記録したのはデニスだった。
2番手はポルシェのダ・コスタが続き、ポルシェパワートレインが速さを見せた。
3位で通過したのは日産のローランドが入り、最後の4台目にはベルニュが入った。
キャシディは5番手でデュエル進出は叶わなかった。
グループBでは、ウェーレインやエバンスが配属された。
しかしエバンスは走行できずにノータイムとなった。
トップタイムを記録したのは、チャンピオンのウェーレインとなり、相変わらずの競争力を見せた。
2位にはモルタラが入り、ギュンターとナトが続いた。
バーナードやマロニーのルーキー勢は離される形となり、洗礼を受けた。
トーナメント予選では、僅差のバトルが行われた。
セミファイナルではローランドがデニスを0.001秒差で上回りファイナルに進出するドラマがあった。
トーナメントファイナルはローランド対ウェーレインとなり、昨シーズンのランキング上位が速さを見せた。
両者はセクター1から互角の走りを見せるが、最終セクターでウェーレインが僅かに上回り、0.099秒差でポールポジションを獲得した。
2番手には日産のローランド。
3番手はアンドレッティのデニス。
4番手はDSのギュンターとなった。
レーススタート
スタートで先頭をとったのは2番手スタートのローランドだった。
インサイドからウェーレインに並びかけ、ターン1のブレーキングで先頭に立った。
また、3番手も順位の入れ替えがあり、ギュンターがデニスを抜いてポジションを上げた。
2周目、ヒューズとミュラーが接触してマシンをストップさせた。
シーズン最初のアクシデントは早々に発生した。
中盤のアクション
19周目、トップ争いのダ・コスタとウェーレインがチームメイト対決を展開する。
3番手のローランドは前のバトルに合わせてアタックモードを起動して4番手でコースに復帰。
その後すぐに3番手にポジションを戻してポルシェ勢を追う。
20周目、アタックモードのローランドはウェーレインをパスして2位へ浮上する。
そのまま、アタックモードを上手く活用してダ・コスタも抜くとローランドがトップに躍り出た。
しかし直後に、デニスがトラブルによってストップしたことで赤旗が提示されてレースが一時中断となる。
これにより、直前の周回の順位での再スタートとなり、ローランドは2位扱いになり、更にアタックモードを3分以上持っていたローランドにとっては悪いタイミングとなってしまった。
終盤のバトル
23周目、レースがスタンディングで再開される。
ポールはダ・コスタだったが、スタート直後の1コーナーでローランドがトップを奪取する。
26周目、キャシディがアタックモードを使用してギュンターを抜き2位へ浮上する。
28周目、エバンスもアタックモードを使用し、ホームストレートで2台をまとめてオーバーテイクする。
Gen3evoの新システムによるアタックモードは本来の”アタックモード”の速さを取り戻した。
29周目、後続を引き離してトップに立っていたローランドであったが、レース序盤にオーバーパワーが発生したことによるペナルティが課され、ドライブスルーペナルティとなった。
これにより、キャシディが先頭に立ったが、直後にエバンスがオーバーテイクを成功させて首位に立った。
これでエバンスは最後尾からの首位奪取に成功する。
30周目、ギュンターとウェーレインとキャシディが接触する。
3台はスリーワイドでコーナーへ侵入し、アウトサイドのギュンターがインに入ろうとしたところでキャシディに接触。
ギュンターは押し出される形でアウトサイドのウォールに軽く接触する。
その直後のコーナーでは、キャシディがウェーレインのリアに接触し、ウェーレインは片輪走行になった状態でウォールにクラッシュして逆さまになった。
32周目、レースが再開され、エバンスとダ・コスタがトップを争い、マクラーレンの2台が続く形となる。
激しいバトルはファイナルラップまで続いたが、順位は変わらずにチェッカーを受けた。
優勝は、最後尾スタートから大逆転を達成したジャガーのミッチ・エバンス。
2位は、最初から最後までトップ争いを繰り広げたポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ。
3位は、ルーキーで初の表彰台となるマクラーレンのテイラー・バーナードとなった。
フォーミュラEは1戦を終えて、エバンスがリードした。
ランキングリーダーはミッチ・エバンス(25ポイント)
ランキング2位はポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(19ポイント)
ランキング3位はマクラーレンのテイラー・バーナード(15ポイント)