フォーミュラE 2023 ROUND9 モナコ E-PRIX 決勝ハイライト
フォーミュラE 2023シーズンの第9戦であるモナコ公国/モナコでのレースが開催された。
グランプリレースの伝説的存在であるモナコ市街地コースでのフォーミュラEが今年も行われた。
世界一の物価を記録する”お金持ちの国”として知られるモナコは、モータスポーツの歴史が非常に長い。
そんな元祖市街地コースとも言えるモナコ市街地サーキットで、最先端の電気自動車がレースを行った。
昨年同様、フルコースで開催され、フォーミュラEにとっては高速コースと呼べるものになっておりオーバーテイクのチャンスも多い。
ただ、Gen3マシンのバッテリーマネジメントは非常にシビアであることから、例年よりも序盤のレースクラフトが重要となった。
2023シーズンはGen3マシンへと移行し、大幅にマシンパフォーマンスが向上した。
最大パワーの350kwを使用する予選はもちろん、決勝で使用されるパワーも大幅に上がり、Gen2の予選時よりも50kw多い300kwで争われる。
同時にブレーキの回生量も向上したが、Gen2時代と同様のバッテリー容量であるため、より効果的なエネルギーマネジメントが求められる。
予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、不調であった日産勢が好タイムを記録した。
トップタイムは日産のナトが記録し、2番手にも日産のフェネストラズが入り1-2体制を築く。
3番手には僅差でNIOのティクタムが入り、デュエルステージ最後の枠にはジャガーのエバンスが入った。
グループBでは、マセラティが速さを見せてギュンターがトップタイムを記録する。
チームメイトのモルタラも3番手でデュエル進出を決める。
2番手には日産パワートレインを搭載するマクラーレンのヒューズが入り、予選の調子を取り戻した。
最後の4番手にはNIOのセッテ・カマラが入った。
トーナメント予選では、ミスの許されないバトルが行われた。
セミファイナルでは日産同士の戦いがあり、フェネストラズが勝利した。
トーナメントファイナルは日産パワートレイン同士の対決となるサッシャ・フェネストラズ対ジェイク・ヒューズとなった。
両者の戦いは、途中までフェネストラズがリードを築き、更にヒューズのミスによって完全に勝敗が決したように見えた。
しかし、フェネストラズのマシンのパワートレインが既定値を超えた出力を出してしまったためタイム取り消しとなり、繰り上げでヒューズがポールポジションを獲得した。
2番手には日産のサッシャ・フェネストラズ。
3番手は日産のノーマン・ナトが入り、上位3台が日産パワートレインとなった。
4番手はマセラティのマキシミリアン・ギュンターとなった。
レーススタート
スタートで先頭をとったのはポールスタートのヒューズだった。
2番手のフェネストラズと3番手のナトも順位を維持してオープニングラップを終える。
4番手にはギュンターを抜いたティクタムが浮上した。
中団からはキャシディが豪快なオーバーテイクをして順位を上げてくる。
更に、エバンスも着実にポジションを上げ、ジャガーパワートレイン勢がレースでの強さを見せ始める。
中盤のアクション
14周目、キャシディがトップを走り、デニスとエバンスが追いかける展開となる。
この3人はチャンピオンシップ上位争いをしており、負けられない戦いとなった。
エバンスはアタックモードを使用してシケインでデニスをアウトサイドからパスすると、16周目にはキャシディを抜いてトップへ浮上する。
18周目にキャシディがエバンスを逆転して再びトップへ立つと、2人のバトルが数周の間続いた。
22周目、コース上のデブリの回収のためセーフティカーが入り、バトルは一時中断される。
終盤のバトル
25周目、レースが再開される。
セーフティカーが入ったタイミングがレース終盤だったことで、すでに周回数が確定しており追加ラップはなかった。
これによってバッテリーの余裕が生まれ、トップのキャシディにとっては運の良いセーフティカーとなった。
28周目、後方を走っていたミュラーがターン1でウォールに接触し、サスペンションを破損してしまいリタイヤとなる。
このアクシデントで再度セーフティカーが入り、レースはそのままファイナルラップを消化してチェッカーを受けることになった。
優勝は、終盤をトップで走ったエンビジョンレーシングのニック・キャシディ。
2位は、不運で優勝のチャンスを逃したジャガーのミッチ・エバンス。
3位は、アンドレッティのジェイク・デニスとなった。
また、日産のフェネストラズは4位でチェッカーを受けて自己最高順位を更新した。
フォーミュラEは9戦を終えて、遂にランキングリーダーを維持し続けたウェーレインを逆転してキャシディが首位に立った。
ランキングリーダーはエンビジョンレーシングのニック・キャシディ(121ポイント)
ランキング2位はポルシェのパスカル・ウェーレイン(101ポイント)
ランキング3位はアンドレッティのジェイク・デニス(96ポイント)