フォーミュラE 2023 ROUND11 ジャカルタ E-PRIX 決勝ハイライト
フォーミュラE 2023シーズンの第10-11戦であるインドネシア/ジャカルタでのレースが開催された。
ジャカルタはダブルヘッダーでの開催となるため、ランキングが大きく動く可能性がある重要なイベントだ。
昨年からカレンダーに入った開催地であり、すでに経験しているドライバーが多い。
ジャカルタの人口は約1000万人を誇り、メガシティとして近年急成長を遂げた。
気候は一年間を通してほとんど変わらず、平均気温は30度を超える。
また、海が近いことで湿度も高止まりしており、年間を通じて80%程度となっている。
2023シーズンはGen3マシンへと移行し、大幅にマシンパフォーマンスが向上した。
最大パワーの350kwを使用する予選はもちろん、決勝で使用されるパワーも大幅に上がり、Gen2の予選時よりも50kw多い300kwで争われる。
同時にブレーキの回生量も向上したが、Gen2時代と同様のバッテリー容量であるため、より効果的なエネルギーマネジメントが求められる。
予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、チャンピオンシップを争うデニスがトップタイムを記録し、前日に続いてトーナメント進出を果たす。
ライバルのキャシディはまたしても5番手タイムに終わり、デュエルステージ進出を逃した。
2番手には日産のサッシャ・フェネストラズが入り、予選での速さを見せた。
3番手にはジャガーのミッチ・エバンス、4番手にはマクラーレンのジェイク・ヒューズが続いた。
グループBでは前日ポールのマセラティのマキシミリアン・ギュンターがトップタイムを記録する。
2番手にもマセラティのエドアルド・モルタラが入り、マセラティが1-2体勢で通過する。
3番手には前日優勝のポルシェのパスカル・ウェーレイン。
4番手はDSのストフェル・バンドーンとなった。
トーナメント予選では、ミスの許されないバトルが行われた。
トーナメントセミファイナルでは、デニス対エバンスの戦いで、1000分の1秒差でデニスの勝利する激戦があった。
ファイナルではデニス対ギュンターの対決が再び見られた。
しかし、前日ポールのギュンターは更に予選ペースを上げてきており、ここまでの最高である自己ベストを更に0.2秒も更新する完璧なラップを記録した。
リベンジを狙ったデニスであったが、0.5秒差を付けられてしまった。
ギュンターは、2戦連続のポールポジションとなった。
2番手にはアンドレッティのジェイク・デニス。
3番手はジャガーのミッチ・エバンス。
4番手はマセラティのエドアルド・モルタラとなった。
レーススタート
レースがスタートし、ターン1では激しい2位争いが展開されたが、順位に変動はなかった。
トップ集団のすぐ後ろでは、フェネストラズが5番手にポジションを上げた。
オープニングラップはポールスタートのギュンターがとった。
中盤のアクション
9周目、3番手のエバンスがターン1でギュンターを捕えて2位へ浮上する。
10周目、抜かれたギュンターだったが、デニスに少し詰まったエバンスの隙を突き、インフィールドセクションでサイドバイサイドのバトルを展開し、オーバーテイクを成功させる。
16周目、デニスのアタックモードに反応してギュンターもアタックモードを起動する。
アタックモード起動後にエバンスに引っかかっていたデニスは、ここでギュンターに先行される。
19周目、ターン1で2番手のギュンターのアウトサイドから並びかけるデニスだったが、連続コーナーをアウトサイドから抜かすことはできずに後ろに戻る。
そしてこのラップで、7位走行中だったキャシディが接触によってストップする。
チャンピオンシップライバルのウェーレインのインサイドに飛び込もうとしたキャシディだったが、ウェーレインのリアタイヤに追突する形となり、マシンにダメージを負った。
これで大きくポジションを落とし戦線から離脱してしまった。
終盤のバトル
32周目、4番手を争っていたフェネストラズとバンドーンに動きがあった。
裏ストレート後のヘアピンでインサイドに飛び込んだフェネストラズがバンドーンを抜かして4位に浮上する。
バンドーンはラインを外された影響で加速が鈍り、その間にナトもバンドーンをパスしてポジションを上げた。
タイヤへのピックアップがあったのか、バンドーンはその後のターン1でウェーレインにもパスされてしまい大きくポジションを落とす。
そして優勝は、中盤以降に圧倒的なペースを見せたマセラティのマキシミリアン・ギュンターだった。
Gen3の最近のレースとしては珍しい独走での優勝となった。
2位は、アンドレッティのジェイク・デニスが入り、これで4連続表彰台となる。
3位は、ジャガーのミッチ・エバンスとなり、チャンピオンシップ争いでは上位の3人になんとか付いていっている。
フォーミュラEは11戦を終えて、ランキングリーダーだったキャシディを抜いてウェーレインが再びトップに立った。
しかし、ライバルとのポイント差は少なく、シーズン終盤の争いは激しさを増すだろう。
ランキングリーダーはポルシェのパスカル・ウェーレイン(134ポイント)
ランキング2位はアンドレッティのジェイク・デニス(133ポイント)
ランキング3位はエンビジョンレーシングのニック・キャシディ(128ポイント)