エクストリームE 2023 第5戦 ISLAND X-Prix ハイライト
エクストリームEは、2023年シーズンの第5-6戦としてイタリアのサルデーニャ島でレースを行った。
2023年シーズンの第5-6戦はイタリアのサルデーニャ島で開催された。
ダブルヘッダーでの開催となる今シーズンは土曜日と日曜日にレースを行う。
戦いの舞台となるイタリアのサルデーニャ島は、地中海に浮かぶ大きな島だ。
サルデーニャ島は、西地中海で2番目に大きな島であり、モータースポーツイベントの開催地として知られている。
過去にはWRCの開催実績もあり、2004年から世界ラリー選手権（WRC）のカレンダーに組み込まれており、モータースポーツに対して関係の深い場所だ。
島の人口は160万人だが、自然豊かな環境が多く残る。
平均気温は25℃程度と過ごしやすい。
過去のシーズンでは激しいバトルの末、路面のギャップにステアリングを取られてコースアウトするマシンが多くいたため、リスクの高いコースとなる。
他のシリーズとは違う特殊なレースフォーマットを採用しているエクストリームEは、今シーズンから2レース制となり、土曜日と日曜日にそれぞれレースを行う。
各チームは5台での予選レースを異なる組み合わせで2レース戦い、順位によって付与されるポイントの合計でファイナル進出を目指す。
昨シーズンとは違い、単走や3台でのレースがなくなったため、混戦を抜け出すための序盤のレース運びが非常に重要となる。
また、定められた区間で最速タイムを記録したマシンにはポイントのチャンピオンシップポイントが付与される。
リデンプションレース
6位以下の順位を決めるリデンプションレースには、X44、JBXE、カールコックス、ベローチェ、マクラーレンが並んだ。
スタート直後、マクラーレンとJBXEとカールコックスの3台が接触し、JBXEはスピンを喫すると同時にダメージが大きくリタイヤとなる。
接触したマクラーレンもドアを破損して、走行中に外れてしまう。
マクラーレンの後ろではX44とカールコックスが僅差で続く。
コース中盤でX44がマクラーレンのインサイドに飛び込み、接触しながら2位へ浮上する。
しかし、ピットインの直前にマクラーレンがオーバーテイクを成功させ2位を奪還してドライバー交代を行った。
ピットアウト後にX44は4番手に交代して、カールコックスを追う展開となる。
その後は順位の変動はなく、ベローチェがリードを少し減らしながらも安定した走行を行ってトップチェッカーを受けた。
チャンピオンシップを争うベローチェはなんとかポイントを加算することができた。
1秒差まで迫ったマクラーレンは2位、そこから1秒差でカールコックスが3位となり、X44は4位でチェッカーを受けた。
グランドファイナル
優勝者を決めるファイナルステージには、チップガナッシ、RXR、サインツXE、ABT、アンドレッティが並んだ。
スタート後に全車がハイパードライブを使用し、全員が同じルートを選択した。
その結果、4ワイドで狭いエリアに侵入することとなり、接触によってRXRがコース外へ外れてしまった。
すぐに再スタートを切ったものの、5番手から追い上げを余儀なくされた。
スタートでトップを獲得したのはチップガナッシだった。
後続では、ABTから今シーズン初参戦となるセバスチャンローブが3位に着けていたが、タイヤのパンクによって戦線離脱となる。
1周目を終えて、チップガナッシを先頭に、アンドレッティ、サインツXE、RXRの並びとなる。
スタートで出遅れたRXRだったが、上位集団との差を少しづつ縮めてきて、2周目の中盤でサインツXEに追いつく。
粘りたいサインツXEであったが、ピット前でRXRに先行を許して4位へ後退となる。
ピットアウト後、チップガナッシは後続を少し引き離し、逆にアンドレッティはRXRとのバトルを強いられることになる。
しかしここで、トップのチップガナッシにピット作業違反ペナルティが課せられてしまう。
これにより、15秒のタイムペナルティが加算されることになり、優勝争いから脱落となる。
そして、事実上のトップ争いでアクシデントが起こった。
中速コーナーの侵入で少し膨らんだアンドレッティと、そのミスを見逃さずオーバーテイクを狙ったRXRが接触した。
接触自体はインパクトの少ないものであったが、アウトサイドに弾かれたアンドレッティは柔らかい路面にタイヤを引っ掛けて横転してしまった。
これでアンドレッティはリタイヤとなり、不運な結果となった。
トップチェッカーを受けたのは、スタートでリードを築いたチップガナッシだったが、ペナルティによって順位が変わり、変わってトップになったのはRXRだった。
今季初優勝を飾った。
2位はサインツXEが獲得し、トラクションチャレンジで最速を記録して追加ポイントを獲得した。
3位はペナルティで後退したチップガナッシとなった。
関係者コメント
RXRのヨハン・クリストファーソンは以下のように語った。
「サルデーニャはRXRに適したイベントだったと思います。非常にトリッキーなグリッド枠から優勝することができましたが、非常に運の良い結果でした。スタート後はスペースがなくてコースアウトしてしまい後悔しましたが、そこからなんとか走り切ってペースをうまくコントロールできました。ピット後はミカエラ（コツリンスキー）が素晴らしい仕事をしてくれました。今日は完璧な日でしたし、マシンのコンディションも完璧でした。チーム、メカニックのみんなに心から感謝している。チャンピオン争いに復帰できてうれしいです」
出典：https://www.extreme-e.com/en/results/s03/island-xprix-5
