フォーミュラE 2024 ROUND7 ミサノ E-PRIX 決勝ハイライト
R7-ミサノ
フォーミュラE 2024シーズンの第7戦であるイタリア/ミサノでのレースが開催された。
イタリアは、これまでフォーミュラEを5回開催した実績を持っており、ローマでの市街地コースでレースを行ってきた。
しかし今年は舞台を移し、常設サーキットであるミサノで開催することになった。
ミサノはイタリア北東部のエミリア=ロマーニャ州に位置しており、MotoGPやワールドスーパーバイク等が行われている常連サーキットであり、4輪レースとしても、耐久シリーズやDTM、FIAF3等の多くのレースイベントを開催している。
初開催ではあるものの、常設サーキットということもあり施設の信頼性は高い。
4月の平均最高気温は21℃と過ごしやすく、問題ない範囲だ。
2024シーズンはGen3マシンを継続使用する。
最大パワーの350kwを使用する予選は十分なパフォーマンスを見ることができ、決勝は300kwで争われる。
ブレーキの回生エネルギーが重要であり、レースで使用するエネルギーの約40%が回生によるものとなっており、効果的なエネルギーマネジメントが求められる。
予選
予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループAでは、キャシディやローランド、ギュンターが走行を行った。
トップタイムはキャシディが記録し、速さは健在だ。
2番手以降はフラインス、ミュラー、ベルニュとなった。
ローランドは惜しくも5番手となり、ギュンターも6番手でデュエルステージを逃した。
グループBでは、エバンスやウェーレイン、デニスが走行した。
トップタイムはヒューズが記録し、グループステージトップタイムとなった。
2番手以降はウェーレイン、バード、バンドーンが続いた。
デニスは5番手タイムで敗退となった。
トーナメント予選では、僅差のバトルが行われた。
トーナメントファイナルはヒューズ対ベルニュとなり、0.24秒差でヒューズがポールポジションを獲得した。
ヒューズはデュエルステージで圧倒的な速さを見せた。
2番手にはDSのジャン-エリック・ベルニュ。
3番手はポルシェのパスカル・ウェーレイン。
4番手はABTのニコ・ミュラーとなり、2位から4位は土曜日の予選と同じ結果となった。
レーススタート
スタートで先頭をとったのはポールポジションのヒューズだった。
ターン1前で少しポジションを落としていたが、ライバルが早い段階で加速を止めていたため、再びトップとなった。
レースは前回同様に、序盤は全員がトップを譲り合うような展開となり、トップが入れ替わる。
7周目、集団の中にいたフラインスが両サイドから挟まれて接触し、早々にリタイヤとなる。
中盤のアクション
11周目、ダ・コスタがライバルに追突し、この接触でフロントウィングがタイヤに干渉してしまい白煙を上げる。
これにより、ダ・コスタも戦線離脱となった。
13周目、ナトも全く同じ箇所にダメージを負い、タイヤから白煙を上げる。
15周目、4番手を争っていたヒューズとミュラーが接触し、ヒューズがコースサイドへ弾かれるシーンもあった。
幸い、ヒューズは大きなダメージがなく高速を続けられた。
17周目、今度はエバンスがストップしてしまい、レースをリタイヤした。
エバンスはチャンピオンシップを争うドライバーなだけに痛いリタイヤとなった。
終盤のバトル
21周目、先頭はローランドが引っ張り、ウェーレインとデニスが追いかける展開となる。
チャンピオンシップライバルとの勝負となり負けられない戦いが始まっていたが、ローランドが既に二人に対して2%程度低いバッテリー残量となっており、終盤が厳しい予想がされた。
しかし、ここから周回を重ねる毎にローランドがペースを上げていき、デニスとウェーレインを引き離し始めた。
ファイナルラップに入る頃にはウェーレインとの差も1秒以上に離れたが、バッテリー残量が1%程度になっており、明らかにバッテリー切れを起こす状態だった。
ローランドはコース中盤でバッテリーが無くなり、そのままリタイヤとなった。
2位集団の争いは最後まで続き、デニス、ミュラー、キャシディの3人が順位を争った。
最終コーナーを立ち上がった時は順位に変動はなかったが、最後のストレートでミュラーのバッテリーが無くなり、コントロールライン寸前でキャシディがミュラーを抜いた。
優勝は、結果的に独走状態を作り上げたポルシェのパスカル・ウェーレインとなった。
2位は、チャンピオンのアンドレッティのジェイク・デニスが獲得し、ミサノの2レース両方で2位表彰台を獲得した。
3位は、ジャガーのニック・キャシディとなった。
フォーミュラEは第7戦を終え、ウェーレインとデニスが同点でランキングを争っている。
ランキング1位はポルシェのパスカル・ウェーレイン(89ポイント)
ランキング2位はアンドレッティのジェイク・デニス(89ポイント)
ランキング3位は日産のオリバー・ローランド(80ポイント)