フォーミュラE 2024 ROUND9 ベルリン E-PRIX 決勝ハイライト
R9 – ベルリン
フォーミュラE 2024シーズンの第9/10戦であるドイツ/ベルリンでのレースが開催された。
フォーミュラE世界選手権は、第9戦・第10戦としてダブルヘッダーのベルリンE-Prixを開催した。
ダブルヘッダーはチャンピオンシップポイントを大量に加算することができるため、各チームにとって重要な2連戦となる。
戦いの舞台となるのはドイツの首都であるベルリンだ。
コースが設定されるテンペルホーフ国際空港は、2008年で閉鎖されており現在は使われていない飛行場となっている。
ベルリンは、多くのドライバーがフォーミュラEでのレース経験があるコースだったが、今年は大規模なレイアウト変更が行われており、全く異なるレイアウトへと姿を変えた。
他の市街地コースと比べて少し変わった特徴的なコースでもあり、このコースの路面はコンクリートで作られている。
全体的に道幅は広く、オーバーテイクがしやすいが、エネルギーマネジメントが難しく混戦が予想された。
2024シーズンはGen3マシンを継続使用する。
最大パワーの350kwを使用する予選は十分なパフォーマンスを見ることができ、決勝は300kwで争われる。
ブレーキの回生エネルギーが重要であり、レースで使用するエネルギーの約40%が回生によるものとなっており、効果的なエネルギーマネジメントが求められる。
予選
予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、エバンスやベルニュ、チャンピオンのデニスが配属され、ランキングリーダーのウェーレインも走行をした。
新レイアウトはタイム差が非常に出にくくなっており、トップからボトムまでのタイム差は0.5秒以内という接戦になった。
トップタイムはモルタラが記録し、マヒンドラが久々のトップタイムとなった。
2番手以降はウェーレイン、ベルニュ、そしてルーキーのダルバラが入った。
グループBでは、キャシディとローランドのタイトル争い勢が走行した。
トップタイムは地元のABTに乗るディ・グラッシが記録。
2番手にはギュンター、3番手はバンドーン、4番手はセッテ・カマラが入った。
トーナメント予選では、ミスの許されないバトルが行われた。
トーナメントファイナルはモルタラとバンドーンが対決した。
序盤はタイム差はほとんど無かったが、中盤でバンドーンが0.2秒送れる。
このロスが決定打となり、そのまま両者はほぼ同一タイムで残りのセクターをまとめてチェッカーを受けた。
ポールポジションはマヒンドラのエドアルド・モルタラ。
2番手にはDSのストフェル・バンドーン。
3番手はDSのジャン-エリック・ベルニュ。
4番手はERTのセルジオ・セッテ・カマラとなった。
レーススタート
スタートで先頭をとったのはポールスタートのモルタラだった。
そこに続くDSの2台も順位を維持してスタートをきった。
5周目、DSがトップ2を保持して後続を抑える展開となる。
その後ろにはポルシェの2台が続き、チーム力での勝負となる。
11周目、エリクソンがサスペンションを破損して停車したことでセーフティカーが出動する。
中盤のアクション
17周目、レースが再開され、DSとポルシェのチーム同士の戦いが始まる。
その争いにモルタラも加わり、トップ5が熱いバトルを展開する。
更に、後方から順位を上げてきたローランドとエバンスがトップ集団に加わり激しさを増す。
21周目、ディ・グラッシがヘアピンでリアサイドを押されてスピン。
チームの母国イベントでリタイヤとなってしまった。
30周目、ギュンターがウォールにクラッシュして再びセーフティカーが導入される。
34周目、レースが再開されると、トップ集団は激しいバトルを再開する。
4ワイドのブレーキング飛び込みでローランドがトップに立つシーンから始まり、数周に渡ってバトルが続いた。
終盤のバトル
41周目、中団のダルバラがモルタラに追突し、フロントウィングを失って戦線離脱となる。
トップ5はチャンピオンシップ上位のマシン同士の争いへと発展し、43周目にキャシディがトップに立ち、後続を引き離し始める。
そこから集団のペースは一気に上がり、エネルギーマネジメントの差が出てきた。
優勝は、ライバルよりも多くのエネルギーを残すことに成功したジャガーのニック・キャシディ。
2位は、DSのジャン-エリック・ベルニュ。
3位は、日産のオリバー・ローランドとなった。ローランドは15番手スタートからの表彰台となった。