フォーミュラE 2023 ROUND14 ローマ E-PRIX 決勝ハイライト

フォーミュラE 2023 ROUND14 ローマ E-PRIX 決勝ハイライト

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フォーミュラE 2023シーズンの第13-14戦であるイタリア/ローマでのレースが開催された。

フォーミュラE世界選手権は、第13-14戦としてイタリアのローマでE-Prixを開催した。
ローマは2018年にフォーミュラEが訪れるまでストリートレース文化がなかったが、フォーミュラE開催によって新たな文化が根付き始めた。
イタリアの中心であるローマは、非常に多くの分野でイタリアを代表する地域である。
数千年の時を経て、イタリアの首都”ローマ”は、古いものと新しいものが混在する賑やかな国際都市に成長し、約300万人の人々が暮らしている。
今シーズンは7月の開催となるため、平均気温は29-18℃となり、例年よりも気温は高い。
また、7月の降水量は非常に少なく、ドライでのレースとなった。

2023シーズンはGen3マシンへと移行し、大幅にマシンパフォーマンスが向上した。
最大パワーの350kwを使用する予選はもちろん、決勝で使用されるパワーも大幅に上がり、Gen2の予選時よりも50kw多い300kwで争われる。
同時にブレーキの回生量も向上したが、Gen2時代と同様のバッテリー容量であるため、より効果的なエネルギーマネジメントが求められる。

予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、ジャガーのサム・バードがトップタイムを記録し、チャンピオンシップを争うエンビジョンレーシングのニック・キャシディを上回った。
また、チャンピオンシップライバルのジャガーのミッチ・エバンスも4位で予選を通過した。
3番手には時折予選で速さを見せるNIOのダン・ティクタムが着けた。
グループBでは、チャンピオンシップを争うアンドレッティのジェイク・デニスがトップタイムを記録して、グループAのライバルを上回るタイムを記録した。
2番手はエンビジョンレーシングのセバスチャン・ブエミとなり、3番手は日産のノーマン・ナトが入った。
最後の1枠にはマセラティ同士の争いに勝利したマキシミリアン・ギュンターとなった。

トーナメント予選では、ミスの許されないバトルが行われた。
トーナメントセミファイナルでは、チャンピオンシップ上位の3人が進出し、お互い負けられない戦いとなった。
エバンスとキャシディが争ったセミファイナルでは、キャシディが危ないシーンがありながらも勝利を収めた。
ファイナルではキャシディ対デニスのチャンピオン争いをする2人の対決となった。
両者は、非常に近いタイム差でラップを進めたが、中盤でリードを取ったデニスが最後までリードを守りきり貴重な3ポイントを獲得した。
2番手にはエンビジョンレーシングのニック・キャシディ。
3番手は日産のノーマン・ナト。
4番手はジャガーのミッチ・エバンスとなった。

レーススタート

レースがスタートし、ターン1ではポールのデニスがトップを維持した。
ライバルのキャシディはデニスのすぐ後ろでレースを進める。
3番手のナトは1周目からキャシディにプレッシャーをかけていくが、逆にエバンスに隙を突かれて4番手となる。
ナトを抜いたエバンスは、そのままキャシディにバトルを仕掛け始める。
これで上位3台がチャンピオンシップトップ3のドライバーになり、タイトルに挑戦する者同士の直接対決となった。
2周目、裏ストレートでデニスに並んだキャシディがアウトサイドからオーバーテイクを狙うが、ここでまさかのアクシデントが発生する。
3番手のエバンスがブレーキングでリアタイヤのグリップを失い、スライドしながら2台に追突してしまう。
この接触によってエバンスのマシンはキャシディのマシンに乗り上げ、その後バリアで止まった。
キャシディは追突の影響でランオフエリアへ侵入して最後尾に後退することになった。
このアクシデントでキャシディとエバンスが戦線離脱となり、チャンピオンシップ争いでデニスが有利な展開となる。

中盤のアクション

6周目、2番手のナトがデニスのインサイドを狙うが、マシンを並ばせることができず、フロントウィングを少し損傷させてしまう。
幸い、その後のペースに影響がなくレースを続けることができた。
9周目、上位2台がアタックモードをアクティベートしたことで距離を詰めてきたバードがデニスの後ろに迫る。
10周目、最後尾付近まで落ちたキャシディがポイントを狙ってポジションを上げようと奮闘し、11番手まで挽回してくる。
12周目、ディグラッシがダ・コスタとのバトルでウェールに接触してサスペンションを破損してリタイヤとなる。
14周目、トップのデニスと2番手のナトが同時に二回目のアタックモードを起動する。
両者は後続を少し引き離していたことで順位を維持したまま復帰した。

終盤のバトル

18周目、3番手のバードと4番手のブエミが二回目のアタックモードを起動して最後の追い上げを狙うが、ブエミはモルタラの後ろで戻り1つポジションを落とした。
その後、ファイナルラップまでに後続を大きく引き離したデニスは余裕のトップチェッカーを受けた。
チャンピオンシップライバルがいなくなり、レースを上手くコントロールしてみせた。
また、ポールポジションとファステストラップも獲得したことで、フルポイントを獲得したことも大きい。
2位にはバッテリーを綺麗に使い切ったナトが入り、日産に表彰台をプレゼントした。
3位にはバードが入ったが、バッテリーを1%程余らせてナトを捕えられずにチェッカーを受けることになった。

フォーミュラEは14戦を終えて、ランキングリーダーはデニスとなり、一気にライバルとのポイント差を付けた。逆に、エバンスはチャンピオン獲得が非常に難しい状況に追い込まれた。
ランキングリーダーはアンドレッティのジェイク・デニス(195ポイント)
ランキング2位はエンビジョンレーシングのニック・キャシディ(171ポイント)
ランキング3位はジャガーのミッチ・エバンス(151ポイント)

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出典:https://www.fiaformulae.com/en/results?season=bc4a0209-f233-46c8-afce-842d1c48358f&race=b7c316f8-29a5-4a77-866a-872681a39660&tab=race

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